こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
フルマラソンを4時間以内で完走することを「サブ4(サブフォー)」と言います。
長居練習会の西川賢二さん(63歳)から、奈良マラソンで人生二度目のサブ4達成の喜びの報告が届きました。
西川さんはロードバイクを趣味とし、60歳から走りはじめてランニング歴は3年と12か月。2022年10月に僕のパーソナルを受けてくれ、その後は毎週長居の練習会でトレーニングを続けてきました。
パーソナルの依頼理由は、
「これまでマラソン大会には8回参加をしたが一度サブ4を達成できたものの、5時間近くかかることがほとんど、もう一度達成できることを自分に証明したい。」でした。
結果は…
ネットタイムで3時間56分41秒、グロスでも3時間59分45秒。
神戸マラソンでは水分の補給不足とオーバーペースで31kmで足を攣ったので、今回は20kmまではゆっくり走りました。
残りは22kmなので「ここで頑張っても足が持つかな」と思い、30km地点を2時間50分で通過できればサブ4の望みがあったので20km~30kmの区間は猛スピードで走りました。
グロスタイムでもサブ4が達成できそうだったので最後まで力を振り絞って頑張りました。
20kmを過ぎて10kmも猛スピードで走れたのは新しいランニングシューズのおかげもあったかもしれません。今より脚の耐久力がつけば3時間45分も目指せるかもしれませんので、今後も頑張っていきます。
周囲の予想をくつがえす快走。当初は「もう一度サブ4を達成したい」だったのが、早くも欲が出てきています(笑)
西川さんは奈良マラソンの前、11月20日(日)に神戸マラソンを走り、そこでは撃沈(リタイア)を喫しています。
「レース勘はレースでしか磨かれない」
神戸で犯したミスを再チャレンジできるレースがあったこと、奈良マラソンで修正できたことが大きい。ほかのスポーツと違いマラソンの良いところは、大会がたくさんあって場数が踏めること。
2020年12月 加古川みなもロードフルマラソン(61歳)3時間59分7秒(サブ4初達成)
2022年3月 淀川マラソン 4時間59分22秒
2022年11月 神戸マラソン(63歳)オーバーペースと脱水症状により30km地点でリタイア
↓反省点を修正
2022年12月 奈良マラソン 3時間56分41秒(2分26秒の自己記録短縮)
神戸マラソンのラップタイム
サブ4を達成するにはキロ5分30秒で走る必要がありますが、序盤からキロ5分20秒を上回るハイペース、フルマラソンのレース中にハーフの自己記録を更新しようという明らかなオーバーペース。
案の定30kmを待たずに足が止まり、ほとんど給水しなかったことも加わりリタイアされました。
・ランナーには3タイプの人しかいない。レースを台本通りに走る人、台本通りに走らない人、はじめから台本のない人
ランナーの中には設定した目標タイムに対してペースが極端に遅すぎたり速すぎたり、自らレースを台なしにしてしまう人がいます。マラソンはそういう競技ではありません。
レース後は「いったい全体どうして練習してきたことを台なしにするようなことをしたんですか!?」と諭しました。
こうした場合には練習内容やフォームだけでなく、人間心理についても学ぶ必要があります。
西川さんの場合は、好調が裏目に出た結果でした。
西川さんはレースの直前に奈良マラソンに向けて新しいランニングシューズを投入しました。
「履き慣れていないシューズを履いて大丈夫ですか?新しいシューズに足が持ちますか?」
練習会のラン仲間もみんな口を揃えて言いました。
奈良マラソンのラップタイム
応援ナビでは、「よしよし。奈良マラソンの前半は下り坂でペースを上げてしまいがちだけれどもちゃんと自制しているなあ。」
ところが…
中間地点を過ぎてこんなメッセージが出てき、目を疑いました。
「いったい…どうしたーー!!?」
起伏の激しい奈良マラソンで20kmを過ぎてキロ5分を切るペースで加速をしている…神戸マラソンのときの悪夢が頭をよぎりました。
「信じられない…しかし、スパートを仕掛けるにしても早すぎる。」
毎年応援ナビでこれまでに何百人のランナーを定点観測してきましたが、こんな走りをする人ははじめて。はちゃめちゃです。通常はレース後半で一度疲労で落ちたペースは復活することはありません。だからこそそれまでのペース配分が重要になります。
西川さんはそれまでが相当余裕のあるペースだったことがわかります。
西川さんが大会に向けて努力されたことはもちろんですが、新しいシューズでエネルギーコストを節約できた可能性も高くあって、最近のシューズ性能の向上には目を見張るものがあります。
繰り返しになりますが「夢」とは異なり「目標」は必ず達成するものと僕は思っていますから、「目標」を達成のためにはあらゆる手段を使います(もちろん違法行為なしに)。
ジムに通うことが必要であれば通いますし、坂道での練習が必要であればしますし、良いと言われるランニングシューズがあれば買います。
シューズは「履いてみて合わなかった」のならわかりますが、そもそも履かずして合わないと判断している人が多く、西川さんのように一度は買って試してみようという人は少ないように思います。
しかし、ランニングはどこまでいっても趣味なのでそこにどれだけの時間とお金を人は賭けるのか?
大方の予想を覆し、60代でも記録を向上させること、サブ4を達成することは十分に可能ということを証明してくれました。
Never Stop Running.
【STEP1】無料メール講座で学ぶ
【STEP2】大阪城公園での練習会やトレイルランイベントに参加する
プロにランニングフォームを見てほしい