こんにちは。安藤です。


今日のランナーズストーリーを
お届けします。

彼女が打ち明けた走る理由”とは…

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今日の話は、2014年8月に1週間のヨーロッパランニング合宿に行ったときの話です。

その合宿では、毎朝6時に起きて、5kmのクロスカントリー走。自由参加ですが、みんな走ることを目的に来ていますから、毎朝全員参加で、やる気も満々です。


早朝で、ジョギングかと思えば、彼ら彼女らののんびりペースはキロ5分ぐらい。男女、年齢関係なく、みんな結構なペースで走ります。


これまで数多くの国へ行き、市街地を走る海外のランナーの傾向として、みんなペースランが速いんですね。朝だからとぼーっとしていると、置いてかれます(笑)


ラン後は、補強トレーニング。


海辺の砂浜に移動し、100メートル往復ダッシュ10本。高校の部活動を思い出しました。(笑)リレーでビリになった最下位3人は腕たて伏せにスクワットです。


ようやく、朝食。


その日のトレイルランツアーがはじまります。さすがの僕もへとへとです。


そんなハードな毎日を平然とこなす、1人の女性ランナーがいました。75歳で、名前はカレンさんと言います。


カレンさんは、70歳を超え、「遅い人が罰ゲーム」ルールでは当然ながらビリになり、毎回腕立てにスクワットになります。(僕はこのトレーニングには問題があると思っています)


腕立てを必ずこなさなくてもよいのですが、カレンさんはすべてこなしました。


「(何が彼女をそこまでさせるのだろう?)」


そこで、僕が「大丈夫ですか?」と尋ねたら、「疲れてないわ!あなたは?」って、逆に聞き返されたんですね。驚きました。


僕は、正直に「Im tired.(疲れました)」と答えました。情けないです。


トレイルランの急勾配では、「アメイジング(ありえない)!」そのハードさに驚きつつ、最後尾を必死に走っていました。(冒頭の朝の練習をこなした後です)


1週間の合宿も残りわずかとなり、みんなともお別れです。そこで、10kmのショートトレイルレースがありました。そのカレンさんが最終走者として、ゴールに帰って来ました。


泣きながら。その理由とは...


「起伏のある山道を走ることは
 これまでの挑戦でもっともキツく、
 色んな思いがこみ上げてきて...涙」

こんな話があるでしょうか。

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夕食の席で、カレンさんが話をしてくれました。その過去を知り、僕らは1週間を振り返り、カレンさんのこの合宿での走り、さらに過去の走りに遡ってまで考えてしまいました。


20代の頃は200m、400mでメダルも数多く獲った、短距離走者だったんだそうです。



ところが、ある日。


カレンさんに、人生を変える
出来事が起こりました。


25歳の結婚式の一週間前に、
旦那さんを交通事故で亡くしたのです。


「そこから、私の本当のランニング
人生がはじまったの。」


それからカレンさんは何かに取りつかれるかのように、一心不乱に走り続けました。


そして、現在まで未婚。75歳ですから、実に50年以上走り続けていることになります。



今回の合宿は人生チャレンジとして、自分でネットで探しエントリーし、単身カナダから北欧まで旅してきたんだそうです。


元短距離走者としてのプライド、
あきらめずに走り続ける心。


100人のランナーがいれば、それぞれに走る理由があると言いますが、
カレンさんの真実を聞いて、僕らはショックを隠せませんでした。


「愛はあまりにも短く、忘れるにはかくも長い時間がかかる。」
ー詩人 パブロ・ネルーダ


今日の話を知らせていただき、快くシェア承諾してくれたことに感謝します。

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