こんにちは。

トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

 

 

 

 

我々も2時間近い大会競技説明、注意事項を聞いたが、前日にボランティアも全員2時間近い説明を受けていた。

 

 

・100kmの制限時間は18時間、完走率は低い

モンゴリア・サンライズ・サンセット ウルトラマラソン100kmの制限時間は18時間。一般的に100kmのトレイルランレースの制限時間は22時間から30時間。100kmは野辺山に京丹後、飛騨高山などのアップダウンのあるロード100kmのウルトラマラソンを11時間半程度でゴールできる人がぎりぎり完走できるレベルだ。2017年の完走者は男女7人に留まった。

 

 

42kmの制限時間は100kmと同じ18時間

スタートからゴールまでハイキングしても12時間程度なので、つまり途中でやめさえしなければ誰もが完走でき表彰される。100kmが同じコース上で行われ運営は続いているのだから42kmの制限時間をあえて短くすることはない」という主催者の考えだ。スポーツ競技としての側面を考えれば距離別に制限時間はあった方が個人的にはいいと思うが、今大会のルールだと初心者も気軽にチャレンジできるのでよい。日ごろ何の運動経験もなしにチャレンジした人も何人かいた(かなり大変な思いはしていたが)

 

 

・参加者は100kmにエントリーしてレースの途中で42kmに距離変更できる。しかし、42kmにエントリーした場合は途中で変更はできない。

 

「走れるかどうかわからなくとももし100kmにチャレンジしたければ、100kmにエントリーしておいてください」と100kmにチャレンジしやすいルールが設けられている。たとえ65kmで関門アウトになっても、制限時間内に42kmを通過したのであればそこまでの距離を完走したことになる(なんて易しいルール設定!)。そんな易しいルールでも100kmに挑戦しようという人は少ない。日本は世界でも稀にみるウルトラマラソン大国である。日本と違い参加には慎重だ。それが普通の反応だと思う。

 

 

ランナーが一斉にスタート地点に集まる。毎日ごろごろして寝てみんな「ようやくこの日が来たか」といった風だ。

 

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スマートフォン撮影では真っ暗だが夜空にさんさんと輝く北斗七星。その脇で我が南斗の星も輝いていた。死兆星もこぼれ落ちそうになっていた。下痢に嘔吐、腹痛で絶不調。

 

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「8!7!6...」5の合図でモンゴル人ランナーが一斉に飛び出した。「フライング!」1や2で飛び出すのならわかるが、どれだけ気が早いんだ。全員スタート位置に戻り仕切り直し。

 

 

「3、2..」モンゴル人が1の合図と同時にややフライング気味にレースはスタート!モンゴル人が速い!まるで馬のような猛スピードで駆けていく。今回の参加者にはマラソンサブ3時間以内ランナーもちらほらいたがまったく追いつくことができない。先頭集団は全員17歳だった。トレイルランニングも10代後半から20代前半ぐらいまでが活躍する時代の到来を痛感した。それはさまざまな海外レースのリザルトを見ているとよくわかる。

 

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ベストシーズンはさまざまな草花が芽吹く6月~8月、大会は草花の最も美しいベストシーズンに行われる。国大会の舞台は国立公園なので定員はランナー、非ランナー含めて90人以内に制限されている。滞在日数や食事の回数が増えるとツアー参加費は高くなり(参加費は24万円)、主催者も少人数参加で運営できるので、草花のシーズンにレース開催することができる。もし日本で草花のシーズンにトレイルの大会を開催すれば今や非難ごうごうだろう。

 

誰も人に迷惑のかからないであろう広大なモンゴルの大自然の中でさえ、環境保全の観点からこの極めて少ない定員である。

 

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パンジー。(違っていたらゴメンなさい)

 

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ヨツバシオガマ。同室の日本人男性の方がワンゲル部で花に詳しかったので聞けば、モンゴルの花の多くは八ヶ岳などに生育する高山植物に近いらしい(コースの平均標高は1,600m、最高点は2,300m)。

 
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空と大地だけの世界。建物や鉄塔などの人工物はもちろん、人影さえない。ランナー渋滞も走っていて後ろからせっつかれることもない。自分のペースでのんびり歩いたり走ったりできる。「最初から最後まで1人で寂しかった」という人もいたが、何ともぜいたくな時間だ。

 
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ところどころ写真のよう馬と遊牧民スタッフがいる。緊急時には馬で搬送してくれるのだとは思うが、万が一の骨折やふらふらで体調不良の人がおじさんと一緒に馬の後ろに乗って山道を下ることができるだろうか。考えていることは参加ランナーみんな同じで「当てにしてはいけない。ここでは絶対にケガをしてはいけない。」と注意深く走る。まさにトレイルのレース参加は自己責任、自己リスク管理の世界である。

 

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トレイル上は馬の糞だらけ。絶対に転びたくない!と慎重に進む。始めは避けながら走っていたが、もう山道そのものが馬の糞なので早々とあきらめた。下痢に腹痛で走ることができず、ただでさえ胃や腸にダメージを受けている上に、下りの上下動がお腹に響いて、下りでは何度も足が止まる。

 

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気分爽快!馬の糞のダウンヒル。

 

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馬の骨とコースマーキング。よく見ていれば道に迷うことはないが、初心者は上りも下りも足元しか見ていないもの。数年前に女性ランナーがコースマーキングを見落としてあらぬ方向へ行ってしまい現在地もわからず、救助されたことがあったそうだ。

 

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こんなに踏み跡の薄いトレイルもある。国内で自分の道間違えをFacebookでネタにしているような人は注意が必要だ。参加ランナーには万が一遭難してしまった時のために水を浄化するタブレットまで配られている。「定められたコース通りに正しく走る」というのも実力だ。

 

 

日本国旗を掲げてフィニッシュ!写真では笑顔だが一瞬だけ。レース中は苦悶の表情でゴール後はそのままトイレに行き、ゲルのベッドに倒れ寝入った。100kmにチャレンジできなかったのは残念だったが42kmでも完走してよかった。ちゃんと完走して口に運ぶ料理とリタイアした時のそれとでは味に雲泥の差がある。完走して美味しい料理を食べるために走っていると言ってもいい。

 

 

僕が無事にゴールできたのはレース中に心拍数だけ見ていたからだと考えている。普段のレースであれば心拍数中ぐらいで走るが、この日は心拍数低で歩き続けていた。いわゆる脂肪をじっくり燃焼させながらの有酸素運動だ。人は心拍数低であれば、いくらでも長距離を歩いたり走ったりすることができる。

 

低心拍数の運動でほとんど歩いたためゴール後は何の筋肉痛や疲労もなかった。これは走らなかったからで、あらためてランニングは足への衝撃、負担の大きいスポーツだなと再認識できた。

 

食事は身体を受けつけないが液体物であるジェルは流しこめた。食事が摂れない分、こまめにジェルを補給したおかげで一度もハンガーノックにもならずに完走できた。

 

レース後へと続く。

 

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