【読むパワーポイント(1)】プレゼンスライドを刷新するたった一つの方法 | パワポ部

【読むパワーポイント(1)】プレゼンスライドを刷新するたった一つの方法

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いずれまとめようと思っていましたが、
一向にまとめないので、
まとめず小出しにしていきます。
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読むパワーポイント(1)

プレゼンスライドを刷新する
たった一つの方法




ご覧のように、僕はプレゼンスライドが大好きです。

「プレゼンではスライドばかり観ず、オーディエンスを観て話すこと」

と世間ではよく言われますが、僕はスライドが大好きなので、

プレゼン中もついついスライドばかり観てしまいます。

観るだけでなく、つくるのも好きです。

「次はどんな表現にしようかなあ」なんて企みながら

スライドに向き合うわくわく感。

プレゼンの目的が「相手を動かすこと」ではなく、

「相手を驚かすこと」にすり替わっていることもしばしばです。

そんなスライド好きの僕が発見した、プレゼンスライドを刷新する

たった一つの方法をご紹介しましょう。



では早速。

プレゼンスライドを刷新する方法とは、ズバリ、


スライドはプレゼンをしながらつくる!


ということ。

スライドウェアは問いません。パワーポイント。キーノート。プレジー。なんでも。

そのスライドウェアの制作画面を開いた状態で、プレゼンの現場にいる自分を想像し、

実際に台詞を口にし、ジェスチャーを交えながら、スライドをつくっていきます。

(あ、言い遅れましたが、これはあくまでもスライド制作段階のメソッドであり、

プレゼンテーションのシナリオはある程度完成していることが前提です)


具体的にはこんな感じです。文中の「(Enter)」は、スライドを進めることを意味します。



~~~~~~~~

プレゼン会場に入ると、スクリーンにはすでに《スタンバイスライド》が映し出されている。

これは、スライドの中央にロゴだけが光っているような感じにしようか。

まず最初はご挨拶。

「では、そろそろはじめさせていただきます。このたびはご多用のところ……」

(Enter)

ここで《タイトルスライド》を表示。

「本日のプレゼンテーション、テーマはこちら……

 ……××を○○にする方法についてお話しさせていただきます」

“××を○○”の部分は、タイミングを合わせて強調表示してみてはどうか?

スライドショーで確認。お、なかなかいい感じ。ジェスチャーも合わせてみよう。

次。

「……まずはこちらをご覧ください」

(Enter)

ここでガツン!と《つかみのスライド》。△△の写真を全面表示してみる。

「これ、なんの写真だかおわかりですか?……」

「実はこれ、□□が○○しているところの写真なんです」

(Enter)

「□□の○○シーン」というテロップがズームアウトで登場。

……

~~~~~~~~



このように、まさにいまプレゼンをしている!、というイメージで

スライドをつくっていくのです。

プレゼンとスライド制作を並行することよって、

「プレゼンと一体化したスライド」ができあがります。

また、やってみるとわかりますが、

「この流れだと、ここでデータをドン!と出したい」

「このキーワードは最初から表示させずに、セリフに合わせて登場させよう」

「このあたりは、トントントン!と、リズミカルに進めていきたい」

なんてふうに、具体的な見せ方のアイデアがわいてきます。

同時に、プレゼンの“間(ま)”というものがとても気になってきます。

そう、“間”。

これがプレゼンの善し悪しを決する大きなポイントとなります。

一般的にもっちゃりしたプレゼンは、“間が悪いプレゼン”になっています。

実際の間を考えずに、PCの画面内だけでスライドをつくっていると、

まさに“間の抜けたプレゼン”になってしまうのです。

こうも言えます。

「絵面の見栄えが良いスライドでも、間を考慮していないスライドだと、

間抜けなプレゼンになってしまう」

プレゼンの間を織り込み、プレゼンと一体化するスライド。

それは、プレゼンをガラリと変えてくれます。

そう、スライドはプレゼンの頼もしい味方になるのです。



さて、この「スライドはプレゼンをしながらつくる」という方法の実践には、

3つの意識すべきポイントがあります。

以下、簡単に解説していきましょう。



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【ポイント1】
オーディエンス視点を忘れない
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スライドは“プレゼンターの立場”でつくっていくわけですが、

発想はあくまでも“オーディエンスの視点”で組み立てていきます。

「何を見せたいか?」は、

「オーディエンスは何を見たいか?」を考えて決めます。

「どのように見せたいか?」は、

「オーディエンスはどのように見たいか?」を考えて決めます。

常にオーディエンスの視点を持つことによって、

スライドの内容が明確になっていきます。


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【ポイント2】
“アニメ待ち”を避ける
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“アニメ待ち”とは何か?

それは、オブジェクトのアニメーション効果が終了するまで、

プレゼンターがプレゼンの進行を待っている状態です。

みなさん、きっと心当たりがあることでしょう。

これまでに見たプレゼンでも、おそらく自分のプレゼンでも。

「アニメーションはできるだけ使わないように!」

と世の中的にアニメーションが非難されるのは、

主にこの「アニメ待ち」が原因となっています。

アニメ待ちが発生した時点で、そのアニメーションに意味はなくなるのです。

アニメ待ちの具体的な回避方法は、

「アニメーションの速度をアップする」こと。

初期設定の「倍」ほどの速度を設定すれば、

オブジェクトをテンポよくアニメーション表示できます。

ちなみに、アニメーション設定の理想は

「アニメーションであると意識されないこと」。

プレゼンの流れを止めず、オーディエンスの理解をサポートする

自然なアニメーション設定を心がけましょう。


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【ポイント3】
スライドを分ける
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スライドプレゼンの場合、企画書プレゼンと違って、

スライド枚数を気にする必要はありません。

区切りのいいところまでを1枚のスライドにおさめなくてもいいのです。

ひとつの話題を何枚かのスライドに分割しても、

工夫次第でつながりのある見せ方にできます。

惜しみなくスライドを使いましょう。

スライドをどんどん分けて、テンポよくプレゼンを進めましょう。

詰め込みすぎや小さい文字は厳禁です。

見やすい大きさで表示して、伝わりやすいプレゼンを目指しましょう。



以上、プレゼンスライドを刷新する方法と、その3つの留意点をご紹介しました。

プレゼンしながらスライドをつくる。

だまされたと思ってやってみてください。

スライドのみならず、プレゼンも大きく刷新されますよ。

スライドをつくっている間、ずっとプレゼンの予行演習をしているわけですから。