こんばんは。

トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
 
 
「今度大会に参加するので、三重県の桑名でもトレイルの講習会を開催して欲しい」
 
よく希望があるのですが、桑名は多度山ぐらいしか知りません。
 
三重県には大会がいくつかありますが、三重に限らず大会ばかり増えて参加をするのに服装や歩き方、走り方の講習会もほとんどないのは問題だと思って、多度山のコースに行ってきました。
 
来年以降の「多度山トレイルラン大会」に参加をお考えの方の参考になればと思います。
 
多度駅。今日は身体が重く(昨夜も夜まで大阪城でレッスン指導してます)、午後からバケツをひっくり返した雨予報だったのであまり気が進みませんでしたが、ほかに行くことのできる日がなかったので予定通り山へ。遊びのようで遊びじゃない。上下レインウェアほかフル装備で。
 
アジサイの季節も終わり。今年は7月まで楽しむことができたことが奇跡。わが家の掃除のおばさんにもらったアジサイはまだ元気。前のアジサイは生けてから5週間も綺麗に咲いてました。
 
素晴らしい河川のランニングコース。右手に見えるが多度山。
 
多度大社前駐車場。わざわざ起点に立ってからのスタートです。
 
多度大社内はハイカーの方は駐車できませんので注意が必要です。
 
スタートしてすぐ坂道がえんえんと続きます。傾斜5%前後でしょうか。走力のある人であれば走ろうと思えば走ることができるけれども走る気が起きない、緩やかでも急すぎもしないそんな急坂です。
 
レース開始直後のアスファルトの急な舗装道はその後の渋滞を回避すべくばらけさせるため。道幅の狭い登山道で行われる日本のトレイルラン大会の一般的な常套手段です。
 
登山口。どこの山でもそうですがマップや標識に「健脚向き」とあるのはだいたいがきつめ。「普段山歩きに慣れている人でもきついですよ〜」と言う意味ですから、山歩きに慣れていないランナーの方が上りで地獄を見ても普通のことです。
 
山を登って1分でサル3匹がお出迎え。普通の光景なんでしょうか。山でイノシシや鹿にはよく遭遇しますが、サルは箕面や京都東山、香港、シンガポールぐらいでしか目にしたことがありません。
 
汗だく…金剛山や岩湧山、丹沢に似た急階段。平坦なところはほとんどなし。時間こそ短いものの、六甲最高峰や摩耶山に登るよりキツい。
 
「レース序盤は渋滞しやすい」と書きましたが、ご覧の通り多度山トレイルの登山道は幅広いので、密にはならず人は避けて通れそうです。
 

よくみんなこんなキツいコース、初めてで参加しますね。尊敬します。山登りの経験が浅かったら、僕だったらダモンデトレイルとか岡崎トレイルフェスとか、登山の少ないコースにはじめはエントリーしますね。

 
まだ1号目?
 
多度山山頂。登山口から写真を撮りながらのんびり歩いて25分ぐらいで山頂に到着。走ったら17、18分で登れそうです。
 
感動の絶景!目の前には木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)。今日は御嶽山(おんたけさん)や恵那山(えなさん)も眺めることができラッキーでした。
 
山頂は平日で雨予報にも関わらず、多くの登山者でにぎわっていました。少し尋ねるとみんなものすごく親切にして下さいました。人が温かい。
 
展望エリアはやや奥まった場所にあり、大会だとやっと登ってこの絶景を見ずにスルーしちゃうんでしょうか。
 
前半の急階段はキツいものの、その後は走りやすいコース。何の難しいテクニックも必要のない林道、ゆるやかなアップダウンの道が続きます。こういうレースは普段の平地のロードランニングの速さでだいたい順位は決まります。
 
ここで一般道をそれてマニアックコースへ。初めての道、ドキドキします。クモの巣が多くなって嫌になります。しかし、人のあまり行かない道こそ冒険があります。
 
この日多度山山頂を過ぎてからはメジャーコースもほとんど人に出会いません。
 
三重県のトレイルラン大会は伊勢もそうですが、なぜか突然石がごろごろ出てきます。特にレース後半や下りで出てくることが多く、いやらしい。
 

下りはラダーはしごぐらいの小さな歩幅で走れば楽勝なのですがラダーはしごで後傾で足を自分の身体の前方へと接地する人はいません。それは下り坂にラダーを置いても同じ。

 

ところが…トレイルになったら「面」ではなく「点」で走ろうとする人が多いから滑るんですね。(かかとやつま先というのは「点」です)いわゆる「地形に走らされてしまっている」というやつです。本人は気づいていないでしょうけれど。ラダートレーニングだけ上手くてもそれをトレイルで生かせないと残念ですね。

 
気分爽快トレイル!多度山トレイルラン大会は一昨年までは初心者に易しいコースだったみたいですが、今年からロングのチャレンジコースには新しいトレイル「中道」が追加。(今年の大会は新型コロナウィルス感染拡大の影響のため中止)
 
この「中道」がくせ者。初めての人には大変。
 
木の根に、つるつるの岩場や石がごろごろの場所もあり、経験が必要なコース。そして下りな長く、道を譲ろうにも譲りにくい、追い抜くに追い抜けない一本道。
 
急な下りやがれ場の下りを走るコツは、歩きと走りを交互に繰り返すこと。緊張と緩和の繰り返し、下りで緊張しっ放しということがなくなります。そうすることでずっと歩き続けるよりもずいぶんと速くスムーズになりますよ。
 
 

普段から練習は必要ですね。

 

 

しかし、下り坂はリズムなので一度走りを止めたら再び走り出すことが難しくなります。下りで一度歩き出した人がずっと歩いているのはそのためです。わかりやすく言えば、大型連休の高速道路での渋滞走行です。燃費悪いですよね。下りは走り続けられた方が効率は良くなります。

 
美しい滝。
 
自然の天然プール。本当にプールみたい。残念ながら2020年は新型コロナウィルスの感染拡大防止のためにプール開きなしだそうです。将来的に落ち着いたら、三重県で川ドボン!夏場もツアー開催できそうです?
 
多度名物のクリーム餡大福。お店のおじさんが親切で、土地やコースについていろいろと教えてくれました。ありがとうございます。
 
■まとめ
・チャレンジコースはトレイルの下りをある程度スムーズに走れる人向き
・ゆるやかな坂道をどれだけ走れるかがポイント
→そのためには普段から起伏のあるコースで練習をしておく
・機会があれば一度多度山の健脚の道コースに登り、中道を下っておく
・シューズ
エンジョイコース10kmであればランニングシューズでも走れそうですが、チャレンジコースであれば「中道」がやっかいなのでトレイルランシューズが望ましい。しかし、それ以外は舗装道路と林道の多く含むコースなのでガッチリとグリップ突起のあるシューズよりは、ロード・トレイル兼用できるシューズの方が良さそうです。
 
 
雨でなければ、多度山のすべての登山ルートから登りたかったのですが残念です。
 
最初の階段で僕のツアー入門では取り入れないぐらいキツいので、ツアー開催するのであればハーフマラソン2時間以内の走力があって大会でよりいい好績を目指したい人向けに少人数で開催か。
 
初心者向け講習であれば多度山に登って下りて終了ぐらいの短いボリュームにしないといけませんね。悩ましい。
 
三重県の桑名、素晴らしい土地と風景でした!