その日の夜、二人はヘリの部屋(上の階)で最後に食事をしようということになった



これはヘリが言い出したことで、引っ越しが終わった後の部屋には何もないのでテラスにシートをひき、お弁当箱に入った料理を並べた



もちろんイヌが作るのをヘリが手伝ったもの



『いつかお弁当作った時は食べれなかったからね。今日はリベンジよ。』

そう言ってヘリは笑った


テラスには大きなロウソクに火が灯り、ロウソクの優しい灯りが二人を照らした
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『あの時のお弁当は本当に美味しくできたのに、ムダになって僕は本当に腹立たしかったよ。』


と、ちょっと不服そうにイヌは言った


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『もしかして…






だから、あんな風に突然キスしたの!?




…ヤキモチだったのかしら???』


ヘリは少しイヌをからかうように言った




『ノーコメントだ。』

(変なところの勘だけはいいのは生まれつきなのか…?)




『私がユン検事と一緒にあのお弁当を食べてたら、今頃こんなことになってなかったかもしれないわよ~。』



そんなたわいも無いやり取りができるほど今の二人にはわだかまりはないようだった



『この海苔巻き美味しいわね!私が巻いたやつだわ!』



ヘリはうれしそうに海苔巻きを頬張った



『のりを巻いただけなのに、なんでそんなに自慢げなんだ?』


イヌが言うとおり、ヘリがやったことと言えば、海苔巻きの最後ののりを巻きつけるところだけだった


『なんでも最後の仕上げが大事だって言うでしょ~?

知らないの???』



そう言うと、ヘリは海苔巻きを一つ手にとって、イヌの口元に差し出した


『本当かどうか食べてみて?』

首を傾げて、ヘリは笑ってみせた



イヌは海苔巻きを頬張るとワザともぐもくとよく噛んでみせた




『う~ん…』







『どう??』


ヘリはイヌが焦らすので少し心配そうに尋ねた






『本当だ。美味しいよ。』



イヌは優しく微笑み、二人は見つめ合って笑った





ー
食事が終わると、ヘリが言った


『ねぇ、イヌ。
ちょっとテラスに出て待っててくれない?引っ越す前にしておきたいことがあるの。』


というと、ヘリは一人イヌだけ部屋に残し、一人下の部屋に降りていった






イヌは不思議に思いながらテラスに一人残った








しばらくすると下からヘリの声が聞こえた




『イヌ、イヌー



ソ・イヌーーーーーー!!』




イヌはびっくりして顔を出した



『なんだ?どうした?』



『ハハハ。懐かしい。』


ヘリはイヌのびっくりした顔を見て笑った




『ヘリ、おかしくなったのか?』




『違うわよ、ただ。


いつも私をそうやって見守ってくれてたんだなって思って。


もうこうやって見上げることはできないのね。



私、けっこう好きだったのよ。ここであなたのこと見上げるの。




変かしら?ハハハ』


ヘリは笑った



イヌは優しく微笑んだ



『君はもう僕が陰から助けてあげなくてもいいぐらい成長してるよ。』




『なんだ、寂しいわ。』



ヘリは少し拗ねた顔をした





『ちょっと待って、そっちに行くから。』


イヌは駆け足で下の階に降りて行った







『君ってやつは…』




そういうとイヌは突然ヘリを抱きしめた




『イ…イヌっ!?』




『…君ってやつは本当に…





どうしてこんなに僕を夢中にさせるんだろ…』





『…えっ??なに?

イヌ、聞こえなかった…




ヘリが言いかけた瞬間に、イヌは突然ヘリの唇を塞いだ




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