ランナーの皆さま、こんにちは!トレイルランガイドの安藤大です。トレイルランニングは突きつめていくと、歩きの技術が大切だと気づきます。いかに無駄なく、人より速く歩き続けるか。ですが走りのテクニックにばかり重きが置かれて、歩きについて書かれた本はあまりありません。本日の一冊、


ナンバ歩きの秘訣―脳と身体を同時に鍛える日本人の伝統的しぐさの基本

私は現在、マラソンやトレイルランニングにおけるナンバ歩きを研究・自らも実践しています。元をれば、敬愛する、58歳と59歳でトレイルランニングの世界大会で優勝した、イタリアのマルコ・オルモ選手の歩き方や走り方について、突き詰めていったところナンバ歩きに辿り着いた、という順番です。マルコ選手は、ナンバ歩きを理解した上で実践しているわけではないと思います。30年以上ものランニング歴と60歳を超えた今も優勝を狙う執念が生み出した、匠の技でしょう。

私はナンバ歩きを取り入れたことで、走りも歩きも楽になり(特に上りトレイルに効果大)、同じエネルギーでより速く、長く走れるようになり(ウルトラマラソンレースに効果大)、ようやく自分の中で腑に落ちつつあります。「自らが実践できず、人にうまく伝えられないものは、伝えるべきにあらず。」がモットーで、これまで講習では行ってきませんでしたが、ようやく伝えられそうです。

さて、最近ではあるスポーツ整骨院の先生が、「ナンバ歩きを学びたいならトレイルランナーズ大阪さんへ行っておいで。」と薦めて下っているそうです。びっくりしました。

◆本著より
著者は歩きを研究し続け、2,000年の「歩行道」普及協会まで設立し、自らナンバで歩きながら、講演や普及活動も行っている、大黒屋 宏芳氏。本著は「ナンバ歩きのテクニック」というよりは、「日本のナンバ歩きのルーツ」「ナンバ歩きの効能」の重きをおいた内容。成人病の予防、肥満の解消、心臓病、肝臓病、糖尿病などの予防と改善、若返り、持久力の向上、ストレス解消にまでいいと著者はいいます。

特に面白かったのは、「右脳、左脳の働きにおいて、日本人は西洋人に比べて独特の働きがある。」という話。日本人は、自然音の雨、風邪、海や川の波、水野音、動物の鳴き声など、雑音として処理する者を、琴や三味線の音楽と同じように言語の脳で聞いている。これがわびさびの世界、俳句や和歌を楽しむ感性もここに基礎があったわけです。

本著を読んで思いついたのが、「ひょっとしてナンバ歩きってトレイルの下りにも生かせるのでは?」という点。上り上り、平地にばかり気がいっていました。生かしたらどうなるのって?膝へへのダメージが格段に減ります。多くのランナーがトレイルの下りで膝をいわしています。その軽減にもつながるでしょうね。ちょっと研究してみたいと思います。

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