『そして、バトンは渡された』 瀬尾 まいこ 著

 

はい…、、久々に読書のお話です。

毎月毎月、たっくさん本を読んでいるのですが、ブログに紹介するまでにかなりタイムラグが生まれています。

紹介したい本、お勧めしたい本、知っていただきたい本、色々あるのですが、すぐに行動に移せずすみません。

 

今日は、「そして、バトンは渡された」です。

2019年の本屋大賞受賞作品として、知られていることも多く、また受賞したことで作品名を聞いたという人もいるかと思います。

 

私は、本が発売されたとき、(あ、瀬尾さんだ!じゃあ、絶対おもしろいや!)と思ったものです。

 

瀬尾まいこさんの著書に、「幸福の食卓」という作品があるのですが、あの作品を読んだとき、とても心地よい読後感に浸ることができたので、きっとこの作品もそうに違いない。そう確信しました。

そして、、実際にページを開き、最後まで読み切りましたが、、

ああ、やっぱり、そうです。幸福感しかありません。

ただ、、物語の前半~中盤にかけては、納得し得ない部分もあったり、え?そういう展開?ん?どうなる??といぶかしがることもあったのですが、ラストまで読まなければいけませんね、何事も。

 

…ということで、、

ここから先は、作品のあらすじとネタバレいきたいと思いますーー。

*作品をまだ読んでいない方は、読み進めることをご遠慮くださいね(^^)

 

 

~~あらすじ~~

主人公、優子には父親が3人、母親が2人いる。

実の父親と暮らしていた優子は(実母は、優子が幼き日に事故死)、小3のときに、実父が梨花さん(義母)と再婚、しかし、二人は離婚、実父は単身海外へ、日本に残った梨花さん(義母)に引き取られ、二人暮らしへ。

その後、梨花さんが、泉ヶ原さん(一人目の義父)と再婚、しかし離婚、さらに、森宮さん(二人目の義父)と再再婚する。

そうして、17年間で4回も名字が変わった優子だが、どの親からもいつも愛されていた。

 

 

~~ネタバレ~~

現在は、森宮優子と名乗っているが、過去は、水戸→田中→泉ヶ原、と名字が変わってきた。17歳の優子は、過去色々な先生から、「大変ね」「困ったことがあったらいってね」などと声をかけられ、気遣われてきたが、そもそも、全然不幸だと感じたことがない。どの親たちも、優子を受け入れ、親であった期間は、一生懸命に自分の面倒を見てくれたし、愛情を注いでくれていたから。

 

…血のつながりのない家族の間を転々としながらも、こんなにちゃんと大事に育てられている子がいるなんて、びっくりとしか言いようがないお話です。

話の途中では、実父がいくら海外赴任することになるからといっても、血のつながりのない梨花さんを優子が選んだことで、そこからまったく実父に合うことがないまま、成人すぎまで成長していくなんて、あるわけないではないかーとつっこまずにはいられないし、

 

梨花さんの自由奔放な生活に付き合わされ、義父が2人も増えるなんて、優子…可哀そう。

そんな気持ちも芽生えながら読んでいました。

 

しかし、一度義母になった梨花さんは、自由でありながらも優子をちゃんと愛していたし大切にしていた、そして義父になった泉ヶ原さんも森宮さんも、ちゃんと優子を受け止め、きちんと親になろうとしてくれた。

それは、素晴らしいことのように思えたし、じゃあ、私は?本当の血のつながった子供がいる私は?ちゃんと、子供に愛情を注げているだろうか?この家族の人たちのように、血のつながりがなくても、子供を大事にしているように、ちゃんと大事にしているだろうか?

 

そんなことを考えさせられました。

 

梨花さんが泉ヶ原さんと再婚したことも、森宮さんと再再婚したことも、それは考えあってのことで、優子を振り回していたわけではないことも後々分かってきます。また実父の水戸氏も、後半に登場し、成人した優子と対面を果たすところは、消息がやっと分かってよかったね、とほっとする場面もありました。

 

…親になる覚悟を決めて親になる人の覚悟とはこういうものなのか、、とラストシーンは考えさせられました。

 

血のつながりを超えた愛情を、この作品で見せつけられたように思います。

 

PS:ついでにいえば、伊坂幸太郎の「オー!ファーザー!」という作品でも、実母1人に、4人の父親が登場し、一人息子がその父親たちに翻弄されながらも、ユニークに育てられていく様を描いた作品があります。そちらもね、血のつながりなんて関係ないと思わせてくれる爽快さがにじみでており、とても気に行っています。

 

…これからの時代は、いろんな家族の形態が「あり」になるんだろうなぁ。

そしてそれを私たちも当たり前に受け入れていける世の中にしていけたらいいなぁ。。

 

瀬尾さんの作品には、やはりやさしさが溢れていますね。読んでいてほっとします、読み終わった後、誰かに優しくしたくなります。