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 東京都世田谷区砧公園地域のみなさんに「あなたの知らない世界」をお届けします。

 
 これは、知人が大学時代に体験した話です。
 
 サークルの飲み会の帰りの事です。
 
 駅のホームで終電を待っていました。
 
 ホームには殆ど人気がなく、ベンチに座ってタバコを取り出しました。
 
 この頃は、まだ駅のホームのどこでも自由にタバコが吸えた時代でした。
 
 タバコを口に咥え、火をつけようとした時、自分から二人分ほど間を空けた所に、年老いた男性が座っていたそうです。
 
 いつからそこにいたのか、全く気配は感じなかったらしいです。
 
 一服して、そろそろ電車が来る頃だとベンチから立ち上がる際に、何気なくその老人の方を見ると、姿がありませんでした。
 
 いついなくなったのか分からないですが、その時も全く気配や物音もなかったそうです。
 
 ちょっと辺りに目をやりましたが、その老人の姿はどこにもないのです。
 
 やがて電車が来たので乗車して席に座ると、お酒が入っていたせいか、そのまま寝てしまったそうです。
 
 しばらくして目を覚まし、今どの辺だろうと窓の外など見回したのですが、寝過ごしてはいなかったようです。
 
 ただ、同じ車両の一番端の席に、一人の老人が座っている姿が目に入ったのです。
 
 「ん?」
 
 と見直してみると、駅のホームで見たあの老人に間違いないのです。
 
 白っぽい和服を着て、白髪頭で、かなり痩せていたそうです。
 
 「いつの間に乗ったのだろう。」
 
 と、思いつつまた眠気が襲ってきたので、うとうとしてしまいました。
 
 そして、再びハッとして目を覚ました時、丁度降りる駅に着いた時でした。
 
 降りる際に、あの老人が座っていた方を見たのですが、途中で降りたのか姿はありませんでした。
 
 大して気にもせずに、そのまま一人暮らしをしているアパートに帰りました。
 
 部屋に入ると水を一杯飲み、布団を敷いて直ぐに横になりました。
 
 しばらくすると、何やら変な臭いがしてきたそうです。
 
 眠りかけていたのですが、その臭いが気になり目を開けると、
 
 「えっ?!」
 
  自分の顔の目の前にあの老人の顔があったのです。
 
 びっくりして、「わっ!」と声を上げて布団の中に潜り込んで、「南無阿弥陀仏」と「南無妙法蓮華経」を繰り返し唱えたそうです。
 
 パニックになっているので、ごちゃ混ぜに唱えていたかもしれません。
 
 どれくらいそうしていたか分かりませんが、しばらくして布団からそっと顔を出すと、老人の姿はありませんでした。
 
 部屋の電気を点け、念の為、浴室やトイレ、玄関の外など確認しましたが、どこにもいなかったそうです。
 
 その夜は電気を点けたまま一睡も出来なかったそうです。
 
 翌日の夜は、また現れたらどうしようと不安もあったので、塩を枕元において床に就いたそうですが、それ以降現れる事はなかったそうです。
 
 あの老人が幽霊だとして、何故知人の前に現れ、アパートの部屋にまで付いてきたのか、それについて知る事は出来ませんが、知人は
 
 「取り憑かれなくて良かった」
 
 と言っています。
 
 知人は、酔いと眠気から幻覚を見たのでしょうか?
 
 変な臭いも幻臭なのでしょうか?
 
 同じ人の幻覚を、短い時間のうちに何度も見る事などあるのでしょうか?
 
 それともやはり霊的な存在だったのでしょうか?
 
 みなさんはどう思いますか?
 
 東京都世田谷区砧公園地域のみなさんにお届けした「あなたの知らない世界」
 
 次回もお楽しみに。
 

 

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