すっごく楽しみにしていた白寿ホールの「二代テノールコンサート」、行ってきました。

万里生くんのナマ歌は、去年ESCOLTAの品川教会コンサートでちょっとだけ聴いたことがありましたが、本格的なものは初めて。増して、お父様の誠先生の歌はまったくのお初。とにかく色んな意味でワクワク。

会場の白寿ホールは、小さいけれど音響が素晴らしくて、ずっと後方の席でしたがお二人の歌とピアノを存分に楽しむことができました。

「クラシックコンサート」と言うことだったけど、実際のところはミュージカルナンバーやポップスもあって、おそらく万里生くんのファンの多くを占めるクラシックにあまり馴染みのないお客さんを想定したプログラムになっていました。

とにかく、終始お二人の仲の良さが伝わってきて、本当に良い関係の親子なんだなぁ、って。父と息子があそこまで仲良しってなかなかないですよね。

何しろ、テノール歌手の誠先生が、「ラ・ボエーム」の二重唱でバリトンのマルチェッロを歌ってしまうんですもん。

「今まで歌ったこともないし、これから歌うつもりもない」とテノール歌手らしいセリフを吐いた直後に、万里生くんがはけた後、こっそり「ここだけの話、彼がロドルフォ(主役のテノール)をやることがあれば、私はマルチェッロをやってもいいと思っているんですよ」っておっしゃる。

あぁ、そこまで息子さんが可愛いんだな、って。私が声楽を習っているA先生が「誠先生は息子ラブ、息子大好きだからね」っておっしゃってたのがよくわかります。

でも、誠先生、歌い出すとやっぱり格の違いを感じてしまいました。

やっぱり、ホンモノは違いますね。特に、ピアノを全開にして歌った「グラナダ」。

大好きな曲なので余計なのですが、本当に大迫力。豊かな響きと声量を堪能。
その後のアンコールも素晴らしかったです。

対して、万里生くんの歌は、素直できれいな声と正確な歌唱はそのままだけど、やっぱりナマだとちょっと線が細いんですよね。正直マイクって偉大だなぁ、とつくづく思ってしまいました。

誠先生とは声質も体格も全く違うので比べてはいけないんでしょうが、やはりクラシックを歌うにはちょっと声量と響きが足りない感が否めませんでした。正直、あれだけ響きが素晴らしく規模が小さい白寿ホールでも、ちょっと心許ない印象でしたので。やっぱり細すぎるのかなぁ。ESCOLTAでデビューしてから10kg痩せたって言ってたし。

半年前に品川教会で初めてナマ歌を聴いたときに「あれ?、ひょっとして、3人の中で一番声量足りない?」と感じたのはやっぱり調子の良し悪しとかそういう問題ではなかったんだなぁ、と。

マイク使用のミュージカルや、ESCOLTAのライブでは、確かなテクニックと美声が生きるので、やはりそちらを極めていくのがいいのかなぁ、と感じました。だって、太るのはファンの皆さんが許さなそうだし。

ただ個人的には、自分がかつて勉強した「Ombra mai fu(レチタティーヴォ付)」や「Vaghissima sembianza」が聴けたのは嬉しかった。万里生くんの歌って教科書みたいに正確だし、軽々と簡単そうに歌うんですよねぇ。ドナウディ、難しいのに。

とにかく、あったかくて、楽しくて、贅沢なライブでした。

さて、次はESCOLTA。(私にとっては初の)大ホールで、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみです。