こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
・危険!長時間のランニング運動に適さない気温って何度まで?
気温30度を超える猛暑の中でも、フルマラソン大会や長距離トレイルランニング大会が通常開催されていることに、同じ主催者として驚き、参加ランナーの熱中症のリスクは高く、救護・運営が大変なことはあらかじめ予想できます。
それにも関わらず大会が例年どおり夏に行われることがあるのは、「夏はほかに競合するランニングレースがほとんど少ないから」という理由が一番にあると考えています。
・「運動は控えた方がいいですよ」という指針は何℃ぐらい?
気象庁が「長時間の激しい運動は控えた方がいい」と発表している指針は、気温35℃とされています。
本当に運動を控えた方がいいかどうかは、個人の暑さへの順応に加え、温度だけではなく湿度も重要な要素になります。
日本の夏は気温も高く、そして湿度も高い。そのような状況で大会に参加するわけですから夏場の大会でベストタイムは望むべくもありません。
僕はこれまで28か国を旅し、【世界の暑い国ランキング】をつけたことあります。
1位フィリピン
2位シンガポール3位日本
4位砂漠(ヨルダン)
5位セドナ、グランドキャニオン(夏季)
6位マレーシア
シンガポールは日本以上に湿度が高い日も多くあって体感温度は日本以上、フィリピンは日本のさらに上をいく暑さで肌がひりひりと痛くてそれでいて蒸し暑いです。
先日シンガポールから京都のトレイルランニングツアーに参加をされた人がいましたが、「シンガポールと比べれば涼しい」と話していました。
暑さでランニングペースが落ちてしまう気温は30℃を超えてからではなく、ずっと低い気温である。
ある研究では、外気温が12.8℃を超えると5.5℃上がることに1.6〜3.0%パフォーマンスは低下するとわかっています。つまり、気温30℃になればパフォーマンスは4.8%~9.0%が低下します。
この時期にレースに参加をする人は、「気温の高い中を走る場合にはランニングペースは大幅に遅くなる(フィニッシュまでに時間がかかる)」ということは想定した上で水分携帯を考える必要があります。
一般的に初心者ほど(ランニングタイムの遅い人ほど)暑さによるペース低下の影響は大きくあって、7分/km以上程度で走っている人であれば10秒から15秒は遅くなることがわかっています。
暑くてペースが上がらないからといってほとんど歩行に近い極端に遅いペースで、だらだらと走っていると悪いフォームが身につきやすく、いわゆる腰が落ちたフォームが身につきやすく、故障を招く原因にもなりかけません。
また気温の高い中、長時間走ろうとして時間が長くなるごとにペースが落ちていくような練習ではマイナスのイメージがつきます。
なるべく朝の早い時間帯や夜の涼しい時間帯に走ることをおすすめします。
たとえ夏に頑張ってランニングを練習をしたとしても涼しくなれば暑熱順応の効果は1~2週間ほどでなくなると言われています。残念なことに。
夏の練習は精神面が鍛えられるというのが一番大きいでしょう。