本日は、お日柄もよく | てやんでいべらぼうめー!

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ライブと舞台を生きがいとする干物看護師の日常。なはずが、多忙につき低浮上。観劇レポや感想、妄想垂れ流し注意。アメンバー限定日記は掃き溜め。


1冊目読了!
原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」を読んだ。

言葉の使い方に悩んでいる自分にぴったりだなと思い、つい手に取ってしまった一冊。

ごく普通の20代OL二ノ宮こと葉が、幼馴染の結婚式で伝説のスピーチライター久遠久美に出会う。
久美の祝辞スピーチを聞いたこと葉はその魅力にとりつかれ、自らもスピーチライターの世界に身を投じていくこととなる。
久美は野党民進党のスピーチライターをしており、政権交代を狙う次の総選挙でこと葉もスピーチ制作を担うこととなる。
言葉の力でこの国を変えることはできるのか?

簡単にいうとこんな話。

作中にはスピーチのコツがたくさん詰まっていた。
「ご紹介に預かりました〜〜です」はNG。もう紹介に預かっているんだし、冗長になるから。
よくあるよくある。小学生時代のスポーツ大会に市議選前になると政治家がよく来て一言話してたけど、全然一言じゃないし眠くてたまらなかった思い出がある。


スピーチについて学んだこと

聴衆が静かになり、自分に注目したことを確認してから話し出す
長い前置きはしない
自分と相手に身近で印象的なエピソードを交える
スピーチは暗記する

この先そうそうスピーチなんてすることないだろうけど(笑)

エピソードを交えて話すというのはとても大事なことで、スピーチをする相手と自分の距離を縮めて、相手がスピーチに共感を持ちやすくなるテクニックだと思った。

結婚式であれば、自分と新郎新婦のエピソード。政治家のスピーチであれば、国民に身近な生活(それでいて自分の政策に関係する)のエピソード。

聴衆の耳をいかに惹きつけ、自分のスピーチに取り込むかが鍵になる。

話の上手い人って、みんなそうだよね。
自分の渦にどれだけの人を巻き込めるか。


ストーリーとしては、まあ無難かなって感じ。
結婚式で始まり結婚式で終わるのは粋で良かったな。

久遠久美という女性がとにかくカッコよかった。フリーランスのスピーチライターとしての信念があって、それを貫いている女性は強いし憧れる。一人で未開拓の地を行くのって簡単じゃないから。

20代後半で安定している大企業での仕事を辞めてまでスピーチライターになったこと葉も、私には眩しく見えた。
この歳で大博打打てないわ。どうしたって失敗したときのことを考えてしまう。

安定を捨てて追いかけられる夢なんて無いなあ。
20代後半にして自分の人生に疑問を感じ始める(笑)


下手くそだけど、1冊目の感想以上!