『かのそれ』雑感
11.その昔、大正時代に自由恋愛を謳った人たちがいましたが、結果は成功したとは言えない話もちらほら。彼彼女らが目指したところと現代のポリアモリー、似ているように思え。ただ人としてどうしても生じてしまうであろう嫉妬心や独占欲を克服することが可能なのかということ。そこから解き放たれる方法があるなら、恋愛に限らずみんなが幸せになれるのかもしれないと。
12.伊麻の家からは、一見ユートピアのような解放感を感じられるけれど、今後別の側面も見ることになるのかどうか
13.氷雨の母鈴子を見ていたら、映画『この子の七つのお祝いに』を思い出しました。岸田今日子さん演じる妻が、自分を捨てた夫への恨み辛みを子どもに言い聞かせ続ける人生があまりに痛々しく。鈴子がまず救われてほしいと。(思い出せる作品が古すぎて自分でも驚き)
14.鈴子が伊麻と対峙する時、伊麻がどう応えるのかものすごく気になります。
15.困った時に亜夫のような人が助言をくれたらどんなにか救われるかと
16.10代の頃からすでに諦めたような表情で母親に接する氷雨。どれだけ重苦しい時間を過ごしてきたのか
17.氷雨は完全に奥手というわけではなく、行為を行動に移すこともするし、背中を押されてではあるけれど気持ちを自分の言葉で伝えることもできる。あとは知らなかった世界を頭の中だけでなく受け入れることができるかどうか。ちょっと予測できるような気もするけれど、その過程はきっと面白いはず
18.複数の相手がいることで常に心に余白ができて余計な感情が生まれなくなる、ということはあるのかも
19.離れているとマイナスな感情が生じがちだけれど、常に近くにいることで相手もそのまた相手のことも理解できて感情の波も穏やかになる、ということもあるのかも
20.間接照明が多いことも、伊麻の家を温かく見せているような

