① 原文

夫上古聖人之教下也、皆謂之虚邪賊風、避之有時。

② 書き下し文

夫れ上古の聖人の下を教うるや、皆これに謂う、虚邪賊風、これを避くるに時あり。

③ 現代語訳

昔の聖人が人々を教えるときには、外から身体に侵入する虚邪や賊風について教え、それらを適切な時に避けるように説いた。

④ 語句解説

虚邪

身体の正気が弱いときに、外から侵入してくる病邪。

賊風

身体に害を与えるような異常な風。

特に急激な気候変化などを含む外邪の概念として理解できます。

避之有時

適切な時期・状況において邪を避けること。

⑤ 東洋医学的考察

ここで、

正気と邪気

という重要な東洋医学の考え方が登場します。

同じ環境にいても、すべての人が同じように体調を崩すわけではありません。

外界の変化だけではなく、

身体側の状態

も重要だと考えます。

⑥ 鍼灸臨床への応用

例えば夏の冷房環境。

同じ室温でも、

冷えやすい人
汗をかきやすい人
疲労している人

では反応が異なります。

そのため「冷房は悪い」と一律に考えるのではなく、患者の体質・状態と環境の両方を見ることが重要です。

⑦ 今日のポイント

病邪だけを見るのではなく、邪を受ける身体の状態を見る。

⑧ 復習問題

Q.
「同じ環境でも体調を崩す人と崩さない人がいる」という現象を、正気・邪気の考え方から説明してみましょう。