1,000秒でできる線描アニメ! 【基本編】 | パワポ部

1,000秒でできる線描アニメ! 【基本編】

少し前、「流行りのパワポ」に書きましたが、

「線(アウトライン)を描いていく」

というタイプのアニメーションがパワポ界で流行っています。

そこで本日は、線描アニメのつくりかた【基本型】をご紹介しましょう。

題して……


★★★1,000秒でできる線描アニメ!【基本編】★★★


今回は「基本編」として、単純に1本のラインが描かれていく
というアニメーションをつくってみます。

できあがりはこんな感じです。

■1,000秒でできる線描アニメ/完成サンプル


では早速。


1)クリップアートを選択して、スライドに配置。

線描に使えそうなクリップアート(シルエット系とか)を選び、
スライドに配置します。

■クリップアートの挿入
$パワポ部-クリップアートの挿入

今回は「シルエット」というキーワードで、「クリップアート」を検索します。

■クリップアートの検索

$パワポ部-クリップアートの検索

検索されたクリップアートのなかから、「ビルのシルエット」を選んでみましょう。

■クリップアートの選択
$パワポ部-クリップアートの選択

クリップアートをスライドに配置し、画面いっぱいに広げます。

■クリップアートの配置
$パワポ部-クリップアートの配置


2)クリップアートを分割する。

配置したクリップアートを選択し、「グループ解除」します。

■グループ解除コマンド
$パワポ部-グループ解除コマンド

「これはインポートされた図で、グループではありません」云々のアラートが出ますので、
「はい」をクリックしてグループ解除を進めてください。

■グループ解除のアラート
$パワポ部-アラート

グループ解除をすると、ビルの部分と空の部分が分解されただけでなく、
空のグラデーションが一つずつバラバラになってしまいました。

■グループ解除状態

$パワポ部-グループ解除状態

この段階でいったん、スライドのコピーをつくっておきましょう。
これは、いつでもここまでの状態に戻せるためのバックアップです。

スライドのコピーは、スライドのサムネイルを「Ctrl」を押しながらクリックし、
下にドラッグするだけでOK。

■スライドのコピー
$パワポ部-スライドのコピー

コピーしたスライドではなく元のスライド(スライド1)に戻ります。

背景の空のグラデーションがバラバラになってしまったので、
使いやすいように空の部分をグループ化しておきましょう。

まずは、ビルのシルエットを真横に移動させます。

■ビルのシルエットを移動
$パワポ部-ビルを移動

空の部分全体を選択し、グループ化します。

そして、ビルのシルエットをスライド内の元通りの位置に戻します。

■空のグループ化
$パワポ部-空のグループ化


3)線描素材を加工する。

「ビルのシルエット」を選択し、「塗りつぶしなし」「線:色→黒/太さ→1.5pt」に設定します。

■ビルのシルエットの設定
$パワポ部-線の設定

スライド2(コピーしたスライド)の「ビルのシルエット」(塗りつぶし:黒)をコピー。

■ビルのシルエットをスライド2からコピー

$パワポ部-シルエットをコピー

コピーしたシルエットを、スライド1にペーストします。
※ビルの輪郭がぴったりと重なるように。

■ビルのシルエットをスライド1にペースト
$パワポ部-シルエットのペースト

これで「空」「ビルの輪郭」「ビルのシルエット」ができました。

もう一つ、「文字」の要素も追加しておきましょう。

適当なテキストをスライド1の最下部に配置します。

■文字の配置
$パワポ部-文字の配置


4)アニメーションを設定する。

いきなりですが、今回のメインイベント、「線描」のアニメーション設定をします。

スライド1の「ビルの輪郭」を選択します。
※「ビルのシルエット」はスライドの外へ避けておきましょう。

「ビルの輪郭」に、次のアニメーション効果を設定します。

開始効果:ワイプ
開始:直前の動作と同時
方向:左から
速さ:さらに遅く


■ビルの輪郭のアニメーション設定

$パワポ部-ワイプ

これで、左から右へツツツーっと線が描かれるようになりましたね。

今回は1本の線が左から右へと描かれる、というシンプルな設定ですが、
何本もの線が複雑に描かれていく、という設定も、基本は同じです。

※応用編はまたそのうちに取り上げてみます。

さあ、他の素材「空」と「ビルのシルエット」にもアニメーションを設定しましょう。

まず、「空」には下記のアニメーション効果を設定します。

開始効果:フェード
開始:直前の動作と同時
速さ:さらに遅く


■「空」のアニメーション設定
$パワポ部-空のフェード

「ビルのシルエット」
を元の位置に戻し、下記のアニメーション効果を設定します。

開始効果:フェード
開始:直前の動作の後
速さ:普通

■「ビルのシルエット」のアニメーション設定
$パワポ部-ビルのフェード

次は「文字」のアニメーション。設定は下記のとおりです。

開始効果:ディゾルブイン
開始:直前の動作の後
速さ:速く
テキストの動作:文字単位で表示(10%遅延)


■「文字」のアニメーション設定

$パワポ部-文字のディゾルブイン

さあ、これでスライド1は完成。
バックアップに使ったスライド2は削除してください。

スライドショーで確認してみましょう。

ふむふむ、なかなかいい感じではありませんか。

でもせっかくですから、もうひとアクション、追加してみましょうか。


5)もう1枚、スライドを使う。

スライド1の「画面切り替え」を設定します。

切り替え効果:ボックスワイプアウト
画面切替の速度:普通
自動的に切り替え:オン (タイミング:00:00)


■スライド1の画面切り替え
$パワポ部-画面切り替え

次に、スライド1のコピーを作成します。

方法は前述したように、「Ctrl」を押しながらスライド1のサムネイルをクリックして下へドラッグ。

■スライド1のコピー
$パワポ部-スライドのコピー

コピーしたスライド(スライド2)の「ビルのシルエット」の下に、
スライドと同じ幅で適当な高さの「黒い四角形」を描きます。

■黒い四角形
$パワポ部-黒い四角

描画した「黒い四角形」と「ビルのシルエット」「ビルの輪郭」「文字」をグループ化します。

■各要素のグループ化

$パワポ部-各要素のグループ化

この段階で、スライド2で「空」の部分に設定されているアニメーション効果は削除します。
(スライド1からコピーされたアニメーション効果)

さらに、スライド2の「画面切り替え」は「なし」「自動切り替え:オフ」に設定します。

先ほどグループ化した要素に、下記のアニメーション効果を設定します。

開始効果:アニメーションの軌跡→直線(上へ)
開始:直前の動作と同時
速さ:普通


■アニメーションの軌跡を設定
$パワポ部-軌跡を描く

最後に、スライド2の天地中央よりやや下あたりに適当なテキストを配置し、
下記のようにアニメーション効果を設定します。

開始効果:コンプレス
開始:直前の動作の後
速さ:速く


■文字にコンプレスを設定
$パワポ部-文字にコンプレス

一通りアニメーションの調整をすれば、はい、完成。

冒頭に挙げた「■1,000秒でできる線描アニメ/完成サンプル」のような動きになりましたか?

この通りではなくてもまったく構いません。

いろいろと応用してつくってみてください。

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さてさて、今回題材にしたクリップアートですが、実は
「ビルの輪郭以外の余計な線」が入ってるんですよね。

気になる方は、下記の方法でこの余計な線をカットしてください。

1)「ビルの輪郭」上で右クリックし、「頂点の編集」を選択。
$パワポ部-頂点の編集

2)輪郭の下辺、左右の頂点を削除。
$パワポ部-頂点の削除・左

$パワポ部-頂点の削除・右

3)右端の頂点に「開いたパス」を設定。
$パワポ部-開いたパス

4)余分な頂点を削除。
$パワポ部-余分な頂点の削除

これで余計な線がすっきりと削除できました。

■カットされた線
$パワポ部-カットされた線


……イラレとか使うともっと簡単なんですけどね(汗)