こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
2022年6月12日(日)に東京都青梅市で開催された「第12回TOKYO成木の森トレイルラン」に参加してきました!
今年は8レース目。
レースレポートをお届けさせていただきます。
なぜ東京の大会に参加しようと思ったか?そろそろ行かないと東京のみんなに忘れられてしまいそうだったから。
コロナ禍になって関東方面を訪れる機会はなく、2019年11月の新宿でのランナー忘年会以来ぶりでした。
「(関東のレースに最後に参加をしたのはいつか)」と調べたら、2012年10月の「第20回日本山岳耐久レース(長谷川恒男CUP)」でした。ほとんど10年ぶり!東京から地元大阪へと戻ってそのぐらいの年月が流れたことになります。
東京都青梅市の「成木の家」を拠点に開催。トレイル率は90%と高め。
コースは発表では「約20km、高低差1,021m」でしたが、事前の調べでは16.3kmとわかっていました(今年はスタート位置の変更によりそれよりもさらに短い15.5kmでした。)
2020年は6,000円が、2022年は8,000円で2,000円値上げ(上昇率133.3%↑)
僕はランニング大会が無理な運営で継続困難になるぐらいであれば、また参加人数を大幅に増やすぐらいならば値上げは歓迎の考えです。
主催はKFCトライアスロンクラブ。関東を中心に「多摩川源流トレイルラン」「南伊豆トレイルマラソン」「赤城の森トレイルラン」など数々の人気トレランレースやトライアスロンレースを20年以上運営した実績があって安心です。
僕がはじめてトレラン大会に参加をしたのは同じ主催者の「第13回Lafuma青梅高水山トレイルラン」でした。
もう「Lafuma(ラフマ)」という名前を知っている人は少ないでしょう。(フランスのアウトドアブランドで日本市場からは撤退)
デビューが青梅高水山トレイルラン大会と思っていたら…美化された思い出の中ではそうでしたが、実際は違いました。
はじめて参加をした大会は2010年の「第2回三浦半島縦断トレイルラン大会」でした。右も左もわからず参加をしたこの大会は、コース誘導も少なく白黒の紙の地図を片手に走るのですが、途中チェックポイントを1か所飛ばして初レースは失格に終わっていました(笑)ゴールしたときの喪失感を思い出しました。
「TOKYO成木の森トレイルラン」の大会コースは昭文社の『山と高原地図』に記載されており、登山の標準コースタイムでどのぐらいかかるのかを調べてみました。
■コース
成木の家→なちゃぎり林道→高水山常福院→高水山山頂(標高735m)岩茸石山山頂(標高793m)→黒山山頂(標高842m)→権次入峠→棒の嶺(標高969m)→ 権次入峠→黒山山頂→小沢峠→畑道→なちゃぎり林道→成木の家
高水山から岩茸石山(いわたけいしやま)山頂まで 約35分
岩茸石山から黒山まで 約105分
黒山から棒の嶺(ぼうのれい)まで 約50分
棒の嶺から黒山まで 約30分
黒山から小沢峠まで 約90分
小沢峠から成木の家まで 約15分
合計タイム約395分(約6時間35分)
一部地図にない区間はおおよそで計算しています。 『山と高原地図』は、「40代~50代(または60代)の登山経験者、グループで登山をした場合」のコースタイムになっています。
登山とトレイルランとでは荷物の重さが違いますし(一般的にトレイルランの方が軽い)、トレイルランだと走りますので登山タイムのそれよりも速くなって自然です。
一般的に標準登山コースタイムの60%でレースは完走できますが、これを「成木の森トレイルラン」大会に当てはめてみました。
コースタイムの45% 3時間00分
コースタイムの50% 3時間20分
コースタイムの60% 4時間00分
大会の制限時間は、4時間15分
過去のリザルトを調べると、
上位10%に入るためには2時間00分
上位20%に入るには2時間10分
ランナーのボリュームゾーンは、2時間30分~3時間のあいだ
だとわかりました。
4時間程度で完走してもコースタイムの60%で初級程度のタイムですが、ほとんどのランナーが2時間30分から3時間以内には帰ってくるらしい。(実際に今回4時間以上でゴールした人は17人、全体の3%しかいなかった。)
上位選手は2時間!
登山で6時間35分かかるコースを2時間や3時間で本当にそんなに速く帰って来れるんでしょうか?(僕はこの大会は初参加でコースも知らず、まったくイメージが湧きませんでした)
トレランのレースに出ようという人、関東のランナーのレベルが高いのか、また「比較的走りやすいコース」と予想できました。
『山と高原地図』のコースタイムは今回は当てはらまないようですので、2019年に大会に参加された方の2つのブログ「成木の森トレイルランの完全コースガイド」「成木の森トレイルランのゴール予想タイム」を参考にさせていただきました。
調べてわかったことは「成木の森トレイルラン」大会リザルトとフルマラソンタイムのおおよその相関性は、
3時間10分前後(マラソン4時間30分レベル)
2時間50分前後(マラソン4時間00分レベル)
2時間30分前後(マラソン3時間30分レベル)
2時間7分前後(マラソン3時間00分レベル)
2時間00分以内(マラソン2時間50分以内レベル)
さらに、
これらよりもタイムが遅ければ「マラソンと比べてトレイルの適性が低いかもしれない」ということになりますので、遅くともロードランニングのパフォーマンスと同じぐらいの力をトレイルでも出したいと思いました。
2019年の女子1位の方が2時間1分を出しており(大会新)、その方のハーフマラソンのベストタイムが1時間22分、フルマラソンはサブ3です。
僕はハーフを1時間22分では走れませんが、下りが苦手な傾向にある女子がそのタイムで走れるのであれば遅くとも2時間0分〜10分以内では走れるだろうと予想しました。
2時間00分を目標にしたいところですが、前日の皇居パーソナル指導疲れに、暑さに苦手を考えれば「2時間は現実的な目標タイムではない。がんばって2時間10分、現実は2時間15分がいいところ」と自分のタイムを予想しました。
今回も「好調」「通常」「悪い」の3パターンを用意。
好調 2時間10分
通常 2時間15分
不調 2時間20分
2時間10分でフィニッシュできたら大満足でしたが、結果は…
「第12回TOKYO成木の森トレイルラン」
約15.5km 累積標高1,080m
第二ウェーブスタートで、2時間6分49秒。
出走者634人中38位で全体の約6%以内。
写真の中にはマラソンサブ3も2人、100マイルレースを完走している強者もいましたが、どうにかみんなに負けず!
「あわよくば勝てると思ってました」と僕に話しましたが、今回も負けることができませんでした。
たとえ疲れていても負けませんよ(笑)
みんな普段はロングレースばかり走り、短い距離を本気で走ることが少ないメンバーだったので「UTMF100マイルを完走したときよりもキツかったです」とはゴール後の感想。
「好調」の予想タイムより3分以上も速くフィニッシュでき、全体の上位10%以内が目標でしたがそれも達成できて大満足。
僕のあとにフルマラソンのベストタイムは2時間40分の人がゴールしていましたから、やはりロードとトレイルとでは別ものということなのでしょう。
女子1位の人は富士山マラソンの優勝者で、高校、大学と陸上部でフルマラソンのベストタイムは2時間45分、初マラソンの荒川市民マラソンで初優勝というとんでもない人でした…トレイルの適正も高い!
疲れていてもこのぐらいの順位ではそれなりに走れるんだ、と自信になりました。疲れていないリフレッシュな身体で走ってみたいと思いますが、僕にはぜいたくな望みです。
しかし、予想タイムより上振れしてしまいました。自分の実力を正確に押し測ることが何より重要で、予想タイムより良くとも悪くとも大幅にブレてはダメという考え。それは自分の実力をよく把握できていなかったことになります。
会場で下駄を履いて走る人がいました(ウェアは着物っぽく、ザックは風呂敷!)。大会スタッフから記念撮影を求められていたのできっと名物ランナーなのでしょう。
レースは下りはがれがれの岩場で前日の雨でぬかるんでいるところもあって、トレイルランシューズを履いていても滑ったのに無事ゴールできたのでしょうか。
ヴェイパーフライのロードランニングシューズで走っているエリートランナーもレース中見かけ、びっくり。
この大会のコースは間違いなくロードランニングシューズよりもトレイルランニングシューズの方が走るのには安全で適しています。
トレイル比率は90%、運動時間における3分の2が登り、3分の1が下りとわかっていました。
16.3kmをその割合に分けると、約10.8kmが登り、下りは5.4km。
「登りが遅い、苦手」だと必然的にゴールタイムは遅くなる大会だとわかりました。下りの比重は少ないので「下りが苦手」という人もゴールタイムに占める重要性は低い。
よって、この大会に参加をするのであれば速歩き登山や上り坂のトレーニングを中心にします。
つまるところ、「より歩くことが少なかった人が良いタイムの出る大会」で上り坂を走るのはあまり速くはない僕には不得意なコースです。
しかし、実際のコースは難しい下りもあって、前日夜の雨が降ってスリッピーな箇所も多くあってそれは僕には有利に働きました。
なぜかゼッケン番号は10番!10番以内は過去の優勝・入賞者ばかり。
スタートはマラソンのタイムやゼッケン番号順だと思っていたら自由整列でした。
トイレ行列に並んでいるあいだに最後尾の方になりましたが、ランナーの皆さまが非常にマナーよく、端っこは空いていたため自分の体力に合った前列へとスムーズに移動できました。それでも第二ウェーブスタート位置になりました。
・スタートー高水山まで(4.3km、430m、最大勾配約10%)
目標30分
実際28分(差異ー2分)
前半の高水山までがゴールタイムを大きく決定づけると考えました。ここを30分で通過しなければ2時間はおろか、2時間10分以内は難しい。
急坂を走りながら「このペースは目標よりも速いな」と感じていましたが、ランナーの流れに身を任せるままにハードに走ると、やはり2分も速く到着しました。
僕はランニング中に時計で距離やペースをほとんど確認しませんが、およそ自分の感覚と、実際のペースや目標タイムが合っています。これは長年の練習、経験によるところが大きい。
・高水山ー岩茸石山(1.7km、58m)
目標約15分 実際?
どうしたことか、この日は下りが動作が連続していないというか、腰が引けて恐々した動きでスムーズに走れません。あまりに下手すぎ初心者かと思うほど。
さっぱりダメだ!!
普段下りで追い抜かれることはないのですが、下りで何人かに追い抜かれました。上りはそんなに追い抜かれることがなかったので、「こんな日もある」と下りは怪我のないよう慎重に走ることにし、登りを全力で頑張ることに頭を切り替えました。
下りが遅くとも今回のコースではそれほど影響がないことがあらかじめ調べてわかっていましたから、焦らずに走りました。
岩茸石山ー黒山アップダウン(3.1km、49m)
目標約30分 実際?
岩茸石山ではしばし立ち止まり絶景を堪能。
黒山ー権次入峠、棒ノ峰山頂まで(1.2km、127m)
目標17分
実際17分
棒ノ峰
目標到着時刻 1時間30分
実際 1時間28分
2時間10分以内でフィニッシュするためには山頂には遅くとも1時間30分で到着したいと考えていましたが、それよりも2分速く到着したので「ああ、いい景色だなあ」と棒ノ峰山頂からのパノラマ絶景を堪能し、1分30秒ほど休憩。
レースもしながら絶景もしっかりと楽しんで完走するがモットー。それがトレイルランニングをしている理由でもありますから。
どんな景色かちゃんと眺めておかないと、今後参加したい人に絶景の説明もできません。
棒ノ峰から黒山、成木の森フィニッシュ(4.9km、ー662m)
目標 34分
実際 37分
この大会を選んだのは折り返しがあること。山頂からの下り途中で一緒に参加をしたランナーさんと次々とすれ違いエールを送り合いました。
これまで下りで追い抜かれたことはほとんどないので「この大会は棒ノ峰まで11kmまでだ」と思って頑張って走りました。
ところが…
下り基調トレイルに入ると汗で冷えたのかお腹が痛くなってき、ペースダウン。なるべく衝撃を与えないように、下りは慎重に、登りは問題なかったので疲れた脚に鞭を打ち登りを頑張ることに気持ちを切り替えました。
後半の楽しい下りで大きくタイムロスし、思い切り走れなかったことが心残りでした。
僕がフィニッシュした直後に暗雲が立ち込め、突発的な雷雨になりました。
高気温なので低体温症のリスクは少ないと思いますが、雨具の携帯は義務づけられておらず、ちょっと後続のランナーが心配になりました(その後しばらくしてやみました)
フィニッシュしたランナーにはコーラと焼きそばが振舞われ、嬉しかったです。
今回634人中237人が2時間50分以内で帰って来たので、全体の約37%(実際はそれ以上の人)がフルマラソンは4時間以内で走ることのできる体力のある人が出ていたかもしれないと憶測しました。皆さんレベルが高い。
次回走ったときにタイム短縮できそうな要素は、
コースを試走した有利で ー2分
疲れていないフレッシュな脚であれば -3分
山頂での休憩タイムなし -1分30秒
後半の腹痛によるタイムロス -3分
合計タイム9分30秒
今回が2時間6分49秒だったので、1時間50分を切るイメージはさっぱり湧かないけれども、次回は2時間を切ることのできるイメージは充分に沸きました。
ーレフ・トルストイ(小説家、思想家)
Never Stop Running.
【STEP1】無料メール講座で学ぶ
【STEP2】大阪城公園での練習会やトレイルランイベントに参加する
プロにランニングフォームを見てほしい