『アヒルと鴨のコインロッカー』 伊坂幸太郎・著
…最近、少しずつ自分のペースで日常を過ごすことが出来始めているので、読書を楽しむ時間も増えました。
週に1,2回は図書館に行くので、どれもこれも図書館にあるものを読みあさってます。
で、大好きな作家さん、伊坂ワールドを久しぶりに読みました。
『アヒルと鴨のコインロッカー』、図書館に原作もDVDもあったので、原作を読んだ後DVDを借りてみました。
~~あらすじ~~
大学に入学し、一人暮らしを始める男子学生・椎名は、引っ越しのアパートで作業をしている最中、隣人の河崎に、声をかけられる。
手伝ってほしいことがある、と。
それは、本屋を襲撃し、辞書を奪うこと。
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~~ネタバレ~~
河崎は、隣人にブータン人が住んでいることを椎名に話す。
ブータン人は、二年前恋人と別れ、それから引きこもりのような生活をしている。
彼を元気づけるために、辞書を渡したいのだ、という。
ハチャメチャな考えの河崎に、椎名は動揺し、なぜ、本屋から辞書を奪う必要があるのか?買ってあげるのではダメなのか?…と問いただすが、、
河崎は、本屋を襲うのは、オレ。椎名は裏口に立ち、ボブ・ディランを歌ったあと、2回ドアを蹴ってくれていればいい、と指示。
???
…二年前、、ブータン人・ドルジの恋人、琴美が車にはねられて死んだ。その背景に、当時、ペット殺しという若者集団がいた。
当時、ペットショップで働いていた琴美は、偶然ドルジと一緒にその集団がペットを傷めつけている現場をみてしまう。
警察にそのことを通報しよう、としている最中、、、琴美は犯人たちを逃がすまいと彼らが運転する車の前に立ち、そのまま轢かれてしまう。ドルジの目の前で…。
河崎は、琴美の元恋人で、無類の女性好き。プレイボーイで、かわいい子がいれば声をかける、あらゆる女性と関係を持ちたいと常日頃忙しい。
…そんな河崎は、琴美とドルジ、三人でいる時間が好きだった。たわいのない会話をし、時には琴美と言い争い、ドルジに日本語を教え…
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小説では、「現在」「二年前」という項目に分かれ、物語が進んでいきます。
現在では、椎名と河崎を中心に、二年前では、琴美、ドルジ、河崎の三人。
読み進めていくうちに、二年前に、琴美はおろか、河崎も病に伏して死んでいたことが分かる…ということは、、現在、椎名の横にいる河崎という人物こそが、実はブータン人のドルジだということが分かっていきます。
さらに、琴美を車でひき殺したペット殺しの集団も、その後車で事故に逢い、2名死亡。1名助かった…(これが、襲撃された本屋の店員)で、それを突き止めたドルジたちは復讐の機会をうかがっていたんですね。
ドルジは、河崎から教えてもらった日本語を忠実に覚え、日本語のアクセントも完璧にマスターし、日本人になりきっていのたです。
そのほうが、椎名を本屋襲撃に誘いやすかったから、。
映画で、ドルジ役は瑛太。映画の中では、英語もカタコト日本語も役作りに合わせてハマり役でした!
本物の、河崎さんには松田龍平で、キャラ的に女にゆるい感じもでていてすごくよかった♪
…、あ、ちなみに、椎名が最初、河崎(ドルジ)にあったとき、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を歌っていて、その歌を琴美は、「神様の声」だよ、と言っていたんです。
だから、河崎(ドルジ)は、椎名を本屋襲撃のパートナーに選んだ。
…読後感が、爽快とも不快とも…なんとも不思議で、この物語の世界に引き込まれていました。
河崎、琴美、ドルジの三人の空間が、愛おしくもあり、その後起きる悲劇により哀しくもあり…、三人の物語がずっと続いていたらよかったのになぁ、、と思わずにいられませんでした。
…人は誰でも、自分は物語の主人公だと思いたがる。でも、椎名は三人の物語の最後に、ちょっと巻き込まれただけだよ、というようなフレーズの文章がでてくるのですが、、、納得。。
小説+映画を一気にみたからなのか、物語への深みが増しました。。