ピノキコの小説

ピノキコの小説

小説を書くことが好きな15歳です✡
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第2章
ー近距離ー
(3)


1人暮らしが始まってから早くも2週間が経った


“1人”にはだいぶ慣れ、前と変わったことは至ってない


家の周りの木には蕾が顔を出そうとしている


その頃、学校はいよいよ球技大会に向けて本格的な作業を始めていた







「次は球技大会の各種目練習でーす。各自ジャージに着替えた後、それぞれの練習場所に移動して下さーい」


実行委員がクラスのみんなに呼びかける




「美緒ちゃ~ん早く~!置いてくよ!」


「ちょっとまって…あっ華那ちゃん待ってってばー!」



華那ちゃん…とは、同じクラスの 美沢 華那(ミザワ  カナ)のことである


彼女とはクラスが始めて一緒になり、特に仲が良いわけでもなかったのであまり話す機会がなかった


けど、球技大会の種目が同じになったことがきっかけで最近話すようになった



見た目は凄くふわふわしていて可愛らしいけど、実は空手をやってたりする


知らない人の事を知ると、新しい感情が芽生える


華那ちゃんは凄くかっこいい人だってわかって、そしたら彼女の事をもっと知りたくなった




友達っていいなぁ…


私がこんな事を思うなんて、まあ珍しいことだ




麻耶に最近よく言われるようになった事がある


『美緒明るくなったね』...って


元々私は暗い人ではない


ただ、最近親のことで少し悩みすぎていたせいか、笑顔が減っていた


でも今は前よりもたくさん笑うようになった





「美緒ちゃんバスケできる?」


「んーできるっちゃできるけど、そこまで上手くないかなぁ」



こうして新しい友達もできて良かったと思ってる



「私なんかバスケすっごい下手だよ!」


「でも私、シュートは下手くそかな~。プレッシャーかかってる時なんか余計にね~」


「あーそれわかるー」


ギャハハハッ____...


「ん?…グランド賑やかだね~。先輩達楽しそ~」


「だねー…」 



あ…


瀬羽先輩だ


サッカーなんだ…



「ピピッ_____体育館チーム集合!」


「あっ、美緒ちゃん行こっ!」


「うん!」



先輩がバスケ部だからってバスケを選ぶわけないか


それに球技大会は、自分の部活は2人までしかやっちゃいけないもんね…




……って何言ってんの私?




_____ _ _



駄目だ……


どうしてもシュートが入らない!!


「美緒ちゃ~ん、バスケ難しいよ~」


「あ、ボール持ったまま歩いちゃ駄目だよ!」


「ええ!私もー無理だー」


「うちのクラス、女バスいないから教えてもらえないしね」


「はぁ~~」



球技大会まで残り2週間


どうにかしてシュートが入るようにしなきゃ



「あっ、そーだ!!」


「!?いきなり大っきい声ださないでよ~…どーしたの?」


「頼れるバスケットマン、私知ってるんだ~」


頼れる…バスケットマン?





◇◇◇



ガチャン_____


よし、鍵は占めたし大丈夫…


夜に出歩くなんて久々だなぁ




「美緒ちゃーん!」


「華那ちゃん!」


私と華那ちゃんは、バスケットゴールがある公園に来ていた


そして頼れるバスケットマンやらに、バスケを教えてもらいに来た



…あれっ!?


「美緒ちゃん、この人が頼れるバスケットマンこと瀬羽大雅だよ!


あ、その隣にいるのは…別に呼んでないのに来た 佐々木  蓮斗(ササキ  レント)だよ」


「はぁ!?呼んでないのに来たとかひどくね!?俺ってそーゆー扱い?」



まさか、頼れるバスケットマンが瀬羽先輩だったなんて…



「どーもー始めまして、大雅と同じクラスの3年C組、佐々木蓮斗でーす」


「あっ、2年A組の小咲美緒です!今日はよろしくお願いします!」


「よろしくね美緒ちゃん♩」


「きっも!美緒ちゃんの名前気安く呼ばないでよね」


「お前そんな口聞いていーのか?教えねーぞ?ぁあ゙?」


「別に呼んでないし。大雅に教えてもらうからいーし」


「…っこのー!」

 

「まーま!落ち着けって蓮斗。


…俺は紹介いらねーよな?」


「あ、はい」


「え?何、2人知り合いだったの?」


「あ、前に私が倒れて、その時瀬羽先輩が助けてくれたの」


「ま、俺がぶつかったっけ美緒がぶっ倒れたんだけどなっ!」


「へーそーだったんだ!」


「…おい、待て。大雅は美緒だぞ!?“ちゃん”すら付けてねーのに何で俺は美緒ちゃんすら駄目なんだ!」


「はいはい。美緒ちゃん、大雅に教えてもらお~」


「うん。…華那ちゃんと先輩達って、どーゆー関係なの?」



「あ、それ言ってなかったね!あの2人は、私のお兄ちゃんの後輩なの!


私のお兄ちゃん私達の学校の卒業生で、バスケ部だったんだよね。


それで良く家にバスケ部の人遊びに来たりしてたから、仲良いんだ」



「へぇ~~」


「んで、あの2人は特に仲良い感じかな~」


「そーなんだ…」


「華那、お喋りはその辺でそろそろやるぞ」


「はーい」


「じゃー俺美緒ちゃんについてあげる♩」


佐々木先輩が私の前に近づいて来た


「あ、はい!お願いします」


「お前は華那につけ」


瀬羽先輩が佐々木先輩の服を引っ張り、華那ちゃんの元へ連れて行く


「え~~っ何で~!」


「お前は美緒に何するかわかんねーからな」


「はーい、それ私も思いまーす」


「お前ら!!!」


賑やかだなぁ…


思わずふっと笑ってしまった



「ん?何笑ってんの(笑)」


「あ、いえ!賑やかでいいなって」


「美緒家は賑やかじゃねーの?」


「…家、親が離婚したんです」


「え!!?…まじ?」


「はい…でも、もう吹っ切れてるんで大丈夫ですよ!」


「…わりぃ。俺何も知らないで、めっちゃ偉そうなこと言ってたよな」


「それは違いますよ」


「え?」


「瀬羽先輩の言ったことは正しかったです。


最終的には離れる形になったけど、最後にお母さんとお父さんからちゃんと愛をもらった気がします」


「そっか……っし!やるぞ!!」


「はい!」




_____ _ _


ガコンッ


「駄目だ…」


何度やってもボールがゴールの枠に当たってしまう
 


「ちょっとボール貸してみ」


「はい」


先輩にボールを渡した瞬間、瀬羽先輩は私が何回も失敗したシュートを、軽々しく一発で決めてしまった



「す、すごい…」


それは余りに綺麗なフォームで


見惚れてしまった



「美緒は肩に力が入りすぎだ。もー少し肩の力ぬいて、脇閉めてやってみて」


「はい!」


肩の力を抜いて…


脇を締めて…


小さく深呼吸をして、じっとゴールを見つめる




入れ



シュッ____ダンッ…


「はっ…入ったーー!」


「やったじゃん!美緒!」


「はい!ありがとうございます!」


何でこんな嬉しいんだろう




ああ、彼がいると全てが楽しく感じてしまう





「よし、だいぶ入るようになったな。今日はこの辺にしとくかー」


「そうですね!」


ケータイで時間を確認すると、もう8時50分を回っていた



「華那っ蓮斗っ!もー終わるぞー!」


「えー早いーっ」


「まじで時間経つの早えーな。こいつまだ全然下手くそだぞ?」


「うっさいだまれ!」


華那ちゃんが佐々木先輩を得意の空手で回し蹴り…


「っってぇーーーーー!何すんだてめぇっ!!」


今度は佐々木先輩が華那ちゃんの腕を掴む


「きゃーーーっ変態がいる!痴漢!触んなっ」


本当、賑やかな人達だ



「あいつら見てると心がホッとするよなー」


「ふふっ…そーですね」



「明日は放課後から練習な!それなら今日よりも時間取れるだろーし」


「えっ、いーんですか!?」


「ん?もちろん」


「先輩もサッカーの練習あるんじゃ…?」


「俺サッカーってこと知ってたの?」


「あ、はい。体育館に移動する時にグランド見えましたから」


「そっか。バスケやりたかったけどな!『お前が出たら試合になんねー』って先生とか他のクラスの奴らに言われてよ」


「そーなんですか!」


少し驚いて言う


そんなにバスケが上手なのかな?




「じゃ、帰るか!…蓮斗ーー!華那のことちゃんと送ってけよー!


美緒は俺が送るな」


「えっ!大丈夫ですよ?そんな家遠くないですし」


「いーから。美緒は危なっかしいから心配なんだよ……ふっ」


「ちょっ、そこ笑うとこ違いません?!それに前は具合が悪かったから倒れただけです!!」


「あーわりわり」


口とは逆に、反省してない顔をする先輩



…調子狂うなぁ





その後、家まで送ってもらう間、先輩と色んな話をした




また少し、先輩を知ることができた