こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。


こんな練習生がいます!練習生紹介シリーズ。

 


ランニングを長く続けている人ほど、レースに参加をする頻度が高い人ほど、ベストタイムを毎回更新しすることは難しい。


しかし、それに挑戦し続ける男がいる。



コーチとして何度も目にしてきたのは、ごくふつうの人が、驚くほどのポテンシャルを持っていて、練習で大きく変わることがあるということ。

 

“不動心”滝谷由樹さん(50歳):2016年に手術後のリハビリをきっかけに走り始め、2017年4月に45歳のときに会社の同僚ランナーの誘いで長居カイゼン練習会に参加し、同年に初マラソンを完走。

 

ランニング界隈ではよくある話だが、誘った人は故障など諸事情で走ることをやめてしまい、誘われた人がハマって続けるパターン、滝谷さんもその一人だ。


滝谷さんがはじめて練習会に来たときには特に目的意識をもって参加に来たわけでなく「連れられてきた」という印象だったので、まさか今ほど熱心に練習会に参加をし、ランニングにハマるとは思わなかった。

 

その後は大会への参加は年に1回程度と少ないものの、毎年自己記録を更新。ベストタイムは、2021年の奈良マラソンの3時間37分30秒。

 

<レース戦績>

2017 第7回なにわ淀川マラソン大会 4時間6分51秒(45歳)
2018 第8回神戸マラソン 3時間52分13秒(46歳)
2019 高知龍馬マラソン 3時間39分17秒(47歳)

2020 コロナ禍で大会出場なし

2021 奈良マラソン 3時間37分30秒(49歳)

 

僕は滝谷さんのことを心の内で“不動心”と呼んでいる。


滝谷さんのような人がコーチとしては一番指導をしやすい人だし(短期間にレースを複数詰めこんだり実力と大きくかけ離れた目標を掲げたりしない人)、結果も出やすい人である。


以下、僕が5年間滝谷さんを見てきた印象である。

 

①自分の年齢や運動歴、現在の体力を考慮したうえで適切な目標ペースを設定する

 「初マラソンを完走できたから、次はサブ4!」

「サブ4を達成できたから、次はサブ3.5!」

 

こうした目標のほとんどは根拠がなく、自分の年齢(そして体重も!)や過去の運動歴、現在の体力を考慮して立てた目標ではないことが多い。


根拠のない目標タイムから逆算して練習ペースを決定したり目標タイムペースで走ったりするから、挫折や故障の絶えない人が多い。

 

 

レースは練習ペースから目標タイムを設定する(その逆ではない!)。普段の練習やスタートに立ったときにおよそフィニッシュタイムは決定している。

 

 

滝谷さんはこれまでにマラソンレース後半で大きく失速をしたことがない。初マラソンを4時間6分51秒で完走をし、2回目の神戸では「僕の今の実力だと5分30秒で走るつもりですので、3時間52分のフィニッシュ予想です」と答え、その後きっちりと3時間52分で完走している。

 

②マラソンは速く走ったり遅く走ったりする競技ではない、競技特性をよく理解する

滝谷さんは「今日は1km5分設定で走りましょう」と伝えると、極端に速く走ったり遅く走ったりすることなく、最後の100mをストレス発散にダッシュしたりすることもなく一定のペースで走る。


マラソンでは「ムラのない一定のペースで走ること」「同じペースでもっと楽に走れるようになること」が最も重要と自然と理解をしている。


同じ練習が楽になったと自分が思うまでは急にペースを上げない。ほとんど多くのランナーが楽になってきたらすぐにペースを上げる=故障に繋がる。

 

③人のタイムを気にしたりキリのいい目標タイムを立てたりしない

周囲の人が「次の大会で3時間30分以内を狙えますね!」と競り立てても、キリのいいフィニッシュタイムは目指さない。自分のペースで確実に自己記録を更新していくから自信がつくし、無理がない。

 

④人のチャレンジの誘いには気軽に乗らない

周囲の人が「今度100kmに挑戦するんです」と話しても「すごいですね」と返すだけで、自分がウルトラにチャレンジしようとは決して思わない。



お兄さんはウルトラトレイル・マウントフジ (UTMF)を今年完走したトレイルランナーで、

 

「お兄さん、完走しましたね!!」

と僕が興奮気味に話しても、

 

「そうらしいですねえ。」

とあっさりとした答えが返ってくる。



僕が「一度トレイルランニングを体験してみませんか?」と誘っても一向に興味を示さない。

 

この男、いったいどこまで不動心なのか。

 

⑤タイムや当選結果に一喜一憂しない

2022年の神戸マラソンは1.6倍の例年と比べ低倍率で、応募をした練習生のほとんどが当選したが唯一落選したのが滝谷さんだ。落選すれば大抵は落ちこむと思うが、「12月のアップダウンのある奈良マラソンで昨年のベスト更新を目指しますよ」と早くも気持ちを切り替えていた。

 

⑥新しいもの、流行に左右されない

最新のランニングシューズにもすぐには手を出さない。(練習会ではサンダルで走るランナーもいるが、もちろんそれで自分は走ろうとは思わない)


ナイキの「ヴェイパーフライ」やアシックスの「メタスピードスカイ」を薦めても「高いじゃないですか。セールされた安い普段のシューズで十分です。」と話す。


最近になってようやくナイキのズームフライ4を購入し、「1kmあたり10秒、20秒ほどペースアップする感覚がありますね」「こんなに走りが変わるものなんですね」シューズテクノロジーの進化に驚く。これまでのベストタイムはジョグシューズで出した記録なので、新しいシューズを履いてのマラソンを楽しみにしているようだ。



滝谷さんから学ぶ「マラソンの自己ベストを更新し続ける秘訣」

①自分の年齢や運動歴、現在の体力を考慮したうえで適切な目標ペースを設定する
②自分が行っているスポーツの競技特性をよく理解する
③人のタイムを気にしたりキリのいい目標タイムを目指したりしない
④人のチャレンジの誘いには気軽に乗らない
⑤タイムや当選結果に一喜一憂しない
⑥新しいもの、流行に左右されない



滝谷さんには“不動心”という言葉がよく似合う。

 

2022年は12月の奈良マラソンで、これまでに6大会参加、5度目の記録更新を目指す。(その後追加当選で神戸マラソンにも当選)

 

滝谷さんの自己ベスト更新街道はどこまで続くのか。

Never Stop Running.

 

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