醜い

 

結婚した当時の私の仕事は家庭科教師。

料理が好きで栄養バランスを考えた献立をいつも考えていた。

だから夫に私の料理を食べてもらうのを楽しみにしていた。

 

だけど

 

結婚後、実家暮らしだった夫が私のアパートに引っ越してきた。

夫の実家のK市から私のアパートのあるU市まで片道1時間。

U市の方が都会なので夫は毎日が楽しいと言っていた。

それに何より親から離れて暮らす解放感で夫の表情が生き生きしていた。

感情が「無」だった夫を変えれるかもしれない。

私もきっと変われる。夫との結婚生活に少し希望が見えた。

 

夫の帰宅は21時前後。私はその時間を目安に冷めた料理を温めなおしていた。

すると両手に大荷物を抱えて夫が帰ってきた。

その荷物とは

汁ものが入った鍋と大きなタッパー、大人3人分くらいの量

義母の手料理だった。

 

夫は義母に言われるまま仕事の後、実家に寄り

手料理を受け取って私のアパートに帰ってきたのだった。

料理を温めなおしていた私は軽いショック。

でも作りすぎたからもらって。なんてよくある話。

結婚するってこういう事よね。

義母の力が強すぎるからつい警戒してしまうけど大丈夫、大丈夫。

 

そう自分に言い聞かせる。でも嫌な予感がする。

夫は食べ慣れた義母の料理をほおばるように食べた。

 

嫌な予感は的中

その日から毎日義母の手料理を持って帰ってきた。

 

夫は大人じゃない。ずっと息子だ。坊ちゃんだ。

お母さんの料理が大好きなんだ。

仕事のあと疲れているのに遠回りになるのに実家に寄って料理を受け取って

アパートに帰ってきてご飯食べてお風呂入って少しテレビ見て寝る。

夫はいびきがうるさいので私たちは別室で寝ている。

完全に私、必要ないね。

 

 

私は終業時刻が近づくと心がざわついた。

今日も義母の手料理が届く。

砂糖と醤油たっぷり使った田舎料理。

いつまでも夫を子ども扱いして気持ち悪い。

そんなに自分の料理食べさせたいの?

 

 

 

私はストレスで過食するようになっていた

自分の仕事が終って帰宅するのが17:30

夫が帰ってくるのが21時

それまで私は食べた。

冷蔵庫の中から食べ物を直接口に詰め込む。

一通り食べたら次はお菓子。

口の中にたくさん詰め込まれているのにさらに無理やりお菓子を押し込む。

味はどうでもいい。何でもいい。

家にあるものを食べつくしたら近くのコンビニに行って適当に買ってきて食べた。

 

私は料理をやめた。

夫が帰ってきたらお帰りとだけ言って自分の寝室にこもってテレビを見て寝るようになった。

こんな新婚生活、やばいよね。

でも夫はこの生活を快適だと感じていた。

 

私は過食が止まらず体重がどんどん増えていく。

子宮筋腫の手術日が近づいてきていた。

事前に書いた問診票の体重よりかなり増えてしまった。

私は過食に加えアルコールも一緒に飲むようになった。

思いっきり食べて飲んで、最後に全部吐く。

吐いているから体重は増えないはずと思っていたけど

それでも体重は増えていった。

 

大丈夫。手術すれば状況が変わる。

体外授精を始めたら健康的な生活に戻せばいい。

きっとすぐ元の体重に戻れる。

 

 

ところが、この後どれだけダイエットを頑張っても痩せなかった。

体外授精が始まるとホルモン剤の影響で浮腫みさらに太った。

洋服のサイズが合わなくなり何度も買い替えた。

 

 

おかしい。こんな太り方経験したことがない。

食事を減らしても運動しても痩せない。

私の体がアートバルーンになってしまったような感じ。

ムチムチして動きにくい。

体中のリンパが詰まっているのか?

顔パンパン。どんどん醜くなっていく。

 

太ることは大きなストレスだった。

そしてなかなか妊娠しないこと、義両親の過干渉、「無」の夫と分かり合えないこと、自分が醜いこと

全てがストレス。

1日のうちストレスを感じない時間が1分もない。

 

 

 

このままではいけない。ストレスが太る原因になっている。

まず夫と話し合おう。

 

結婚後、夫に自閉症の傾向があると気づいた私は

夫への話し方を気を付けるようにしていた。

たとえ話や長い話は分かりにくいからしないように。

ポイントを絞って優しく、言い方に気を付けて

 

今後の生活をより良くするために良い話し合いにしようと思っていたのに

 

 

 

 

 

私は酔った勢いで夫を罵倒した