【伝説のプレゼン】「公共のデザイン」と思って下さい。

プレゼンから生まれる“パワー”を初めて実感したプレゼン。
NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』2004年12月7日放送、
プロダクトデザイナー・深澤直人さん「デザインで心をつかむ」。
YouTubeにアッブされているのを見つけたので、記事にしてみました。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』ーーデザインで心をつかむ
プレゼンの冒頭、こう切り出します。
「公共のデザイン」と思って下さい。

やられました、このメッセージ。
場の空気が一瞬にして変わります。
公共のデザイン。これ、いわゆる“シャチハタ”ーーハンコのデザインのこと。
確かにシャチハタの“あのハンコ”って、ホチキスやセロテープ、サランラップ、バンドエイド、ウォシュレット、タッパーと同様に、すでに商品名が
一般名刺化
しちゃってますよね。
それを深澤氏は
「公共物」
と位置づけたわけです。
このコンセプト、そして、
「~と思って下さい。」
というリクエスト。
のっけにこれやられると、もう「参りましたっ!、、」って感じです。

「会社のためでなく、社会のためのデザインを起こそうとお思いいただいたほうがいい」

「伝統は継承しつつ、新しいことをしてください」
「公共のデザイン」というコンセプトが頑強であるがゆえに、ここまでガツンと言い切れるわけですね。
そして説得力が違います。
プレゼンのメッセージは、このような強い言葉で組み立てたいものです。

深澤氏は、新しくデザインしたハンコのモックアップを取り出し、プレゼンを続けます。
実物を見せ、それを会場のオーディエンスにも触らせます。
実物。
これは強い。
「指や手の形を製品に取り入れる」という提案。
いわゆる“アフォーダンス”を意識したデザイン。
それを納得して受け入れてもらうためには、実際に「触って感じてもらう」ことが一番のプレゼンになるのです。

「指が覚えているということ、その指で会社を覚えさせようということです。これが新しい形です」
最後まですっと背筋の通った主張。
言葉がいちいちかっこいいですw
印象的、そしてシンプルなメッセージを軸に展開していくプレゼン。
これは「説明プレゼン」の対極にあるものです。
こんなプレゼンにしたいものですね。
てことで、僕が次につくるスライドには、もしかすると、
明朝で縦書きのメッセージ
がデザインされているかもしれませんw
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そういえば、あの「INFOBAR」がスマートフォンになりましたね。
iida 深澤直人デザイン
深澤直人氏のデザインの考え方については、この本がおすすめです。
デザインの輪郭/深澤 直人

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