『サブマリン』 伊坂幸太郎・著
『チルドレン』という作品がありまして…『サブマリン』はその続編ともいうべき作品です。
チルドレンを読んだ時、、(…この続きの作品が読みたいなぁ)って思ったものです。
主人公や、それを取り巻く人々のその後が知りたくて、、続編あったらいいなぁ、、と思っていました。
それが、、12年たった今、ようやく『サブマリン』として登場!!
以前は、短編だったのですが、今回は長編小説♪
~~あらすじ~~
家庭調査官の武藤は、いつも上司の陣内の意味不明な言動に振り回されながらも、一緒にチームを組み、事件を起こした少年たちの更生の道を模索している。
…陣内は言う。
「武藤、別におまえが頑張ったところで、事件が起きる時は起きるし、起きないなら起きない。そうだろ? いつもの仕事と一緒だ。俺たちの頑張りとは無関係に、少年は更生するし、駄目な時は駄目だ」
…明け方の住宅街で、一人の少年が無免許で車を運転し、ランニングをしていた男性をはねて死亡させる事件が起きた。
少年は19歳。少年法が適応され、武藤・陣内が彼の担当となった。
彼は、事件直後から口を閉ざし、事件の経緯をまったく話そうとしない。
…ところで、少年には両親を交通事故で亡くすという過去が、さらに小学生のとき、通学路に車がつっこんできて、少年の親友が亡くなるという過去を持ち合わせていた。。
そんな車に対して憎しみとも言うべきものを持つ少年が、一体なぜ、無免許で人を撥ねるという事件を起こしたのか。。
~~~~ネタバレ~~~~
19歳の少年は、過去自分の身に降りかかった自動車事故の記憶を忘れていたわけではなかった。それどころか、小学生の時、親友が亡くなった時の悲しみ、怒りを年月がたつにつれ増幅させていっていたのだ。
そして、、親友をひき殺した犯人が、あの住宅街近くに住んでいると調べ上げ、、犯人を同じように車でひき殺そうと考え、あの朝、、間違って別な人間を轢いてしまった。。。
正確に言うと、少年は犯人を見つけたが、直前で気持ちをとどまらせた。…ところが、目の前に犬が飛び出してきて、急にハンドルをきったものだから、コントロールがきかず、、その場にたまたまいたランニングの男性をひいてしまったのだ。
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自動車事故のニュースは、よくテレビでも話題になります。
私たちの生活の身近にある車。
便利な反面、時として凶器になりえますよね。
サブマリンでは、この19歳の起こした一つの事件を軸に、事件を起こした少年たちの背景、少年法がなぜ存在する意義、といったものをテーマにしています。
さらに今回、19歳の少年がひき殺そうと考えていた犯人…当時10代であり、実は陣内が担当していた、ということも分かり、、、
加害者、被害者、どちらの立場にも、気持ちが揺さぶられ…この事件の根源になっているそもそものものってなに?
突き詰めれば突き詰めるほど分からなくなります。。
じっくりと読んだ伊坂ワールド。
チルドレンには、答えの出ない悩ましい問いかけが多くちりばめられてて、
う~んと重たい気持ちになるんだけど、、
でも、陣内の発する一言にはっとさせられ、気付きをもらえます。