【2024年読書記録】⑱

『キャパの十字架』 沢木耕太郎 著

表紙を見て買わずにいられなかった書。ロバート・キャパ自身の自伝は読んだことがありますが、この写真の存在は恥ずかしながら知らず。


初見は伊藤健太郎さん主演舞台『背信者』の稽古写真。一見こう見える筈が別の見方をすれば的な、物語の根幹に触れる材料。


その視点を持って読み始めたので最初から心構えはできてました。


事実を明らかにしたい沢木氏の執念と、想像を越える取材の数々。それだけでもううなだれるしかなく。


ただ着地点が事実の暴露ではなく裏にある様々な人々の想いや出来事を踏まえた上での、結論は読者に委ねる的な感じ。見事です。