【読むパワーポイント(10)】 「プレゼンター」を活かす方法
前に書いた『読むパワーポイント(8)』では、「配付資料」をスライドプレゼンに
活かす方法をご紹介しました。
今回は、「プレゼンター」を活かしたスライドプレゼンの方法をお話しします。
スライドプレゼンの場合、オーディエンスの多くはプレゼンターではなく
スライドを観ています。
そして、スライド内の要素が多いほど、オーディエンスはプレゼンターの
話から耳を遠ざけ、目でスライドの要素を好き勝手に読んだり眺めたりします。
では、逆にプレゼンターに注目させ、かつ、プレゼンターを引き立たせ、
印象に残るプレゼンにするにはどうすればよいか?
答えはこちら。
『スライドには「キーワード」か「ビジュアル」しか使わない』
たとえば、こんな感じです。
スライド1:「97%」の文字
スライド2:「椅子」の写真
スライド3:「ゾウの群れ」の写真
スライド4:「三島と太宰」の文字
スライド5:「700年前」の文字
スライド6:「空っぽの冷蔵庫」の写真
……
いかがでしょうか?
スライドだけでは何のことかさっぱりわからないでしょう?
そう、そういうことです。
オーディエンスはプレゼンターの話を聴くしかないのです。
そして、スピーカーだけで行われる講演とは違い、
スライドを使うことでオーディエンスに強烈な「印象」を与えることができます。
まずはオーディエンスの頭のなかに「?」をつくる。
オーディエンスはその答えが知りたくて、まるで謎解きに参加するような
ワクワクした気持ちで、プレゼンターのスピーチに聴き入るでしょう。
プレゼンの具体的なつくりかたは、以下のとおりです。
1)スピーチ原稿をつくる
→「口語」で書くことがポイント
2)セクションごとのキーワードを決める
→キーワードは、セクションの終わりあたりに登場する言葉を選ぶ
3)キーワードを「文字」として使うか「ビジュアル」にするかを決める
→「どちらが相手にとって印象的か?」を画策
4)スライドをつくる
→アニメーション効果は不要。画面切り替え効果は「フェード」にする
5)ひたすら練習してブラッシュアップ
→キーワードやビジュアルの変更も考える
注意すべきは、「キーワード≠答え」であること。
まずはオーディエンスに「なんだろう?」と思わせる。
そのキーワードに結びつく答えは、口頭で述べるだけで焼き付きます。
また、ビジュアルに「写真」を使う場合は、トリミングをして
スライド全面に表示させると、よりインパクトが出ます。
すべてを「キーワードだけ」「ビジュアルだけ」で組み立てても
おもしろいかもしれませんね。
みなさん、ぜひお試しください。