夏休みの一人旅を楽しんでいたためしばらく時間が空いてしまった…!とりあえず旅行中に読んだ本の記録をつけていこうと思う。旅行中にも色々思うことがあったので,またそれも別で書こうかな。

 

 

今回はパウロ・コエーリョ著「アルケミスト 夢を旅した少年」。高校時代の友人からおすすめされたブラジル人作家のフィクション作品である。

羊使いとして楽しく人生を送っていた少年が,予言的な夢と不思議な人に感化されて宝物探しの旅に出発,人生を変えていく物語。人生が変わる,ではなく人生を変えるお話。

「前兆」「マクトゥーブ(アラビア語で『それは書かれている』の意。既に決まっている運命,といった感じ)」といったキーワードが全体を通して多く登場する。

 

おそらくブラジル人作家の本を読むのは初めてであるし,ポルトガル語の原作を英訳したものをさらに日本語訳したものということでニュアンスが上手くつかめるのか疑問であったが,若干の宗教要素はありつつもあまり気にすることなくさらっと読めた。

 

 

全体としては言語の壁を越えて全人類に共通する「人生」「決断」「幸福」といったテーマとなっており,人生の意味を考え悩んでいる私には刺さるものがあった。

 

今やっていることが本当にやりたいことなのか?このままでいいのか?なんのために生きているのか?

答えは自分の心の中にある。自分が一番知っているはず。それなのに変化を恐れたり,自分には出来ないと思い込んだりして,心の奥底にしまい込んでいるのは自分自身なのだ。

夢を叶えたい,現状を変えたい,と本気で望むなら,自ずと道が見えてくる。「前兆」が見えるのだ。

 

 

私は学生の身であるから,職業,居住地,結婚・出産など多くの要素が不確定である。別に社会人になれば確定するわけでもないが,今が最も不安定な時期になるのではないかと思う。日本の大学生も就活の「自己分析」の段階で躓く人がいると聞いた。
 

分析というと難しそうな気がするが,何が好きで何が嫌いか,何が得意で何が苦手か,それはなぜか?をたくさん思い出して整理するだけでも十分効果があるだろう。

周りの意見や社会規範(そんなもの住む場所や個人の価値観でいくらでも変わる)を一度すべて排除したうえで,自分の心の声をきちんと聴く時間を取るべきだ。

 

 

この本に関しては深く考えるより純粋に小説として楽しむ部分が多かった。久しぶりの小説だったからかも。

最近はエンタメ要素を享受したい場合に映像視聴(Amazon Prime VideoとかYouTubeとか)に頼ることが多くなっていたと思う。受動的で気軽だし,新たに情報がどんどん入ってくるから辞めにくい。

もちろん映像の方が分かりやすいこともあるし,視覚と聴覚の相乗効果は本にはない強みだ。だが,文字から映像を想像してそこに自分を置くことで,より没入感が味わえて登場人物への感情移入もしやすくなる。

 

バランスよくそれぞれの強みを活かした作品を楽しんでいきたい。

 

 

※読了から2週間ほど経っており,細かい内容をあまり覚えておらず…。感情頼りの文章で失礼しました。読書の秋!まだまだ読むぞうさぎ