こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

 

 

2022年11月6日(日)に石川県北部は能登半島で行われた「第9回中能登トレジャートレイルラン」50kmのドリームコースに参加をしてきました!

 

能登半島の中央、ひいては日本列島のほぼ中央に位置する中能登町。石川県のトレイルの大会に参加をするのははじめて。


レースレポートをお届けします。

 

●まさか!の結末。結果から…

 「第9回中能登トレジャートレイルラン ドリームコース50kmの部」

公称47.7km / 累積標高 約2,376m(実際47.7km、累積標高 約2,156m)

 


結果は…まさかの失格!コースをショートカットしてしまいました(涙)
 

 

GPS38.0km、累積標高 約1,800m、

タイムは4時間25分13秒。無効試合。

 

 

ショートカット後途中エイドで立ち止まって間違えた場所を確認し合ったり休憩したりしてこのフィニッシュタイムでした。ショートカットした区間をプラス1時間としても5時間20分前後、いずれにしてもトップ10は無理でしたが13位…14位ぐらいではフィニッシュできるイメージをしていました。

 

 

トレイルランニング歴13年、国内外のトレイルレース戦績は61戦になりますが、コースを間違えて失格になったのはトレイルランニングをはじめたころの1回だけです。

 


2010年2月18日に神奈川県で行われた「第2回三浦半島縦断トレイルラン大会」にて。この大会は白黒の地図片手に進む大会でコース上の誘導員も少なく、途中チェックポイントを一か所飛ばし失格となりました。

 


まさか2回目が今日とは…

 


誘導のテープがなければ気づいて戻りますが、今回はテープはずっと続いており気づいたときには大きくショートカットをしていました。(僕の前でも2人が間違えショートカットしていました)

 


YouTubeで過去の大会映像を繰り返し見て、コースのイメージは頭に叩きこんでいたのにこの結果です。


スピード速くほとんど走り続けるレースの怖さ、8の字コースの怖さをあらためて知りました。

 

誤解のないように書いておくとコーステープは充分すぎるほどたくさんありましたし、ほとんどの人が正しいコースを進んでいたと思うので、僕の実力と思います。


ミスコースをしていなければ2つ順位がジャンプアップしていたのですから!これがトレイルランニングレースの怖さでもあり面白さでもあります。

 

コロナ禍で本来は「この分岐には人が立っていて欲しい!」という場所でも人がいないことが最近多くあって、皆さんもお気をつけください。

 

●中能登トレジャートレイルランを選んだ理由

僕がこの大会を選んだのは、昨年ほとんどのトレイルのレースが中止になった中で、金沢マラソンと並んで無事開催された大会の一つでその意気込みに好感を持ってでした。昨年は「中止になる」と予想をしエントリーを見送っていました。

 

会場は生涯学習センター「ラピア鹿島」。受付は待ち時間なし、トイレも行列一切なしでした。こういうところが小規模なレースの良さです。スタート地点のすぐ横にトイレがあって、直前でも行くことができました。

 

開会式。プロトレイルランナー鏑木さんの姿を見たのは遠めにこのときだけでした。

 

ショートカットをしてしまったがために途中のエイド、フィニッシュ地点にも到着していませんでした。大会では2013年ぶりに実物の顔を見る鏑木さん、その鏑木さんがレースプロデュースの大会でフィニッシュで「失格」は恥ずかしすぎたので、どんな顔をしてゴールをすればいいのか走りながらずっと考えたいたので内心はいなくてほっとしました。

 

大阪からなのでアウェーで誰も知っている人はいないと思っていましたが、トレイルランナーズ大阪のツアーメンバーさんに沢山会えました。イベントを主宰し、そこて出会ったみんなと大会で同じコースを走る。これが僕の思い描いていたことです。

 

金沢在住のNさん。前週は金沢マラソンを走り、二週連続でレースとタフ!

 

大阪からKさん。今年は月1ペースでトレイルのレースを中心に15大会以上参加したそうです。普通はほとんどの人が歳を重ねるのは嫌なものですが、Kさんは「50代は速い人が多いので早く60代になりたい!」と話す変わった人です。

 

名古屋からは”ミスターほんわか”Sさん。登山の体力づくりのために走り始め、「登山とランニング、その両方が楽しめるトレイルランニングは最高!」という理由で始め、登山からトレイルランニングにも適応した人です。

 

子どもの広場みたいな場所で集合写真撮影。会場の雰囲気を見ると地元のランナーや毎年参加をするランナーが多いようで同窓会のような、はじめての人でも混じりやすい和やかな雰囲気の大会でした。

 

●レースがスタート!

朝7時は7℃と肌寒いのですが半袖やノースリーブの人、スタート前に何も羽織らない人も多く、「みんな寒さに強いなあ!」と感心して見ていました。

 

僕はロングレースでウォームアップもゼロなのでジャケットを羽織ったままのスタート、身体が温まってきたら途中で脱ぐつもりでいました。(結果としてはこれが正解でした。身体が温まり始めたのはスタートして1時間半以上過ぎてからでした)

 

レースがスタート!先頭グループ集団は10人以上程度もいて、皆さんロードランニングが速い!スタートして5分で「今日は15番前後でのフィニッシュになるだろうな」とイメージしました。

 

レースのタイムはレース中に決まるのではなく、スタート地点に立ったときの準備で8割以上ほとんどが決まっています。

 

●いったいどこでショートカットをしてしまったのか?
その後は第二エイドと第三エイドのあいだでショートカットをしてしまったことに気づきます。
 
だいたいレースでは前後に誰もランナーがおらず、追い抜いたり追い抜かれたりも少なく一人で走っていることが多いので、ランナーがいなくとも別に不思議には思いませんでした。
 
 
「悔しい」とか「残念」とかいう気持ちよりも、「自分はいったいどこでショートカットをしたのか?」の気持ちの方が先でした。


ここまでコーステープどおりに進んできたのですから。

 

 

第二エイドらしき場所に到着をするとまだ設営がされていません。1位の選手は速すぎてエイドの設定が間に合わないといったことはありますが、僕のペースでそれはあり得ません。

 

しかし、怪訝な顔で見られながらも励まされたので、内心では「石動山を通過していないぞ」と思いながらもそのまま進みました。


第一エイドも第二エイドも飛ばし給水はなしで、「夏場でなかったこと」「水を余分に携帯していたこと」が功を奏しました。

 

トレイルにはランナーの無数の踏み跡があったことも進み続ける理由となりました。(コース整備や前日のコースチェックでついたものだったよう)

 

 

そのあと立ち止まりYAMAPのGPSを見てショートカットをしたことに気づきましたが、すでに後戻りできないぐらいに進んでいたので、第三エイドまで走り続けました。

 

第3エイドには同じくミスコースをした男性が先に到着をしていて、コースマップを一緒に眺めながらショートカットをしてしまった地点の検討を始めました。

 

「エイド1は通過をした」2人ともそう考えていたので、はじめは上の「◯」印のところでショートカットをしたと考えていました。

 

ところが実際は写真の「◯」印のところ、石動山のコースを丸々ショートカットしていました。その地点がわかってもテープ通りに進んでいると走っていたので、同じくミスコースをした男性とも話しましたが互いにさっぱりわからずでした。分岐点には誘導の人はいませんでした。


エイド2を過ぎて気づいたときにはすでにここまで移動してしまっていたのですから!もはや引き返すこともできません。

 

今回ミスコースに至った原因

・コーステープは続いていたため先へと進んでしまった

・(通過はあとになるが)コースは正しいコースだった

・通過したと思っていた第一エイドは発表にない私設エイドだった(それにも惑わされた)

・分岐点に誘導員はいなかった

 

●ミスコースをしてからが生き地獄。ドリームがナイトメアに
エイド3でスタッフにショートカットをした旨とゼッケン番号を告げ、続行する意思を伝えてフィニッシュへと向かいました。完走にはなりませんが、制限時間関門をオーバーしたわけではないので、時間がある限りレースは続いています。
 

そこからが大変でした。沿道で楽しみに応援してくれるおじいちゃん、おばあちゃんから、

 

「トップが来た!!」

「いいえ、僕は失格です…途中コースを間違えてしまって…」

「残念やなあ。」

 

ひとりひとりに頭を下げながら走ります。ちゃんと「失格です」と口頭で訂正しておかないと、あとで本当のトップが来たときに「前に人がいる」という話がでたらややこしくなりますし、トップが来たときに盛り上がらないと残念だと思ったから。

 

 

たとえフィニッシュしても失格なのであとはゆっくりと走ろうと思ったら、

 


「(1位の人にに追い抜かれたら恥ずかしい)」

 


という妙な気持ちがとつぜん芽生え、「1位の人から逃げ切ることを目標にするのも楽しいかもしれない」と思いました。

 

さらにスピードを強めたことには復路ですれ違うランナーから、

 

「トップはもう戻って来た!すごい!!」

とキラキラと光るまなざしで見つめられ…

 

上り坂も歩けない雰囲気でトップ選手のようにパワフルとカッコよく走らざるを得ませんでした(内心はゆっくり走りたいんです!)

 

「頑張ってゴールしても記録はないんだ」とわかっている中でプッシュし続けるのは、なかなかにしんどかったです。

 

失格だとわかったので途中から写真が増えてきます。

 

途中にこんな看板が出てきます。「UFOコース?クイズ?」「鏑木さんなら考えそうなことだなあ」と思いましたが、大会とは一切関係がありません。


僕もこれは間違えませんし、先にテープもないのでほかに間違える人はほかにもいないとは思います。しかし、トラップがあってUFOコースと第3エイドに向かうコースは動線が同じで、エイドを出たすぐ先にUFOコースの看板があることです。

 

「UFOコースの次はきもだめしコース?」これも大会とは一切関係がありません。見た目にまぎらわしい。もしプライベートであれば好奇心が勝って矢印の方向を覗いていたと思います。

 

正しい大会の案内標識はこれ。


正直自分がどこでミスコースをしたのか、もう一度現場検証しないとわかりません。最初から最後までこのピンクテープどおり続いていたのですから。

 

碁石ケ峰(ごいしがみね)461m。

 

コースは海に風力発電の風車が見えて、三重県にある青山高原の風景みたく、トレイルも走りやすくよく似ています。

 

中能登トレジャートレイルランのコースの上りのほとんどは急坂の舗装道か林道で、山の中は階段が多めです。写真のような転げ落ちそうな急階段もあります。


ここでは伝家の宝刀「ポニーステップ(ギャロップ)」テクニックが活きますね!普段のランニング動作ばかりで下りていたら、膝や関節を痛めやすいと思います。

 

35km地点、古民家みおやの里。豚汁など食事とおもてなしがあるということでものすごく楽しみにしていたのですが、今年はなし。ガーン!本日一番のショックでした。

 

よもぎ饅頭をいただきました。


そうこうしているうちに同じくミスコースをした男性に追い抜かれました。エイド3で一緒にいた男性でした。僕の前にはミスコースをしたランナーが2人いたようで、ミスコースをした者同士で静かな競争がありました(笑)



最後は陸上競技場のトラックみたいなコースをぐるりと走ってフィニッシュするのですが、


「おーっと!!ドリームの部のトップでしょうか!?速い!!」

会場に響くマイクアナウンスをされ、


両手でばつ印の交差をすると、


「何やら両手でバツをしています。ありがとうございます。何かトラブルがあったんでしょうか。」


恥ずかしっ。


ゴールの5m手前でチップを回収され、終了。

 

・車集合の人が90%以上だが、和倉温泉駅や指定ホテルからの無料送迎バスあり
・世界農業遺産の中能登の田園風景
・朝日にきらめく海と山、11月上旬開催で紅葉のはじまりの風景
・桝形山(ますがたやま)からの絶景
・石ころや木の根もほとんど少ない、超初心者にも走りやすいトレイル
・ラストのダウンヒルは気持ちがよく爽快!
・参加賞はノースフェイスのTシャツ(定価4,620円相当)
 

ここは残念!

・コースが発表されたのは大会開催の10日程度前(参加者に郵送で案内)
・コース上には誘導者がほとんど少ない
・コース上のエイド・おもてなしは規模縮小
・ゴール後は温泉入浴券はなし
 

昨年はレースの参加者には「とん汁引換券」に「昼食券」「300円買い物券」などがもらえたそうですが、今年はおにぎりとコーラでした。完走賞をいただけるとのことでしたが、完走もしていないのにフィニッジャーズタオルは受け取れません。

 

ショートカットをし早くフィニッシュしたおかげで、12時の一番早い送迎バスに乗れ、予定より早く大阪に帰宅することができました。

 

乗車ランナーは僕一人だけでした…

Never Stop Running.


来年は第10回記念大会、参加を検討されてみてはいかがでしょうか?興味を持った方はいいね!

 

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