『勇気ってなんだろう』 江川紹子・著
岩波ジュニア新書から出ている「勇気ってなんだろう」を読みました。
図書館の本棚では、小学校高学年~中学生向けの棚にある本なのに、大人の私が読んでも深い感銘を受けました。
漢字に振り仮名が振られ、文体も読みやすいように設定していますが、この本は大人の人も読んだほうがよいきがしました。
著者が江川紹子さんなのですが、江川さんといえば…オウム真理教報道の時に注目を浴びたジャーナリストですよね。
その江川さんが、本書では過去、メディアで様々な話題を巻き起こした人物たちと接触し、彼らのもつ『勇気』とはいったいなんなのか?ということを、多角的、客観的にとらえ文章にしています。
全てノンフィクションの話です。
本書のエピソードは全部で6つ。
1つめはアルピニストの野口健さん
2つめは秘書給与の着服疑惑が報じられた山本譲司さん
3つめは拉致被害者の家族蓮池透さん
4つめは愛媛県警の裏金問題を告発した仙波敏郎さん
5つめはイラクで武装勢力に拘束された高遠菜穂子さん
6つめは戦争と共に生活するイスラエルの人びと
どの名前もある程度の年齢を超えた方ならご存知であると思います。
私も過去に彼らの報道を見聞きしたことがあります。
当時は、やはり、テレビや雑誌の一部メディアの強い言葉や国民感情といったものに流されて、冷静に彼らの真の姿が見えていなかった。
今ならそう思います。
本書を読むことで、当時彼らが非難ごうごうの真っただ中にいて、自分を見失うことなく、懸命に前を向いていた姿勢が読みとれます。
その中で、常に問いかけていたとも思います。
自分のやるべきことは?自分の信念とは?
…誰だって人に好かれる人でありたいと願うもの。嫌われたくありませんもの。
誰だって周りの意見に流されて生きるほうが楽です。
自分で先頭切って歩いていくことには多くの勇気と責任を負いますね。
けれど、自分が間違っていないと思ったことは周りがなんと言おうと貫き通すことが『勇気』なのかもしれませんね。
本書の「はじめに」、
~言いたいことがあるのに、言い出せなかった。断りたいのに、断れなかった。謝らなければと思いながら、つい弁解ばかりしてしまった。反対されてやりたいことを諦めてしまった……。そんな経験はありませんか。~~
という文章からはじまります。
こういう経験は子供も大人も一緒ですよね。
いじめはいけないと分かっていてもいじめをとめることは勇気がいる。
仕事で大変なミスをおかしてしまったが、それを上司に言うには勇気がいる。
どちらも今まで築き上げてきた自分の人物像・人生観が大きく変わってしまうようでとっても怖いですよね。
…そんなとき、、どうやったら『勇気』がもてるのだろう。
私自身も、勇気がなくて後悔したりつまづいたりすることが多々あります。
今回、この本書を読んで描かれた人物のエピソード一つ一つに感銘をうけました。
私も、少しずつでもいいから彼らのような強い『勇気』をもちたいな、と思いました。