① 原文
上古之人、其知道者、法於陰陽、和於術數、食飲有節、起居有常、不妄作勞、故能形與神俱、而盡終其天年、度百歳乃去。
② 書き下し文
上古の人、その道を知る者は、陰陽に法り、術数に和し、食飲に節あり、起居に常あり、妄りに作労せず。
故に能く形と神と俱にして、その天年を尽くし、百歳を度えて乃ち去る。
③ 現代語訳
昔の人で養生の道を理解していた者は、陰陽の法則に従い、養生の方法を調和させ、飲食には節度があり、生活には規則があり、むやみに身体を疲労させることがなかった。
そのため、肉体と精神の両方を健全に保ち、生まれ持った寿命を全うし、百歳を超えてから人生を終えることができた。
④ 語句解説
法於陰陽
陰陽の変化を規範とすること。
季節・昼夜など自然界のリズムに合わせて生活するという意味です。
和於術數
ここでいう「術数」は、養生に関する方法・技術を指します。
重要なのは、特定の健康法を極端に行うことではなく、身体の状態に合わせて調和させることです。
食飲有節
食事や飲水に節度があること。
「何を食べるか」だけではなく、量・時間・過不足が重要になります。
起居有常
起床・就寝・活動・休息などに一定のリズムがあること。
不妄作勞
むやみに身体を酷使しないこと。
⑤ 東洋医学的考察
ここは「上古天真論」の養生思想の中心部分です。
特に重要なのが、
法於陰陽
です。
東洋医学では、人間を自然から切り離して考えません。
昼になれば活動し、夜になれば休む。
春には生じ、夏には盛んになり、秋には収め、冬には藏する。
こうした自然界のリズムと生命活動を調和させることが養生の基本になります。
また、
形與神俱
という言葉も非常に重要です。
「形」は身体、「神」は精神活動。
つまり、健康とは身体だけが元気な状態でも、精神だけが安定している状態でもなく、形と神がともに保たれている状態です。
⑥ 鍼灸臨床への応用
患者さんに「健康のために何をしていますか?」と尋ねると、運動やサプリメントなどの話になりがちです。
しかし『素問』では、もっと基本的なところを見ています。
睡眠時間は安定しているか
食事時間は乱れていないか
仕事と休息のバランスはどうか
季節に合わせて生活できているか
過労になっていないか
特に疲れやすい・虚弱・慢性疲労傾向の人では、「何かを足す」よりも、まず「消耗を減らす」ことが重要です。
⑦ 今日のポイント
養生とは、身体を鍛えることだけではなく、生命を無駄に消耗させないこと。
⑧ 復習問題
「形與神俱」とは身体と何がともに保たれることでしょうか?
「不妄作勞」を現代の生活に置き換えると、どのような行動が考えられますか?
上古之人、其知道者、法於陰陽、和於術數、食飲有節、起居有常、不妄作勞、故能形與神俱、而盡終其天年、度百歳乃去。
② 書き下し文
上古の人、その道を知る者は、陰陽に法り、術数に和し、食飲に節あり、起居に常あり、妄りに作労せず。
故に能く形と神と俱にして、その天年を尽くし、百歳を度えて乃ち去る。
③ 現代語訳
昔の人で養生の道を理解していた者は、陰陽の法則に従い、養生の方法を調和させ、飲食には節度があり、生活には規則があり、むやみに身体を疲労させることがなかった。
そのため、肉体と精神の両方を健全に保ち、生まれ持った寿命を全うし、百歳を超えてから人生を終えることができた。
④ 語句解説
法於陰陽
陰陽の変化を規範とすること。
季節・昼夜など自然界のリズムに合わせて生活するという意味です。
和於術數
ここでいう「術数」は、養生に関する方法・技術を指します。
重要なのは、特定の健康法を極端に行うことではなく、身体の状態に合わせて調和させることです。
食飲有節
食事や飲水に節度があること。
「何を食べるか」だけではなく、量・時間・過不足が重要になります。
起居有常
起床・就寝・活動・休息などに一定のリズムがあること。
不妄作勞
むやみに身体を酷使しないこと。
⑤ 東洋医学的考察
ここは「上古天真論」の養生思想の中心部分です。
特に重要なのが、
法於陰陽
です。
東洋医学では、人間を自然から切り離して考えません。
昼になれば活動し、夜になれば休む。
春には生じ、夏には盛んになり、秋には収め、冬には藏する。
こうした自然界のリズムと生命活動を調和させることが養生の基本になります。
また、
形與神俱
という言葉も非常に重要です。
「形」は身体、「神」は精神活動。
つまり、健康とは身体だけが元気な状態でも、精神だけが安定している状態でもなく、形と神がともに保たれている状態です。
⑥ 鍼灸臨床への応用
患者さんに「健康のために何をしていますか?」と尋ねると、運動やサプリメントなどの話になりがちです。
しかし『素問』では、もっと基本的なところを見ています。
睡眠時間は安定しているか
食事時間は乱れていないか
仕事と休息のバランスはどうか
季節に合わせて生活できているか
過労になっていないか
特に疲れやすい・虚弱・慢性疲労傾向の人では、「何かを足す」よりも、まず「消耗を減らす」ことが重要です。
⑦ 今日のポイント
養生とは、身体を鍛えることだけではなく、生命を無駄に消耗させないこと。
⑧ 復習問題
「形與神俱」とは身体と何がともに保たれることでしょうか?
「不妄作勞」を現代の生活に置き換えると、どのような行動が考えられますか?