こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
久しぶりにおすすめの課題図書のご紹介。
【徹底攻略!ヤマビルを知るための入門書】
僕がトレイルランニングをはじめたのは今から12年以上も前、関東の東京でした。
山慣れしたころにはじめて丹沢の塔ノ岳に行って、そこでヤマビルにやられたことが、今でも忘れられません。
首筋やシャツなど主に上半身についているのを見つけ、「ヤマビルは頭上の木から降ってくる」そのときに”勝手に”思い込んでいました。足元には一切くっついていなかったから。
ヤマビルについて当時は何も知らなかったので、「ぎゃー」と恐れていましたが、「何の毒もなく、痛みやかゆみもない」「血がでるだけ」と知ると、今は平気になりました。
平気ですが嫌いではあり、僕のツアーコースではヤマビルが出るような地域を避けておりご安心ください。たまに鈴鹿山脈に行くと、参加ランナーがヤマビルに遭遇し「きゃー!」と叫ぶのを見て、「体験しているなあ」と温かい目で見ることがあります。ちょっとした絶叫アトラクションみたいなもの。
ヤマビルはどんな地域に生息しているのか?主に梅雨から夏のあいだに出没し、東京は丹沢山系、藤原岳などの鈴鹿山脈、滋賀県の霊仙山、比叡山でヤマビルに遭遇したことがあります。
六甲山系では過去十年以上、一匹のヒルにも遭遇したことがありません。
レース中にもヤマビルに遭遇することがあります。フェアリートレイル高島朽木トレイルランでレース中にヤマビルに噛まれたランナーの話を多く耳にします。
本日ご紹介する一冊は、小学校の先生が子どもたちを連れて山に行き、ヒルに吸血されたことをきっかけに、ヤマビル研究がはじまりそれを紹介した一冊です。
事の発端の舞台は、やっぱり三重県鈴鹿山脈の入道ヶ岳。小学校のころ、図書館にあって夢中で読んだ『ズッコケ三人組(ズッコケさんにんぐみ)』を彷彿とさせる内容で、あっという間に読破してしまいました。
一度ヤマビルに血を吸われトラウマになって研究に気乗りしない生徒に、
「提案だけど、ここにフィルムケースがある。ウォークラリーの間にヒルを見つけたら、ここに入れておいで。一匹一ポイントをプレゼントしよう。最大10ポイント。どうだい」(本文より)
ゲーム性のある話を持ち掛け、子どもたちをやる気にさせるのは、さすが著者は学校の先生と感心しました。
ヒルに”食い逃げ”された、という表現は面白い。
この一冊でヤマビルの生態がよくわかりました。
もっと早くに出版してくれたらよかったのに、と読み終わって思いました(苦笑)。
先生と子どもたちがヤマビル研究している場所が、藤原岳に近い場所で「ヒル下がりのジョニー」を製造販売している株式会社エコ・トレードさんの工場というのだから内容に説得力が増します。
『ヒル下がりのジョニー』が、ヒルをやっつける薬ではなく、生き物を簡単に殺す薬は、人間にとってもよくない成分が含まれている、だからヒルが近づいてこない薬を開発した背景は知りませんでした。(だからこのスプレーをヒルにかけても死なないんですね。)ヒルが近寄りさえしなければヒルも殺さなくて済む、と。
「敵(ヤマビル)を知り己を知れば百戦危うからず」。
そういう意味で、本書はまさに敵(ヤマビル)を知るための一冊です。
読書後は嫌いで避けていたヤマビルを観察してみようという気分になったから不思議です(笑)
三重県に住み鈴鹿山脈に行く機会のある人は必読ですし、京都トレイルや滋賀県の山々に行く人も一読しておいた方がよいでしょう。
「山にリスクはつきもの」と言われますが、そもそもがそのリスクを知らずに山に入ることほど怖いことはありません。
目次
第1章 ヒルとの出会い
第2章 ヒルの弱点を突き止めろ
第3章 ヒルは木から落ちてくるのか?
第4章 いざ、解剖だ
第5章 実験材料を確保せよ
第6章 ヒルはどうやって拡がるか
第7章 吸血鬼ヤマビルの正体
【STEP1】無料メール講座で学ぶ
【STEP2】大阪城公園での練習会やトレイルランイベントに参加する
プロにランニングフォームを見てほしい