画像のは1984年モデル「RS220T」用のピストンです。
RS220TはHRCから販売されたトライアルコンペ専用のマシン。
ボアは66ミリ。
1974年に販売されたTL200RからこのRS220Tまではずっと66ミリのピストンでした。
しかし・・・なぜかRS220Tだけピストンリングが2本リングなのです。
通常ピストンリングはトップ、セカンド、オイルと3本です。
歴代のHRCトライアルマシンは現在まで3本リング(だと思います。)
サービスマニュアルにも以下文面でした。
*RS220Tのピストン・リングはセカンドリングを使っておりません。
従ってトップリングとオイルリングの合口は180°に振り分けてください。
RS220Tだけが何故なのか説明してもらえるのは当時の開発に携わった人だけなのかな。
このピストン(画像)、最近完成した鍛造ピストンです。
しかも2本リング仕様で造りました。
この66ミリボアのピストン製造の要望がありました。
しかしRS220Tだけなら生産台数も少量だったと思うので造ってなかったでしょうね。
造るきっかけはこのシリーズ、エンジンのオーバーホールの依頼がたくさんありました。
TL200R TL200RⅡ RS200T などなど。
ほぼすべてがこの2本リングに替わっていたのです。
この時代、このピストンに替えることがチューニングのアイテムだったのでしょうか。
理屈で考えればフリクションの低減につながるわけですから。
そういえばCRF250Rも二本リングだったと思います。
でもなんか魅力を感じたピストンなので造ってみました。