鈴木治彦先生と尾上松也丈のトークショー。
なかなかない機会なので、記録をこちらにも残します。
覚え違いのところがあるかもしれないのですが、ご容赦いただければ・・・
当日は少し松也くんの到着が遅れたが、待ち時間の間、鈴木先生のお話で楽しみました。
松谷くん羽織袴に着替えて登場
●古典が難しい。道のりは長いと思う。空気感を出したい。
型は動作の決まりごと、すべて理由がある。
そこに気持ちを乗せていくのが難しい。
決まりごとでなく、意識しなくても向かえるようになりたい。
違和感なく自然に見えるように。
ストレートプレイ、ミュージカルとはアプローチの仕方が違う。
●忠臣蔵 勘平について
自分が思う勘平には程遠い。勘平は同じ年だから、先輩方より勝っているのは唯一リアルさだと思う。
なかなか同年ではできない。
20代前半は女形だったので、おかるがやりたかった。
この役は菊五郎さんに習いに行った。
こんなにつらい役はないと菊五郎のお兄さんもおっしゃっていた。
大変に気を使う。縞の財布以降はずっと苦しい。反応しながらずっと耐えていなくてはいけない。
この後の演目に俄獅子があって本当によかった。
そういう切り替えもなく、1ヶ月演じ続けられることもあると思うと、菊五郎さんは本当にすごい。
(おじさまではなく、おにいさんとよびます。そのあたりはむずかしい。いつもは先輩方はお名前で呼ぶようにしている)
●歌舞伎化粧の本を出したが、歌舞伎のお化粧は隈取以外決まりがない。人によって違う。道具も違う。
●写真集は撮影に半年くらいかかった。写真家は10年来の友人、「挑む」のポスターも彼の写真。
リラックスした写真もとった。
●家族について
父は3兄弟。父だけ歌舞伎役者だった。先先代の松緑の弟子。
祖父は新派の役者。新派は遠い存在ではない。
女形については、自分は体が大きく、肩幅も広いので気を遣うことが多い。背を盗むのはつらい。
玉三郎のお兄さんからは、身長が大きいことを気にすると却って目立つ。要所要所(相手役がいるときだけ)注意する方が気にならない。
母も新派の女優だったが、これから松竹が売り出そうという時期、大河ドラマに出演が決まっていたのに結婚をした。
父は門閥外だがこれからというときになくなり、母も自分のせいで引退した。両親の思いを実現させたい。
自分の結婚はまだ早い。父は40代で結婚したのでそれをこえないようにと思っているが、
やっと大きな役ができるようになったし、今はチャレンジするとき。
やりたいことには挑戦する。今は結婚より可能性を求めている。
●ミュージカルについて
最初は嫌いだった。猿之助のおにいさんが亀治郎時代共演した際、そのころおにいさんはミュージカル劇団四季にこっていた。自分はディズニー好きだったので、おにいさんがライオンキングに連れて行ってくれた。そこから魅力にはまった。
そのうちミュージカル好きの友人とカラオケに行くようになった。亀治郎さんとも、二人で行ってライオンキングの歌をストーリー順に歌ったこともある。
みんなに、うまい!といわれるようになり、出られるかもしれないと思ってオーディションを受けるようになったが、いつも最終選考で落ちていた。
そのうち「ボクの四谷怪談」が決まった。歌がある、ロックがある、そこが始まり。小池先生が見に来てくれた。その後、「ロミオ&ジュリエット」のオファーがあった。よく知らない演目だががんばろうと思った。がんばれば「エリザベート」に出られるかも!なんて思っていた。
「エリザベート」はトートかルキーニで出たかった。出たかった演目に出られるのが本当にうれしい。
●コクーン歌舞伎
古典にとらわれない演出。歌舞伎の常識は通用しない。
迷った挙句、先輩には習いに行かなかった。(歌舞伎では大役初役の際は必ず誰かに教わるべき、というルールがあるが、教わったことをやらないと失礼になる)
現代の若者をリアルに表現。前の「三人吉三」と同じにする気はなかった。新たなものをつくる。
大川端はいろんなやり方でやってみた。お坊とお嬢が切りあうところで、和尚が半纏をかぶせてとめるが、あれはリアルだということがわかった。本当に動きがとまる。歌舞伎の型でも刀は上に上げるなといわれるのだが、理由がわかった。昔の人はすごい。
シネマ歌舞伎の試写をみてきた。役者としては反省ばかり。見てほしいのは吉祥院の場面。よりきれいに写されている。
それにしても笹野さんはすごい。どこで写っていても表情がすばらしい。
シネマ歌舞伎としては、今までで一番上演館が多い。
●浅草歌舞伎はジャパンタイムスで大絶賛だった。
(ラスベガスかブロードウェイでの上演は?と聞かれて)
チャンスがあればとは思うが、
まず日本でがんばって、国内制覇してから行きたい。
●これからやってみたい役は
夏祭の団七
桜姫の釣鐘
四谷怪談の伊右衛門
武部源蔵もリベンジしたい
●歌舞伎初心者へのお勧め演目は
ストーリーがめちゃくちゃ、でも面白い暫とか、
芋洗い勧進帳とか。
歌舞伎はどの演劇よりも見るポイントが多い。
鈴木先生こだわりのアクセントの話題
マツヤは平板に発音する。丁度「松屋」デパートと同じ。
抑揚をつけると、女中さんを呼ぶ「松や?」になってしまう。
(松也くんは「どちらでもいいですけど~」とのこと。
司会者は大変こだわりが・・・さらにはソメゴロー、キクゴローも平板なアクセント、
でも、エビゾウ、キクゾウが「ゾ」にアクセント)