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 ある日の朝、

 
 「盗聴器が仕掛けられているかもしれないから調べて下さい。なるべく早く来て欲しいのですが、、、」
 
 と言う電話が掛かってきた。
 
 すぐに向かう旨を伝え、住所を聞き、盗聴発見の為の機材を持って依頼人の自宅に向かう。
 
 
 自宅は、都内にあるワンルームマンションで、依頼人は30代で一人暮らしであった。
 
 依頼人は、最近この部屋に引っ越してきたので、念の為調べたいと言う。
 
 テレビでよく取り上げられているので、一人暮らしの女性がそう思うのも分かる。
 
 
 依頼の内容が盗聴発見なので、いつどこで盗聴している犯人が聞いているか分からない為、ワンルームなどの場合、テレビを大きめの音量でつけてもらい調査に入るのだが、
 
 テレビが無い。
 
 いや、無いのではない。
 
 バラバラになっているのである。
 
 テレビだけではない。
 
 パソコンやドライヤーなど、この部屋にある電気製品が、依頼人の手によってことごとく分解されているのである。
 
 依頼人は、自分の手で盗聴器を見つけようとしたらしい。
 
 しかし、自分では見つけられなかったので、依頼してきたのだ。
 
 仕方がないのでそのまま静かに調査を始める。
 
 調査の結果、依頼人の部屋から盗聴電波は検出されなかったので、盗聴器は仕掛けられていないか、以前仕掛けられていたとしても、今は電池切れなどで機能していないので、安心して下さいと告げて部屋を出て帰途についた。
 
 しかし、その途中で依頼人から電話があり、もう一度調べて欲しいと言ってきた。
 
 依頼人は、電池切れで今は機能していない盗聴器でも見つけたいと言うのである。
 
 どうしてもと言うので、依頼人の部屋に戻ってみたのだが、
 
 部屋の中は、あらゆるものがぶちまけてあって、足の踏み場もない
 
 何とか中に入ったが、それにしても凄い有様で、食器から下着からごみ箱の中身までが散らばっていて、場所によっては異臭を放っている。
 
 自分で見つけようとしたのだろう。
 
 
 しかし、臭い
 
 この時ほどマスクとゴム手袋が欲しいと思った事はない。
 
 コンセントの差し込み口なども外して中を調べるが、盗聴器はない。
 
 それにしても念の為の調査にしては、度が過ぎている。
 
 もう一度依頼人に、なぜ調査を依頼したのか聞いてみると、
 
 「自分には彼氏がいない。なかなか出来ない。
 
 これは、誰かが邪魔をしているからだ。」
 
 と言う結論に達したのである。
 
 実際に誰かが邪魔をしているのか、被害妄想なのか分からないが、とにかくこれ以上探しても出てこないだろうと話して、部屋を出た。
 
 外の空気がやけに新鮮に感じる。
 
 両手の指先は、異臭を放っている。
 
 早くどこかで手を洗わなければ。
 
 
 

 

登場人物やストーリーはフィクションです。

実際に行った調査を基に作成しています。

 

 

 

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