ワシントンDCの空港で事故が起きました。
私は普段は凹まない毎日を送るのですが、飛行機事故は本当に心がしんどいです。機長としての責任や、自分だったかもしれないと想像してしまうのかもしれません。でも飛行機事故はこれからも起きると思うので、私の心構えを変えたほうが良いのかもしれない。今回の事故もパイロットにしか分からない点がいくつもあるような気がします。行き先のない怒りもあります。AA系列の飛行機への怒りではありません。航空業界では常に、どうすればもっと安全に飛行機を飛べるのか、事故を防げるのかを追求しています。そんな中で、この事故は防げたのではと思うのです。最終報告を待つしかありません。
パイロットにしか分からない点は、AAのRJ(Regional Jet、小型ジェット)は、南から入ってきて、初めは滑走路1(北向き)に着陸をするはずでした。管制塔から「滑走路33(北西向き)に着陸できるか」と聞かれ、応じました。応じていなかったら、大丈夫だったかもしれないのか?滑走路33は5200ftと、すごく短いです。小型ジェットからしても短いと思います。この日は滑走路33は向かい風も強かったので、その点は良いのですが、気流が悪かったのでスピードの調節は簡単ではありません。そして、安定してまっすぐ滑走路1に入るのではなく、33の方に移動する際、スピード、高度を考え、フラップ・車輪の降ろすタイミングを間違わないようにします。そして滑走路に入るための最後のターンの際は右の翼が上がるので、もしヘリコプターが北や北東の位置にいたならば視界が遮られます。短い滑走路への移動は、いつもとは違う集中力と技量が必要なので、タッチダウンして止まるまで、滑走路以外の周りを見ている余裕は、私ならありません。
亡くなった方々のご冥福をお祈りします。