加藤 隆生/ロボピッチャー

世界にはボクらが必要

 デモテープを持ち込んで、あわよくばヒット路線に乗っかりたい…なんて他力本願さはロボピッチャーの辞書には見当たらない。
 「やれるだけ自分たちの力でやりたい!」と、結成直後の2002年秋には京大西部講堂でのライブイベント「ボロフェスタ」を同じ京都出身のLIMITED EXPRESS(has gone?)などと共同開催。クラムボン、ギターウルフ、デキシード・ザ・エモンズなど、ビッグネームと同じ舞台に立っても、活動の主導権は自分たちが握らないと気が済まないタチなのだ。 
 そんな地道な音楽活動が実を結び、この度初のミニアルバム「消えた3ページ」をリリース。ロックだけど何処かジャジー、そしてキャラは違えど一貫してノスタルジックを匂わすナンバーが枚挙に繰り出される。

薬師寺 寛邦 / キッサコ

$Power Play Sound From 京都CF!-薬師寺 寛邦 / キッサコ

 どんなに熱いソウルやメッセージも他の言葉じゃ芯のところまでは伝わらない、日本人の心にじーんと深く染みてくるのは、いつも口にし、耳にしている自分達の言葉…。そんな日本語で伝えることの大切さに立ち返るため誕生した、レーベル・japanative records。そしてそのファーストアーティストとしての命を受けたのがキッサコだ。
 「キッサコ?」と、出端から言葉の世界へと連れ出すようなユニット名は、仏教用語で「お茶でも飲みながら、ごゆっくり」の意。ほっとさせるような誘い込むような名前は、そのまま彼ら自身でもあって。「僕らは個人商店タイプだからCDは手売りが基本! イベントもショッピングモールでやったりして、奥さまもお子さまも広い層から一人ひとりお得意さんを増やしています。この人情込みでの商品・キッサコを是非お手元に(笑)」。
 本来のやり方を見直しそこから活動を始めた彼ら。そのデビューシングルもまた聞く人を生まれ育った本来の場所、故郷へ帰りたくさせるのだ。

Emi Meyer (エミ・マイヤー)

$Power Play Sound From 京都CF!-Emi Meyer

L.A.を拠点に活動する22歳のシンガー・ソングライター。日本人の母親とアメリカ人の父親の間に京都で生まれる。1 歳になる前にシアトルに移住。18 歳で曲を書き出し、 ヴォーカリストとしての活動を始める。 ’07年にシアトル-神戸ジャズ・ボーカリスト・コンペティションで優勝。新しい才能の出現は、各方面から注目されている。
http://emimeyer.jp/

自然体で柔らかな歌声が響けばほらすっと優しい心持ちになっていく

 ノラ・ジョーンズにファイスト、ジェスカ・フープ、そしてキャロル・キングさえも想起させるような。いつの時代も愛され続ける「女性シンガー・ソングライター」という表現の中から、また一人、素敵な才能が現れた。エミ・マイヤー。弱冠22歳の女性だ。
 活動拠点の L.A. ではすでに’ 06年に音源をリリースしているが、ここ日本でにわかに注目を集めるようになったのは昨年のこと。孤高のラッパーShing02の 「歪曲」 と、野崎良太によるクラブ・ジャズ・ユニット JAZZTRONIKの「JTK」という二枚のアルバムへ参加したことからだ。フィールドの異なるトップ・アーティスト二人が、彼女のスモーキーで、なのに透き通ったオーガニックな歌声に惚れ込んだのだ。「’ 07 年秋から’ 08 年春まで京都大学に留学していたのですが、その頃にやってきた大きな出会いでした。 (Shing02との)ツアーに参加したときは、北海道から沖縄まで全国を回って、今まで知らなかった日本の文化と名物を体験できて、自分の中での日本が広がりました。JAZZTRONIKでは、初めてヴォーカリストとしてのフィーチャリングを経験できたのも大きな一歩でした」
 また、京都の印象についてはこう話してくれた。「京都はモダンと伝統が交ざっていて本当に大好きな街。時間の流れもゆったりしていて、留学している間は自分のリズムで生活して充実していました。産まれた病院を訪ねたり、カフェを発見したり、哲学の道で花見をしたり。とても楽しかったです!」
 彼女から生まれる音楽は、そういった暮らしの「気配」とも共鳴している。だからこそ、例えば気持ちのいい昼下がりだったり、ちょっと立ち止まって考え事をしてしまう夜更けだったり、毎日のなかで起こる心の動きに寄り添うように、じんわりと染み込んでいくのだ。「人との出会いや関係から生まれた感情や、旅先で新鮮な体験をしたときに曲が思い浮かぶので、自分と世界との関係を探っているような作品だと思います」
 この日本盤には日本語詞の新曲「君に伝えたい」をボーナストラックとして収録している(もちろん他は全て英語詞) 。次には、全編日本語詞でのアルバムも予定しているそうだ。「やはり日本で歌うなら日本語でも挑戦したいなって。最初は難しかったけれど、美しい言語だし、歌っていていろんな発見があって楽しい。 日米のミュージシャンとつくっていて、誰でも楽しめる音と言葉が詰まったアルバムにしたいですね」