12月25日、ノートルダムの鐘 マチネ。


1階、前方、センターでようやく。
海宝カジモド2回目。野中フロロー2回目。岡村エスメラルダ3回目。です。
エスメラルダが宮田さん予定でしたが、土曜のソワレから岡村さんになって、エスメラルダの変更は全く、構いませんが、変更ないと思うけど、カジモドはそのままで頼みますよ、と願いつつ、日帰りです。

良かった。変わりなしのキャスト。
観る⇒行き帰りCDで「The HUNCHBACK of NOTREDAME」を聴くの反復学習
多分、こんなこと言ってる、ここのセリフはネタバレだからカットなのね、など復習しつつの観劇、見る時も自分の好みのポイントが分かってきました。

フィーバスとクロパンは1人しか観ていませんが、カジモド、フロロー、エスメラルダはこの組み合わせが好きです。

見る順もあるし、席の関係もあるし、好みの問題も多分にあるでしょう。

以下、個人的覚書。みた人はもちろん、みていない人には、何のことかわからないと思いますが、内容は触れていると思いますのでご注意ください。




作品初めて観たのが海宝君だったので、観るのにも緊張してしまったし、2階だったので、見るポイントが分かってなかったのがもったいなかった。

近くで観ても海宝君は最初と最後をのぞいてはずっとあの表情キープでした。
最初の海宝君登場シーンから、もっというと、オープニングの「アーアーア、アーアーア」で泣いてますので、嗚咽したり鼻水出したりはしないけれどずっと私は基本涙目で観てました。登場してるシーンはずっと目で追ってたので、トプシーターヴィーで、みんなの変顔を無邪気に椅子たたいて観客として喜ぶ演技から流涙。

1回目のような興奮した感想を書きましたが、やはり、海宝カジモドは普通の純粋な「子ども」だと思いました。見た目が違ったことと、育てられ方が特殊だっただけ。フロローに与えられた世界しか知らなかっただけ。
でもずっとゆがめた顔の中の表情や、歌声、台詞、私の思い込みもろもろで、私なりに気づいたことがたくさんありました。

肉体的なハンディはあるとしても、決められた世界ではなく、年齢相当に経験を積んでいったら普通に人の感情も分かって、恋もして、普通の暮らしができてたんではないかと思いました。
閉ざされた安全な世界にいたら、何も傷つくことはないし、誰にも傷つけられない。
「陽射しの中へ」の「普通の暮らし」をしている人たちの歌もですが、表情からの憧れ具合にも泣けます。

外に出たら、Topsy Turvyで、差別的な扱いをして傷つくこともあったけれど、エスメラルダに出会えたことで得たものもたくさんあって、Top Of the worldで憧れに近い恋心を抱いた。キラキラしてました。フロローに彼女の事考えるな、と言われた時に
「考えるってなんのこと」だったのに、
そこにいない人の事を「考える」ことを学んで、少しづつ年齢相当に育っていったように思います。
恋をして、ライバルに嫉妬心見せて、奇跡御殿探すのに、競り合ったり、つばぜり合いしていく。

奇跡御殿で、
フィーバスが、エスメラルダに「僕と一緒にどこかに行こう」「嫌なら君がいくところについていくよ」とエスメラルダに言ったときに、
「君がエスメラルダに付いていく?」ってと怒ったように言ってたカジモドは、自分のテリトリーの聖堂の地下室へ行こうと、一生懸命エスメラルダにかたりかけるけれど、彼女の表情を観て、自分の立場が分かったのだと思います。
自分が想う人(エスメラルダ)が自分ではない人(フィーバス)を想っていている状態を思いやっていることに気づけたことも成長。In the Palace of Miracleを3重唄で歌っている間に大人になったんだと思います。
 (10月の恋ブロで、海宝君の「恵みの雨」に滅茶苦茶、心をつかまれたのが、なぜなのか今、やっと気づきました。振られる側の人の気持ちがビシビシ伝わってきた。この「奇跡もとめて」の曲の設定そのものだものね)

Made of Stoneで「何も知らなかったあの頃のほうがよかった」と逆戻りして、自分を愛してくれない彼女は関係ないっていう狭い了見になりかけたけれど、
彼を愛している彼女を愛しているから、必死になって助け出して、
彼女を愛している彼も愛したからこその「頭なでなで」なんだなあ、と。


こんな感じで、「愛」は一方的に自分の型にはめて(それがサンクチュアリということなのかと)、「支配」するものではなく、
対等であるけれど、時には助けたり、助け合ったりするもので、
「愛」=「情欲」じゃないんだってことをカジモドに教えてもらったような気がしました。

そんなわけでずっと涙目でした。歌はもちろん、海宝君なので間違いなしなのですが、やはり、演技部分が素晴らしい。

野中フロロー。
やはり、実直で、真面目な四角四面な人が、どうしようもなく落ちていく、「地獄の炎」がド迫力で、納得できるので、ビリビリしました。
自分の価値観でしか、ものを考えられないので、弟を「小さな嘘をつくこと」で助けることもできず、エスメラルダも自分に従わないなら殺す。
カジモドが成長していったように、野中フロローも変化出来る人なら、ここまでのことにはならなかったんでしょうけれど。
印象的だったのは聖アフロディジアスの名前を憶えさせようとするときに、野中フロローが唇を読むカジモドに、唇の縦横の動きらしいものを手振りでつけながらしゃべっていたこと。愛を感じました。
「愛」について、あなたは何を知ってるのか?と、ラストカジモドに問い詰められたときに、急におびえた表情になる野中フロロー。
お父さんが息子に力で負けそうな年になると、急に強かったお父さんが弱く見える、そんな風に見えてとても深かったと思います。
弟を「愛」していた、自分の正しいと信じるものに「導く」ことと答えつつも
エスメラルダも「愛」していたけれど、自分の正しいものについてこなかったから殺したことが見透かされた気がして(女を愛したらいけないはずなので)オドオドしたんだろうな…と勝手に思いました。あんだけ支配していたカジモドに圧倒されてました。
お芝居部分が大変好みです。

岡村エスメラルダ。観れると思っていなかったからちょっと嬉しかった。歌聴いてたら、濱田めぐみさんっぽいなあと感じることがあって、エルファバやってたからなんだと、納得。
姉御っぽく、いつも男の人たちの視線にさらされているはずなのに、フロローからの言い寄られ方には危険なものに感じたんでしょう、賢い女性だと思います。明らかにエロい目線ではないのに、怖い野中フロローのまっすぐすぎる目線。
「なんで、私なの?」と牢獄に嘆く姿、好きでもない男から寄せられる好意というのに包まれたねっとりした愛ほど迷惑なものはない。というのを実感する事、タイムリーに今朝あったので、激しく同意。私は岡村エスメラルダには似てもにつかないですが、普通の人もこういうことが起きますので対策は万全に。
牢獄に入ってからの少し見せる弱さ、火をつけられる直前の表情、こんなの見せられたら、男たちが助けたくなるだろうなあっていう、強い女性をみせてからの落差だから、岡村さん素晴らしかったです。

フィーバスとクロパンはこの2週間ほど変わりなしなのか?もう一方もいつか観たいです。

奇跡御殿の捕まる直前の後ろ姿が何枠の誰かは未だにわかりませんが、アンサンブルの皆さん、アンサンブルさんも舞台装置組み立てたり、ストーリーテラーになっていたりと、大活躍。どの場面もよくできてるなあと感心します。

だいぶん、顔を覚えたところですが、来年見る時には変わるんでしょう、そこもまた楽しみにします。

クワイヤさんは…席によっては全く見えないので諦めました。
宿屋の魔術の煙、輪っかの煙になっているのが魔法っぽくっていいなあと、思います。

カジモド 海宝直人
フロロー 野中万寿夫
エスメラルダ 岡村美南
フィーバス 清水大星
クロパン 阿部よしつぐ

【男性アンサンブル】
野村数幾 副隊長
山田充人 ルイ11世
大空卓鵬 スリ
賀山祐介 弟にお酒渡す人、酒場で歌いだし
中橋耕平 聖アフロディジアス
平良交一 神父
佐藤圭一 弟
吉田功太郎 弟の手紙渡す人

【女性アンサンブル】
小川晃世 フロリカ
久居史子
吉田絢香
原田真理 宿屋のおかみ

【男性クワイヤ(聖歌隊)】
白山博基
坂下良太
山下泰明
奥田直樹
佐々木 純
澤村楽人
井上隆司
飯村泰志

【女性クワイヤ(聖歌隊)】
片山美唯
山本詠美子
土居愛実
小林未奈子
谷 明実
町島智子
吉田瑛美
杉山由衣

1回目
2回目
3回目