こんにちは。

トレイルランナーズ大阪の安藤大です。


もし海外旅行でクレジットカードが一切使えなくなったらと考えたことはありますか?

 

僕はこれまで国際レース参加だけで19か国を訪れましたが(観光旅行を含めるとそれ以上)ミャンマーやフィリピンなどクレジットカードの普及率が低いことがあらかじめわかっている国以外では、一切現金(現地通貨)を持たず、もし海外で現金が必要になればATMでキャッシングする旅のスタイルで問題なく旅をしてきました。


これは「その国でクレジットカード一枚で旅ができるのか?」のテストチャレンジをしており3月に訪れたロシアもタクシー代以外は現金を使うことはありませんでした。今回大都市ドイツでトラブルは起きました。

 

広大で明るいドイツ・ドレスデンの河川敷。サイクリング道が整備され、犬を散歩させたり寝転がって日なたぼっこをして寝したりしている人も多かった。こんな河川敷なら走っていて気持ちがいいだろう。

 

パスポートを忘れて出国できずの次は現金がなく帰国できず?

ドレスデンでは市電(路面電車)がおもな交通手段。切符は車内に自動販売機が設置されているが使用できるのは硬貨のみ。銀行ATMで現金をクレジットカードでキャッシングしようとしたところ「Your card is not temporary available. (現在お取り扱いできません)」のメッセージ。別のカードを試しても同じ。空港に到着していくらかキャッシングしようとしたが同じエラーが出ていて所持現金0のまま今日に至っていた。


ホテルやレストランでは決済ができており暗証番号は正しくカードは機能している。限度額も問題ない。原因がわからない(結局わからず仕舞い)。カード会社に問合わせしようと考えたがドイツから国内への国際通話料金は30秒で120円もする。日本のコールセンターのつながりの悪さやたらい回しされることを考えるとためらった。

 

市内へ戻れない…

 

帰国できるかどうかも心配になってきた。硬貨がなければ電車やバスに乗れないし、タクシーも呼べない。日本円は所持しているので銀行で両替しようと立ち寄ると「日本円?受け取れません。」と断られた。ドルなら難なく受け取ってもらえただろう。ホテルにも泊まれるし、レストランで食事はできるのに交通手段が利用できない(汗)

断られた銀行の紹介でドイツ銀行でようやく現金ユーロを入手でき事なきを得た。手数料の割高さに加え日本円の両替レートの悪さに驚いたが、今の僕は1万円が5千円の価値だったとしても両替が必要だった。今後同じようなトラブル遭遇を避けるために「有事のドル」をいくらか携帯しておこうと決めた。


ドイツフライブルクフライブルクでは市民の70%以上が路面電車(トラム)を利用。交通渋滞軽減、飲酒運転防止になっている。

本『ドイツのコンパクトシティはなぜ成功するのか』によれば、ドイツのフライブルクでは、市民の70%以上が路面電車(トラム)を利用しており公共交通のカバー率は98%に及ぶそうだ。早朝5時半から深夜0時半まで路面電車とバスだけで移動でき、主婦や高齢者には便利だと好評で飲酒運転の防止にもなっている、65歳以上の高齢者の割合が今後さらに高まる日本においてこうした社会整備は必要に感じた。

 

一方で日本はどうか?

 

ランナーの皆さんはマラソンレース完走後などに痛感された方もいると思う。日本ではやたらと地下を上り下りさせられたり、それは仕方ないとしてもエスカレーターは設置されていなかったり、障害者や高齢者の立場に立てばバリアフリーにはまだ遠く不便さを感じることは多い。


日本では郊外に行けば移動に車は必須。飲食店は郊外型のチェーン系居酒屋の割合が増え、そこへアルコールを飲む人の割合の減少に加え、飲酒運転の取り締まり強化による居酒屋経営不振。飲食業界だけが対策を考えても限界があり、ドイツのように路面電車を設けて車を使わずとも気軽に外食を楽しめるようにすれば、日本の外食産業の活況化や飲酒運転事故の減少にも繋がるのにと思う。言うは易し行うは難しでいろいろと障害はあるだろう。

 

ドイツでは桜が満開だったが桜を見て立ち止まったり花見をしたりする人はいなかった。桜を見て「美しい」と感じ木の下で宴を楽しむのは日本人の心かもしれない。

「なぜ花見をする人がいないのか?」そう考えていて足元を見たら桜の散り方が日本とは微妙に違った。花ごとぼとっと落ちてしまっているものもあり「散り方が美しくない。」やっぱり散り方が大事だと感じた。咲いている花そのものではなく散りゆく様子にわれわれは美しさと儚さを感じているのかもしれない。


 

階段はもう一段も登りたくない!7万階段上り下りした後では…

 

 

「フラウエン教会」ドレスデンで最も美しい教会だった。教会前でパントマイムパフォーマンスしてる男性がいた。エルヴィス・プレスリーの服装で全身を銅像色に塗りずーっと動かない。そこへ二人組の女性観光客が撮影しに来た。一人が撮影のために男性の肩に顔を乗せ、近づきすぎに不快感を示したのか動かないはずのパフォーマーが突然動き出し、女性は「きゃあ!」と悲鳴をあげて去っていった。いたずらをする人もいるだろうし、動かないパフォーマーの仕事の大変さを垣間見た。

 

 

「君主の行列」この壁すべて約2万5,000枚の高級磁器で有名なマイセン焼きのタイルで描かれている。写真を撮影する大勢の観光客がいた。

 

 

ザクセン王の居城「レジデンツ宮殿」。金銀、宝石、琥珀などをふんだんにちりばめた宝物館や武器展示室などがあり訪問を楽しみにしていたが僕の訪れた日は週に一度の全館休館日。旅では優先順位づけをしっかりしておかないとこうなる。

 

 

「ツヴィンガー宮殿」のアルテ・マイスター絵画館へ。1513年作ラファエロの「システィーナのマドンナ」は神々しかった。ほかフェルメールやレンブラントなどヨーロッパの古典絵画がずらりと並ぶ。日本語音声ガイド端末も貸し出しされて楽しめる。

 

 

ここは日本で言えば神戸のヴィーナスブリッジのような場所だ。

 

 

犬も普通に入店できるドイツのショッピングセンター。

 

 

「インビス/Imbiss」と呼ばれる、ソーセージホッドドッグ専門店。

 

 

「もし引退をしたら移動販売のホットドッグ専門店をやろう!(本気で決めた)」そう考えたほど美味かった。日本のそれとはボリューム感やパリパリの食感が別物。「ホットドッグ!」と叫べば子どもから大人まで誰が聞いても何かとわかるし、ベーカリーやコンビニ総菜パンの棚をイメージして欲しい。ソーセージパンは永遠のベストセラーである。一方周辺のホットドッグ専門店は同じものを提供しているにも関わらず閑古鳥がないていたので、やはり打ち出し方は大事である。

 

 

ケチャップやマスタードはポンプ式の機械でかけ放題。これもユニークで楽しい。

 

ドイツ帰国日直前にしてようやくドイツ料理にありつく

ディナー。「今日こそはドイツ料理を食べよう!」帰国する直前にしてようやくドイツ料理にありつくことができた。しかし旅行者のバイブル「地球の歩き方」に掲載されたドイツメニュー写真を見せても「どれもうちの店にはないね」と多くのお店でないと言われた。外国人が日本へ来て「本格的な和食が食べたい」と話しても探すのに苦労する気持ちがわかった。

 

 

ドイツソーセージとジャガイモのポタージュスープ。

 

 

コラーゲンたっぷりの豚の足の丸焼き。「ステーキ以外で一番ボリュームのある料理を注文したい」と話したらこれが出てきた(笑)豚足を丸ごと煮込んでから焼いたようなドイツ料理。

 

ほかドイツのドレスデンでは「フォルクスワーゲンの工場見学」や電車で約30分で「ヨーロッパの高級磁器、マイセン磁器ができるまでの過程を見学」できる施設もある。ヨーロッパへ来て「干し草の部屋に泊まり今度は古城ホテルに泊まろう」と人生の100のリストに新たに書き加えた。

 

エベレスト階段マラソンレース:ドイツ編、完結。

 

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