第九は、いわゆる「歌いこみ」期間に入ってきました。

と言っても、やはりパート別指導の時間が長いです。音取りに時間をかけられなかった分、難易度の高いパートはどうしてもおさまりが悪いようです。

何しろ、アルトなんかは音の動きが本当に難しいですから。初心者も多いこの団体では、問題はそう簡単に解決しません。一人ひとりが自覚をもって復習してきてくれると良いのでしょうけれど、初心者の方は、復習のしようもないかもしれませんね。

さて、これも毎回のことですが、初心者年配者の多い団だから仕方ないのですが、言葉の譜割りがうまくいかない方が多いようです。

これ、ドイツ語に限らず、英語など、子音の多い外国語を歌う時には少なからず躓く人がいますね。

語尾が子音で終わっているのに母音をつけずにいられないとか、子音の連続なのに全部母音を入れてしまうので、音節がやたらと増えてしまい、結果歌に間に合わないとか。(例えば、英語の「place」は一音節ですが、日本語だと「プレイス」と四文字もあります。これを全部母音入りで発音しようとするから間に合うはずがありません。)

良くあるのは、日本語の場合基本的にカナ一文字一音節なので、音符一つに付き一音を当てていくとだいたい間違いがないんですが(最近のJ-popは必ずしもそうではありませんが)、それを英語やドイツ語に当てはめて、しかもカタカナ書きしたものを当てていってしまうパターン。「ハイリヒトゥム」の「イ」と「ム」に一音費やしてしまうとかいうやつですね。ちなみに「heiligtum」は三音節しかありません。日本語だと六音節。

毎年毎年、そして毎回毎回、先生は注意していますが、絶対にいなくなることはありません。

これは、言語感覚の切り替えができないと、難しいのかもしれませんね。

何しろ、同世代、またはさらに若い人がそろっているPTAコーラスでも、この「音節と譜割り」の話はピンとこない人が多いのです。たまーに英語の歌詞が出てくると、キョーレツなカタカナ発音の人が結構いたりしてショックです。

だいたい、日本語でも、楽譜にオタマジャクシの頭が「×」になっている「無声音」が理解できず、声を出してしまう人が続出するんです。「シ」「キ」「ク」「ツ」など、日本語でも実は無意識に無声音が使われていたりするんですが、いざ「ここは無声音」って言われてもわからないらしく。

子音と母音の関係なんて、意識したこともない人が、世の中大多数なのかも知れません。

だから、合唱初心者のみなさんに向かって、いくら先生が口を酸っぱくして言葉の譜割りを直して行っても(「『トゥームー』じゃなくて『トゥーウム』だ」みたいに)、感覚的に直すことができない人には通じないんだろうなぁ、と。実はここが、カタカナに聞こえるかどうかの分かれ道と言っても過言ではないと思うのですが。

せめて、若い人の多いPTAコーラスの方だけでも、外国語詩が出てきたときにはここら辺りの啓蒙活動をしていこうかな、と思うのでした。