光とともに・・・〜自閉症児を抱えて〜


『光とともに・・・〜自閉症児を抱えて』


この漫画は、作者さんはもう亡くなられているそうですが、作者さんが何を伝えたくて描いていたのか、どんな世の中になって行って欲しいかの願いがとてもダイレクトに伝わって来ます。

先に私の感想として言ってしまうと、自閉症とはどんな個性なのかを皆が理解して、当たり前に助け合える世の中やシステムにすること。
これは自閉症だけじゃなくて、困っているすべての人や様々な問題に共通する願いだと思います。

サブタイトルを読んで、〝かわいそう〟だからとか、自分には関係ないからとかじゃなく、そんな人こそぜひ読んでみて欲しいです。
読めば分かります。〝かわいそう〟がいかに無知からの誤解と偏見に満ちているか、少数派の個性を〝かわいそう〟にしてしまっている、生きづらくさせてしまっている正体は何なのか。近過ぎて見えていないんです。
そして、関係のない人なんていないんです。生きていれば何のきっかけから、あらゆる〝少数派〟に分類されてしまって、生きづらくなるか分かりません。その時になってようやく生きづらさが分かる、社会の欠陥に気が付き苦しむ様な世の中じゃいけないですよね。



この物語の中では特に、子供を育てた事のある方ならきっと痛いほど共感出来る場面がたくさん出て来ます。世の中の変えていかなきゃいけない部分がいっぱい見えて来ます。
自閉症について何も知らないまま読んでもとても分かりやすく、そしてどのお話もいつも最後には暖かい気持ちになれて、作者さんの暖かい人柄が伝わって来ます。
感想が長くなってしまいましたがそれ程に皆さんに読んで欲しい作品です‼︎えーん


↓ではここからお話ちょびっとご紹介です。


光（ひかる）のママ、幸子が最初に気が付いたのは、産まれたばかりの光が抱っこを嫌がる事でした。
どの育児書にもだっこが良いって書いてあるのに・・・何でかなー？なんて不思議に思っていました。


ところが小さな疑問はある日、不安に変わります。
ママ友の子どもは母が抱くのを嫌がらず、それが当たり前だと言われてしまいます。




そして１歳半検診で、更に幸子を不安にさせる出来事が起こります。
鈴の音や呼びかけに反応しないからと、耳が聞こえていないという誤診を受けてしまいます。
（しかしこの保健師さん感じ悪過ぎるムキーッ‼︎）




１歳半検診の誤診で病院を受診した幸子。
そこで耳が聞こえないのではなく自閉症ではないかと医師に言われます。
調べると、目に飛び込んで来た文字にショックを受けます。


最愛の我が子を否定された様に感じ、気持ちがひどく動揺します。とても受け入れられないし誰も信用したくない気持ちになります。


光が分からない。誰も分かってくれない。夫まで理解してくれない。
心が限界に達した幸子は家を飛び出します。


大声で泣く我が子、振り返る人。
なんで見るの？私なにか悪いことしましたか？
どうせ何もしてくれないんだから、ほっといてよ！！
（ここ、本当に共感し過ぎて涙出ません？共感し過ぎて思わず自分風にアレンジしちゃいましたよ。えーんママならきっと一度は言いたくなる人も多いセリフなんじゃないかなー。だからこそ、幸子ママが相当つらいのが痛いほど分かるえーん）



孤独の中で苦しみと戦っていた幸子を救うきっかけを作ったのは支援センターの優しい保育士さんでした。
自閉症を知り、光くんに向き合い、光は何が苦手で、どうやって教えて行くのが良いのかを一緒に考える。
ここから幸子はみんなの優しさに支えられて、光くんと共にどんどん成長して行くんですほっこり


人と違った感覚で世界を見ている光くんはキラキラするものが大好きで、


一度覚えたフレーズはずっと覚えてる。
光くんは言葉は遅れていても記憶力は人よりとても優れていて、のちのちものすごい絵の才能も見つかります。
（自閉症の方が全員そうなのではなくて、一人一人違うそう。）



保育園、小学校と、光を〝普通〟と分けないで欲しいと願う幸子たち家族の思いは、まだまだ理解のない、融通のきかない世の中に阻まれる事も多々あるのですが、


１つのお話の最後にはいつもまわりが光くんに影響されて良い方へ変わって行き、みんな幸せになる。
漫画だからだ、現実はそう甘くないんだと受け取るんではなくて、この漫画のストーリーのように、そんな世の中にしてして行かなくちゃいけないんだというメッセージだと私は思います。


だってみんな、ママが自分の命より大切に思う天使ですからね。えーん



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