オリックス劇場まで、サムシングロッテンを観に。

東京ではいかなかったので、これ1回で見納め。
ミュージカルへのオマージュはしっかり盛り込まれていましたし、思ったより、とても面白かったです。

1幕終わりと2幕直前の場内アナウンスも工夫されていること、
2幕カテコで、出演者が客席降りも、と楽しませる、という意味で、最初から最後まで面白かったです。

しかし、オリックス劇場の座席の狭さ、および、座面のかたさ、どうにかならないのだろうか。内容的には面白かったけれど、椅子がな・・・お尻いたくなり、今朝起きたら腰痛でした。






ミュージカル『サムシング・ロッテン!』

演出・上演台本:
福田雄一

出演:
中川晃教 西川貴教 瀬奈じゅん 平方元基 清水くるみ 橋本さとし


青山郁代; 池田紳一; 井上花菜; 可知寛子; 小暮キヨタカ; 小山侑紀; 坂元宏旬; 高橋卓士; 高原紳輔; 竹内真里; 常住富大; 丹羽麻由美; 伯鞘麗名; 福田えり; 辺田友文; 横山敬; 横山達夫


冒頭、舞台はルネサンス時代にタイムスリップ。
売れない劇作家であるニックは弟のナイジェルと共に自身の劇団を運営していた。ニックは絶大な人気を博していたシェイクスピア(元劇団員)を批判しつつ、舞台芸術業界での成功を夢に抱く。
冒頭の歌の人が、歌がうまく、あのゆっくりした口調で時事ネタのボケを言うのまでが、上手いな・・・と思いました。高橋さんかな?

ニックの妻、生命力にあふれる女、瀬奈じゅんさん。
瀬奈さんも、歌もですが、男役っぽいこと、コメディ、演技もやり切っている感があって、面白かったです。

そんなときにニックが出会ったのが、予言者ノストラダムス。未来が見える彼はニックに「未来では役者が歌って踊る“ミュージカル”という舞台芸術が流行する」と告げる。どこか胡散臭いノストラダムスだが、ニックは徐々に彼の予言を信じていく。
ノストラダムス橋本さとしさんが、未来の舞台について語るところ。SNSでばらしたらいけないようなので、内容は書きませんが、歌もですが、コメディは間合いなんだ、と、舞台を支配する力、たくましい、と思いました。

トニー賞授賞式でも披露されたキャッチーなナンバー♪ミュージカル を歌い踊るキャスト達。今やファンならずとも知っているであろう名作ミュージカル作品の楽曲・名場面のオマージュがふんだんに取り入れられ、見事なひとつの楽曲になっている。

一方ニックの弟・ナイジェルはひょんなことからポーシャと出会う。二人は意気投合し、互いに惹かれ合っていく。
ポーシャ役の清水さん。劇団新感線の女優さんかな?と思ったら、ジュリエット役もやってた人だったんですね。セリフも演技もこちらも性根座っていて。

場面は一転、時代の寵児・シェイクスピアに民衆は半狂乱状態。
シークレット舞踏会の招待にやってきた人の衣装!あれで、あっシェークスピアは西川さんなんだなと、思ってたら、登場の西川さんの舞台、観たことあったっけ?たぶん初見なんですが、出だしのコンサート状態はさすが、歌手だと感心しました。でもこれまた、演技、セリフ、コメディセンスもあってびっくりでした。

一方ニックは、相変わらずノストラダムスのもとへ通っていた。しかし出てくるのは頼りない予言ばかり…ヒット確実な作品タイトルは『オムレット』(実は『ハムレット』の間違い)だと予言され、ニックはミュージカル『オムレット』を生み出すために悪戦苦闘する。

パーティーで鉢合わせたニックとシェイクスピアはお互いを敵視し、対峙する。
2人のコミカルなやり取りから、本格的なタップダンスバトルに発展。
「『ロミオとジュリエット』に続く大ヒット作を書かねば」と人知れず思い悩んでいたシェイクスピアは、以前からナイジェルの脚本家としての才能に目をつけていて、彼からなんとか次作のアイデアを得ようと画策する。シェイクスピアは身元を偽りニックとナイジェルの劇団に潜入。後の大ヒット作となる『ハムレット』の土台となるアイデアをどんどん盗んでいくが…

ミュージカル、「オムレット」上演、劇中劇の時事ネタ、ミュージカル小ネタや、劇団員のやらされている感やいろいろ面白かったです。
決着のつけ方も、誰も傷つかず、カラッと楽しめる作品でした。

勝手に私が良く作品で観かける、という意味で顔見知りのアッキーや平方君よりも、他の人の巧みさにやたら目を奪われる作品。
福田さんのミュージカル、良かったです。