『トキオ』 東野圭吾・著
この間の深夜、Eテレで「大西巨人」特集をやっていました。
その特集が大変興味深くて、深夜にも関わらず番組が終わるまでしっかりみたのです。
で、翌日図書館でふと「トキオ」を手に取り、パラパラとページをめくると、、昨日の大西巨人の話と重なる部分をみつけ、興味がわきこの小説を借りてみました。
「トキオ」には、難病を持つトキオという息子が登場します。
その病名は「グレゴリウス症候群」で(小説上の架空の難病です)
…ただ、小説上でこの病気の説明がなされているのですが、大西巨人の息子がかかった「血友病」に似ている箇所がありました。
劣性遺伝によるものであるとか、発症するのは男性が多いとかそういうことが似てました。女児の場合はかならず保有者になるとか。。
あと小説上の「グレゴリウス症候群」では「ALS」の症状も加わってましたね。
最近「僕のいた時間」というドラマにも登場した難病です。
…とまぁ、そんな風に難病をテーマにした話しなのかな??とよみはじめたのですが、、結論を言ってしまえば心温まるSFファンタジーという小説でした。
本を読んだ感想としては、難病のことはさておき、「親」「子」の絆、つながりってなんだろう…と果てなく考えさせられたものです。
~~あらすじ~~
宮本拓実は、恋人麗子にプロポーズをしたとき麗子の血筋は難病をもつ家系であり、子供をつくることができないということを知る。
麗子自身も一生誰とも結婚しないでいようと心に決めていた。
…しかし拓実は諦めずプロポーズをする。
そして二人は結婚した。
避妊はしていたが、思いがけず麗子は妊娠をする。
生まれた男の子は「時生」。
拓実と麗子は時生に悪い血筋が遺伝しなければいいと願う…が無情にも時生が十代にさしかかるとグレゴリウス症候群の症状がでてきた。
…そして17歳のとき、植物状態になった時生は生死をさまよいはじめる。
死にゆく時生を見守っているそのとき、ふと…拓実は昔…自分が23歳だったころ、トキオに出合っていたことを思い出す。
若かりし頃の拓実はなにもかもがうまくいかずにふてくされた人生を送っていた。
そんな中ふと不思議な青年が現れ自分を「宮本トキオ」と名乗り、「未来から来た息子だ」といったのだ。
当然若い時分の拓実は信じない。
自分の周囲をうろちょろするトキオをうっとおしく思い、しかし同時に胸が込み上げてくる懐かしい不思議な感覚を抱いて突き放せないでいた。。
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トキオはまさしく17歳の時生が時空を超えて過去の父「拓実」に会いに来たのです。
拓実の未来を案じ、手助けをしに、そしてお別れを言いに…。
それから拓実は実母に捨てられ養子に出された過去があります。そのことでかなり恨みを抱き実母が病に伏しているという知らせを聞いても絶対会おうとはしなかった。
が、トキオの出現で色々な物事がめまぐるしく変化し、拓実の心情にも変化を及ぼしていく…。トキオのおかげで本当の母親の想いを知ることができ、母に感謝することができた拓実。
そして拓実とトキオが信頼し合うようになる仲、役目を終えトキオは拓実の前から姿を消すのだった…。
…ラストシーンは現代…
危篤状態の時生に一瞬意識の変化が訪れる。
その瞬間、拓実は「時生、花やしきで待ってるぞ!!」と語ります。
きっとたぶん、そのあとトキオは時空を超えて23歳の拓実のところへ旅に出るはずなのだ。
はじめて拓実とあった場所「花やしき」を伝えることで、きっとトキオは拓実に会えるはずなのだ。
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というお話です。
難病は物語のひとつのキーではあっても本筋ではなかったです。
父子の友情?愛情?それから命の重み、生まれてくる、って本当に尊いことなんだなって改めて思いました。
なかなかファンタジックで読んでいて親子愛をすごく感じることができた作品です。