歳をとってから、いいなあと思えるようになったものが幾つかあります。童謡がその一つです。幾つか好きな歌がありますが、中でも「ぞうさん」が好きです。歌を聞いて涙が出そうになったこともあります。特に好きなのは、2番の歌詞で、ぞうさん ぞうさん 誰が好きなのあのね 母さんが 好きなのよの部分です。子供の頃は素直に言えたことが、大きくなるとなぜか言えなくなります。ひとかけらの羞恥やためらいもなく、高らかに「お母さん大好き!」と歌い上げるこの歌を聴くたびに、はっとして、その言葉の持つ強さに胸が震えるのです。