トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

The North Face Singapore100kmレースレポートの《前編》です。

結果は…
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45kmでレース終了しました。

格闘技に例えれば、

「終始互角に戦いながらも、1R終了間際に足関節を極められて、タップアウト。」

そんなレース展開でしょうか。

13位を走っていたのですが、(折り返しで前にわかるため)悪寒が走り、足元がふらついてきたことに、熱中症の一歩手前と判断。しばらくペースを落とし様子を見たものの、陽が高く昇り、これ以上気温が上がる前にドロップを決めました。

1時間置きに炎熱サプリを摂取。こまめに水分補給をし、頭に水をかけながら、オーバーヒートはペースで調整していたのですが、それでもこの結果に。未体験の高温多湿さでした。街中を歩いたり、ジョギングする分には何ら問題ありませんが、長距離レースとなれば別でした。

わかってはいたのですが、僕が暑さに弱すぎました。12月の香港100kmには出場しますが、来年のレース計画を大きく見直さなければなりません。

ブログを書いている今も頭痛があるため、悔しいですが、正しい判断をしたと思います。救急車で運ばれている人や点滴を受けている人もいたので。

一番の失敗は?
エントリー距離選択のミスでしょう(苦笑)大会名通り、100kmのアジアシリーズ戦。100kmは特別で、その舞台でチャレンジしたいというこだわり。より長く海外の景色を楽しめるワクワク感。

けれどもこの大会は、50kmが適切だったと思います(笑)

以下より、レースレポートです。

◆想定外
前日受付だったので、当日はスタートラインに並ぶだけだろう。」スタートの4時まで十分な睡眠と準備時間があると思っていましたが、前日のメールで「集合は午前2時半」とあり、計画が変わりました。
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◆集合からスタートまで
会場に到着すると必携品のチェック。ヘッドライトから携帯、お金、コースマップ、特に水は厳しくチェックされました。(のちに今回の大会では、水が切れたら本当に大変なことになると実感します。)
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◆荷物の預け入れミス
会場で荷物を預けた。「ここで預けた荷物はゴールまで送ってもらえるんですね?」「…はい。」英語の通じるシンガポールで、ボランティアの多くはなぜか英語が片言であった。

本当はバスで移動後のスタート地点に預け入れるのが正解だった。棚に丁寧に僕のゼッケン番号と名前まで記載されていたので、預け入れてしまった。

ゴールに荷物はなかった。「は?バスに乗って初めの場所に戻らないとないよ。」話が違う。「シャトルバスはいつ来る?」「ある程度みんなゴールしてからバスは出発するから、このペースだと夕方…6時間後かな。」「優勝者や早くゴールした選手はみんな何時間も待つの?」「そうだね。」

結局ドロップした後、着替えたり汗を拭くこともできず、僕はテントで6時間、トップ選手からすべて見届けることになった。悔しさはこれ以上なく味わえた…
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◆号砲!
朝4時。すでにこの時間帯から蒸し暑く、大量の汗が噴き出します。ちょうど日本の夏の寝苦しい夜のよう。パンツが汗の重みで脱げ落ちそうなほどドボドボに。上はファイントラックのパワーメッシュをインナーに着ていたので快適だったものの、そうでなければ相当不快だったことでしょう。
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◆スタートから20kmまで
信越五岳の灼熱の区間パートのような区間12kmを往復。スタートは日ごろ走っている河川敷を20kmゆっくり朝ランだと言い聞かせていた。キロ5分半をキープ、自然と5位に。すぐ後ろを何人ものランナーの明かりが連なります。これぐらいのペースだとついてくるのは、易しいでしょう。

後続の選手に「僕らいいペースで走ってるね。でもちょっと速いかなと思う。」話しかけると、「同感。このペースを維持できれば、優勝だろうね(笑)」みんな、お互いに牽制し合い。

トップ3人はキロ5分ペース。まだ見える位置にいる。世界中からトップ選手が集うウルトラトレイル・ワールドツアーの大会と比べるとそれほど速いペースではありません。(世界戦は100kmでもハーフマラソンのようなハイペースです。)ただ高低図や累積標高差は未発表で、後半どんなコースが待ち構えているかわからないため、抑えました。

10kmあたりで吐き気を催したので、すでにこの時、体調には変化があったのかもしれません。
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◆シンガポールのトレイルの魅力は?
シンガポールには山はないため、舞台は国立公園内。森はジャングルさながらで、さまざまな鳥や野生動物の声を聞きながら進みます。

◆コース目印
昨年は日本人選手5人以上がミスコースで失格となりました。昨年から大会運営は改善されたのか、スタッフも200名近く動員され(ウルトラの大会でこれは非常に多いと思います)、誘導員も配置され、迷うことはありませんでした。分岐では上の写真のように大きな標識がありました。

◆トレイルサーフェス
国立公園と聞いたので地面は腐葉土、落ち葉ふかふかのトレイルを想像していたのですが、想像に反して固く、香港トレイルのようでした。昨年のコースは柔らかかったそうですが、今年はコース変更でよりキツくなったとのこと。

◆コースについて
ランニング初心者でもまったくもって走れるコース。歩いたり、休憩したりするところが一切見当たらない。つまりは、非常に厳しいコース。 

京丹後ウルトラマラソン100kmや真夏の奥武蔵ウルトラマラソンが好きな方には、向いていると思います。

後編に続く