1868年に生まれた、20世紀の天文学を飛躍的
に発展させた偉大な女性、ヘンリエッタ・スワン・
リーヴィットの事をご存知だろうか?



彼女は一口で言うと、宇宙の大きさを測るモノサシ
を発見した女性と言うことになると思う。

病気で聴力を失った彼女は、天文台で感光板に写っ
た無数の星の中から、変光星を探し出すボランティ
アを始める。

後に研究者となった彼女が発見した変光星の最終的
な数は2400以上で、当時、発見されていたすべての
変光星のほぼ半数に当たる。

その流れで、彼女は、ほぼ同距離にあると仮定した
小マゼラン星雲内にある25個(32個との報告も
ある)のセファイド型変光星(ケフェウス座デルタ
型の脈動変光星、ケフェイドなどの読みもある)を
分析し変光周期と絶対等級に相関関係がある事を発
見し、1912年に発表する。

この彼女の発見により、セファイドの変光周期と見
かけ上の等級を観測する事により、星までの相対距
離を計算する事ができるようになった。

コペルニクスの天動説の時代の15世紀、宇宙の広
さは「太陽系」だった。その後、観測技術の進歩で
宇宙の広さは「銀河系」になったが、その後、20
世紀始め、アンドロメダ大星雲などの星雲が銀河系
の中にあるのか、銀河系の外に宇宙は広がっている
のか論争が行われていた。

1923年、別の方法で絶対距離を測定されたセフ
ァイドを彼女の手法に当てはめて絶対距離の計算法
が確立され、銀河系の外に宇宙が広がっていると確
認された。

1924年、彼女の功績にノーベル賞のノミネート
手続きが開始されたが、彼女は1921年にガンで
亡くなった後であった。

銀河系の外に宇宙は広がっているのか? 彼女はそ
の論争の決着を知ることなく亡くなっていた。