トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

ペトラ砂漠フルマラソン2014。

フィニッシュシーン。
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・スタート
マラソンの大会に必殺技や一発逆転はない。トレイルのレースとは違って、フルマラソンである以上、先頭グループにいずして優勝はありえません。
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・スタートから7km
同じi-nov8のシューズを履いた男性と楽しく会話をしながら走ります。ところが途中で、「僕はハーフ部門だよ。一緒に競う相手ではないよ。」ハーフマラソンとフルマラソンは。同時スタート。どうやら知らずにハーフのトップ選手と一緒に走ってきたことに気づきます。それでもオーバーペースではなかったので、そのまま走ります。5月の万里の長城フルマラソンでもハーフの優勝選手と10kmすぎまでは同じペースでした。(アドベンチャーマラソンのフルにチャレンジし優勝するような選手は、ハーフの選手よりハーフ通過時のタイムが速いことが多いです。)7km地点でフルとハーフでコースは分かれ、この選手ともお別れ。寂しい。ここからゴールまで一人旅になります。
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・7kmから13km
8kmを過ぎて、ようやくトレイル(砂漠)に入ったところで野犬に遭遇します。ヨルダンでは馬やラクダは車並みに高価で、それを守る番犬がいます。事前に、「吠えるけれども噛まないから大丈夫。歩いて通過してください。」説明を受けていましたが、牙を剥いて吠えています。香港トレイルでの野犬はただ歩いているだけでしたが、こちらは僕に向かってき、本気で怖いです。道の両脇に馬がいて、ちょうどそこを通過するようになっているのです。
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「馬やラクダなんて盗まないから!」

立ち往生。後ろから選手が来るなど気にする余裕もありませんでした。「(咬まれたら、記録更新どころではないな…)」犬に通用するかどうかわかりませんでしたが、両手を挙げて、そろりと通過をし、事ななきを得ました。タイムロス。
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・13kmから22km
この区間はドライブウェイ。ほとんど平地はないと思うぐらい、平均傾斜10%から12%のアップダウンが続きます。京都マラソンの狐坂や南港大橋の坂道よりキツめと言えば、わかりやすいでしょうか。
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・22km
折り返し。ここでリストバンドを受け取ります。(ゴール後に身につけていないと失格)アドベンチャーマラソンで大会新を狙うにはどれだけ気温やアップダウンが厳しくても、ハーフ通過時のタイムが1時間40分以内でなければなりません。ところが、この時点で大きくオーバーしていました。「スタートはジョグ、野犬で立ち往生のロスもあるし当然か。」と思いつつも、先を急ぎます。日も登り、日差しが激しさを増します。

折り返しのため、後続のランナー一人一人と距離確認ができました。さすが海外選手はメンタル強く、みんな力強い走りで焦りました。

・30km地点
エイドスタッフに「You are the TOP! Amazing speed!!」褒められ、ここで「Thank you!!」とでも返して自分を鼓舞すればよかったのでしょうが、走りに満足していなかったので、「そうでもない。」と返事してしまいました。

トレイルランでの経験が生きました。一部バナナエイドを除き、水しかないため、エネルギー食の携帯は選手に委ねられます。塩分・電解質補給を怠って脹脛を攣ったり、後半失速する選手が出てきました。

・35km地点
坂道を走りながら、時折後ろを度々振り返り、ここで優勝は確信。ほっと胸を撫で下ろす。あとはコースレコードに少しでも近づきたい。人生の長さからすれば、このフルマラソンを走っている時間、苦しみなんてわずかなもの。

「苦しみは一瞬、輝きは一生。」

完結編に続く。