トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
RUN+TRAIL8
RUN+TRAIL8

今日の一冊は、「RUN+TRAIL8」の最新号。

表紙はライアン・サンデス(南アフリカ/サロモン)。ランナーとして、おそらく唯一のレッドブル契約アスリート。それだけチャレンジングで、エネルギッシュな選手だということですね。ルックスよし、恋人(奥さん?)はスーパーモデル。今年のUTMF出場で一躍ファンを獲得しました。原さんと同じく、もっと前からよく知られた選手なのですが…

特集は、UTMFのために来日した海外選手に徹底取材したもの。特に面白いのは、「世界トップランナーの練習&技」。世界のトップランナーが月にどれぐらい練習しているのか?どんなトレーニングをしているのか?は、非常に興味のあるところでしょう。共通点はどの選手もスキーや水泳、バイクなどのクロストレーニングを取り入れていること、なるべくランニングだけに偏らないよう、同じ動きの負荷が増えすぎないようメニュー調整していることなどが挙げられます。UTMFはロード区間も多いので、ロード練習も強化したという選手もいましたね。

Inov-8契約アスリートである、ブレンダン・デイビス選手とショーナ・ステファンソン選手の“走りの違い”は面白いです。ブレンダン選手は、登りは大股で歩くというのは知りませんでした。ショーナ選手は走りよりも、雨でも気温一桁でもブラトップ一枚で、お腹丸出しの姿にいつもびっくりします。サイクロンで雨風強い中でも、お腹丸出しでしたし。僕などお腹が弱いので、トイレに駆け込むこと必死です(苦笑)

写真を見ていつも思うことですが、石川弘樹さんのランニングフォームは本当に特徴的ですね。腕の振りに正解はありませんが、一種独特というか。脇を開き気味に、肘を横に振っていますね。これだと胸が開き、呼吸は楽になりますね。上りでもしっかりした姿勢を保てるのでは。トレイルラン経験の中で自然と見出されたフォームではないかと思います。

ほか、セバスチャン選手が「レース一週間前は日本食しか摂取しません」大の日本食好きであることなど、選手のプライベート情報も。

特に心を響いたのは、セバスチャン選手の言葉。「参加決意はいいことなんですが、“カラダができるまでには時間がかかる”ということ。4~5年が目安。レース出場を目指して2年ほどで40km、80kmと走りこむランナーを見てきましたが、走るためのカラダ作りには時間がかかり、レース出場を果たしても競技を長く続けることが難しくなってしまいます。」

僕のまわりでもこんな人います。トレイルのウルトラをロードのそれと同じように勘違いしてしまう。トレラン歴1年や2年のボクシングで言えば、4回戦や6回戦ボクサーがいきなり世界戦に挑んでしまう。

結果、重故障者入りする人を沢山見てきました。半年も長い人では一年間も静養に。「無理しましたね」と指摘すると、ぷいっとどこかへ行ってしまう。その選手に才能があるから、競技を長く続けて欲しいから話しているんですけれど、残念な思うこともあります。こういう人は回復すると、また故障してしまう。たとえ僕の声は聞かなくていいので、カラダの声を聞いて欲しいですね。

これからおんたけスカイに出場される皆さまは、十分なウルトラレースですからね。しっかりと準備とトレーニングをして臨んでいただきたいです。

鏑木さんの名言も心に響く、読みごたえのある一冊になっています!

RUN+TRAIL8
RUN+TRAIL8


◆本著より
参加決意はいいことなんですが、“カラダができるまでには時間がかかる”ということ。4~5年がメゾン目安。レース出場を目指して2年ほどで40km、80kmと走りこむランナーを見てきましたが、走るためのカラダ作りには時間がかかり、レース出場を果たしても競技を長く続けることが難しくなってしまいます。

登りは練習さえすれば力がついてきます。ーセバスチャン・セニョー

レース後にすぐやるべきことは外側からのケアではなく、アミノ酸を多く摂取して身体の内側から筋肉を修復すること。

自転車はケガの怖れなく効率的に大腿四頭筋肉を鍛えることができる。ートーマス・ロルブランシェ

距離が40kmぐらいしかないレースでも、そのコースが非常にハードで前に進むことが容易てはなかったら、それはロングレースと呼ぶべきでしょう。ーイケル・カレラ

“つらいから”、また“情けないから”とリタイアすることはウルトラトレイルのトップ選手としては自殺行為に等しい。ー鏑木毅