こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
仕事やケガによりレースに出れなくなってしまった。
RUNNETの新サービス「ゆずれ~る」などで、 出走権譲渡ができる大会もあることは少しは知られてきました。
しかし、それはマラソン大会の話であって多くのトレイルラン大会では、申込者本人以外の出場(代理出走)は認められていません。(マラソン大会でも代理出走を認めていない大会は多いです。)
僕が参加した台湾のトレイルランニング大会において、「申込者本人以外の出場(代理出走)違反」及び「ゼッケンをつけずに(お金を支払わずに)大会のコースを走り給水所を利用し、レースを走ったランナーがいた」ことが発覚し、主催者から「そうした事実に困惑している」と「来年以降は許されない」とメッセージが届きました。
残念なニュースです。
友だちから気軽な気持ちで代理出走を引き受けた場合のリスクや事の深刻さを考えるうえで教訓のある内容だと思い、大会主催者からのメッセージを一部抜粋、翻訳してご紹介します。
問題1。「他人のゼッケンをつけて、代理出走したランナーがいた」。
「主催者はランナーに対し運営責任があり、代理出走は危険かつほかのランナーに対しても不公平である」「主催者はランナーやボランティア全員に保険をかけている(保険適用外の代理出走者への警鐘)」と。
【コメント】
主催者の事前許可を得て、情報を届け出ているのであればわかりますが、届けなしにエントリー情報とは異なる人物が出走していれば、万が一その代理出走者が山の中で負傷したり遭難したりした場合、主催者の手元には情報はなく困り、それだけでなくボランティアやほかのランナーにまで迷惑が及ぶ可能性があります。代理出走者にはケガや遭難救助保険も適用されません。
これ、トレイルランニングだけでなくマラソンやトライアスロンにも言えます。もし今泳いでいる選手が登録情報にない代理出走者だったなら....先日のあるマラソン大会でも熱中症で倒れる人が続出しましたが身元不明者が倒れたら…参加選手、大会主催者、どちらの立場から考えてもぞくっとする怖い話です。
トレイルラン大会は、市民マラソン大会ではない。結果はITRA(国際トレイルランニング協会)に登録され、資格ポイントが付与される。
【コメント】
最近多くのトレイルラン大会がITRA(国際トレイルランニング協会)の認定レースとなっており、国際大会であるUTMFやUTMB参加のための資格ポイントが付与されます。代理出走者が完走することで、出走していないランナーに対してその資格ポイントが付与される不公平性を主催者は指摘しています。
問題2。「ゼッケンをつけずに大会主催者が用意したコースを走り、給水所を利用し、参加をしたランナーがいた」
「それも一人ではなく複数人いた。」
「ちゃんとお金を支払って参加しているランナーに対して不公平である。」
「私たちは給水所を通りがかった登山者に食事を提供するのは歓迎だが、ゼッケンをつけずにレース参加したあなたたちには違う。」
「ショートの部には今年は定員の2倍の応募がありすぐに締め切り、定員枠に漏れたランナーがゼッケンをつけずに出走していた」。今回の問題は、12kmのショートの部で起こった(ここはちょっと意外でした)、
【コメント】
応募殺到のためエントリーにできなかったランナーが参加したようです。トレイルラン大会の場合、大会当日はマーキングテープがついていますので、エントリーせずに同じコースを走ろうと思えば走れてしまいます。しかし、ボランティアさんたちからすれば、チェックポイントにゼッケンなしのランナーが通過したり、名簿に名前のないランナーが駆け込んできたりすれば困ってしまうでしょう。
まったくその通り。何のための定員なのかわかりません。大会主催者の嘆きには共感し、その通りに思います。
今回の代理出走やゼッケンなしで出走の話は、たとえを変えると「替え玉受験で大学やテストに合格した」それと同じぐらい深刻で不公平な行為であると僕は考えます。
主催者からのメッセージを読めば、「距離が短いから大丈夫」「記録計測のないゆるい大会だから大丈夫」「足の速いランナーではないのでバレない」「ポイントがつく、つかない」といったことが問題ではないことがわかります。
残念ながら、国内でも申込者本人以外の出場(代理出走)は認められていないであろうトレイルランニング大会で、「仕事やケガで行けなくなったので、仲の良いラン友に譲った」「お金がもったいないので譲った」同様の似た話を人づてに耳にすることがあります。
今回の記事を読んで、皆さまはどのようにお考えになられたでしょうか。
もし周囲にこのような友だちを目にしたらどうでしょうか。
イベントの主催者はいろいろな悩みがあり大変です。同じくイベントを主催する者として心中お察しします。
【STEP1】無料メール講座で学ぶ
【STEP2】大阪城公園での練習会やトレイルランイベントに参加する
一度、ランニングフォームを見てほしい