総武線で西荻窪から新宿に向かう途中、中野駅で、混雑する車両に腰の曲がったご老人が乗車してきた
僕はドアの正面に立っていたから、すぐにその老人に気づいた
老人はドアの横の座席の仕切りにもたれかかるような感じで立っている
あ、席を譲らなきゃ
誰か、気づかないのか?
僕から一番近くに座っているカップルに声をかけたいが、少し離れてて、つり革につかまっている人の死角にいる
おいおい、つり革につかまっているおじさん。あなた目の前に立っている老人と、座って談笑しているカップル、両方見えてるでしょ。声かけてよ!
でも全くその気配なし
そうこうしているうちに次の駅まで来てしまった。このつり皮おじさんが降りてしまえば、直接カップルに声をかけられる
でもこのおじさん、降りなかった
もういたたまれなくなって、つり皮おじさんの脇の下に首を突っ込みカップルに声をかける
「御老人がいます。席を譲ってくれませんか」
そしてご老人にも声をかける
「どうぞ、こちらにお掛け下さい」
カップルのうち、端に座っていた女性の方が、はっと気づいてすぐに立ってくれた。彼女からはご老人は死角にいたから仕方がない
このつり皮男は両方見えていたはずなのに
男はなんだこいつという感じで、私を見る。そしてそのあとはっと気づいたのだろう。気まずそうな顔をしていた
何れにしても無事にご老人に席を譲ることができた
「助かりました、有難うね」
当たり前のことをしたんだけど、そう言われると嬉しいね
それにしても日本人はご老人に対する敬意とか配慮が足りないと思う
韓国なんかはその辺りはしっかりしてるらしいね
知らない日本人が韓国の電車でシルバーシートに座っていたら、ものすごい勢いで叱られたとか
日本人はもっと意識を高めないとね
