先週末のことですが、声楽の先生の演奏会に行ってきました。]

先生は体調がいまひとつだったようですが、自分の世界を崩すことなく、淡々と歌い上げていらっしゃいました。久々に先生の「本気」の歌を聴けて、いろいろな意味で勉強になりましたし、耳の栄養になりました。

その中でも私が一番気になったのは、実はアンコールで歌われた「An die musik(音楽に寄せて)」。

この曲は、私が生まれて初めて歌ったドイツ語の歌です。懐かしいです。

思い起こせば高校生の時、選択科目で音楽を取っていたのですが、担当の先生が音大声楽科卒の女性の先生で、後で考えればその学校の名物先生の一人でした。たぶん、近隣ではかなり有名で、その先生が目当てで入学してきた人もそれなりにいたように思います。

何しろ、授業は音大進学に興味のない一般生徒など眼中になくて、とにかく歌・歌・歌。指導要領がどうなっているかはわかりませんが、器楽も合唱も記憶になく、教科書以外にコーリューブンゲンを買わされて、それをやりながら教科書に載っている歌を歌っていました。それも、基本「独唱」。しょっちゅう独唱させられてました。

このときに、先生の発声、そして声楽科を目指している同級生の発声や歌い方に違和感を覚え、自分は絶対こんな風に歌えない、ついていけない、と思い込んでしまい、以来ずいぶん長いこと、クラシックの歌の世界から離れてしまったんだなぁ、と今となって思い当たります。

とにかく、そんな授業の中で最も印象に残っているのがドイツリートで、一年生の時が「An die musik」、二年生の時がベートーヴェンの「Ich liebe dich」でした。

たぶん、音楽の授業で一番楽しかった時なんだろうと思います。実際、それ以外記憶にないですし(^^ゞ。たぶん、日本の曲とか、イタリア曲も歌ったはずなんです。たとえば最近レッスンで歌った「Nina」。なぜかソラで覚えていて、絶対いつかどこかで歌ってるんですが、全然記憶には残っていません。おそらく、音楽の授業で歌ったんじゃないかと思います。

曲は覚えていてもいつ歌ったか覚えていない「Nina」に対して、「An die misik」のほうは記憶が鮮明です。確かに高1の時に授業で歌いました。歌詞を覚えているのは、その当時に覚えていた歌はすべて口が歌詞を覚えているのと同等で不思議はないんですが、先生の言い回しとか、断片が歌とともに思い出されるのですね。今となっては懐かしい思い出です。

巻き舌ができなくて苦労したっけ。ウムラウト付きの母音の発音もうまくできなかったなぁ。みたいな。歌詞の意味を調べたかどうかまでは覚えておりません(^^ゞ。

当時はその授業のおかげで引いてしまった声楽の世界ですが、今考えれば悪いことばかりじゃなかったなぁ、と。当時はまだカラオケもない時代なので、人前で歌う機会を与えられたのは良い経験でした。

何しろ、この曲を歌ったとき初めて、中学までと比べて一段上ったような気になったような。何しろ、ドイツ語の歌なんて、それまで縁がありませんでしたから。

と、先生の歌を聴きながら懐かしさがあふれてきてしまいました。

声楽のレッスンはイタリアものばかりですが、今度先生に希望を聞かれたら、これと「Ich liebe dich」を言ってみようと思います。今だったら、また当時とは違う気持ちで歌えるでしょうから。ぜひ、二曲ともまた改めて歌ってみたいものです。