【読むパワーポイント(3)】 プレゼンは『予告編』
読むパワーポイント(3)
プレゼンは『予告編』
プレゼンテーションは、ズバリ、『予告編』です。
そう、映画やテレビ番組の予告編と同じ。
では、『予告編』とは何か?
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【予告編】
映画・テレビなどで,宣伝のために前もって見せ場を編集したもの。
※出典:「スーパー大辞林3.0 (C) Sanseido Co.,Ltd. 2010」より
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予告編とは、「宣伝のために前もって“見せ場を編集したもの”」。
すなわち、「本編の見せ場を編集」し、「本編へ誘導する」役割のものです。
たとえば、映画の予告編を観た人に、「あ、この映画、観たい!」と思わせ、
実際に映画館に足を運ばせ、お金を払ってもらい、映画を観てもらえれば、
その予告編は“成功”といえます。
プレゼンもまったく同じ。本編(製品の購入やサービスの導入、意図する行動など)
へとオーディエンスを誘導し、動かすことがプレゼンの役割であり成功なのです。
そう考えてみると、プレゼンに使うパワーポイントスライドの内容やつくりかたも
変わってくるでしょう。
まず、内容面では、「相手のメリット」という要素が構成の上で重要になってきます。
相手がそのプレゼン(=予告編)に接して、「自分にとって有益だ」と思わせることが
プレゼンの構成の中心となってきます。
楽になるのか?
効率がアップするのか?
儲かるのか?
安心できるのか?
有利なスキルが身につくのか?
地球の問題を解決できるのか?
ラグジュアリーな気分になれるのか?
ただただおもしろいのか?
etcetcetc......
このようなメリットを“明確”かつ“端的”に打ち出すことが不可欠です。
逆に、詳細な説明は不要です。予告編ですべてを語ってしまっては、
だれも本編へ動いてはくれないでしょう。
そもそも、短いプレゼンですべてを語ることは不可能であり、
無理に詰め込んだプレゼンは必ずや「Death by PowerPoint」を引き起こします。
つまり、「伝わらないプレゼン」になってしまうのです。
また、プレゼン=予告編と考えれば、“パッと見て興味を惹く”ような
パワーポイントスライド(=見せ方)が求められます。
予告編を興味を持って観てもらえなければ、本編につながることはないからです。
映画の予告編を頭に思い浮かべてください。
アクション。
SF。
サスペンス。
コメディ。
ラブロマンス。
ホラー。
ヒューマンドラマ。
ドキュメンタリー。
etcetcetc......
映画にはそのジャンルに応じた“トーン&マナー”があります。
トーン&マナーとは、「雰囲気」や「スタイル」のことです。
アクション映画なら、見所である派手なアクションと、それを盛り立てるための
静的なシーンが予告編に使われるでしょう。
そんな雰囲気のことをトーン&マナー(略して「トンマナ」)と言います。
プレゼンのパワーポイントスライドにも、伝えたいことの雰囲気に合った、
伝えたいことを盛り上げるようなトンマナが必要です。
『相手のメリットを、相手にしっくりとくるトンマナで観せる』
簡単に言えば、こんなプレゼンのスライドが、理想ですね。
映画やテレビ番組の予告編をたくさん観れば、
スライドの観せかたのヒントがきっと見つかりますよ。