7/31(日)本日の健活
#冬薔薇 #出町座 さんにて
#阪本順治 監督トークショー

再び遠路はるばる訪ねた甲斐がある素敵な素敵なトークショーでした。これからお話の内容をゆっくり思い出します😌✨






7/31 出町座にて阪本監督トークショー


原田芳雄の形見のジャケットを着てきました。


当て書きというのは色々言われてますが、伊藤健太郎という俳優を頭に置いてストーリーを考えたということであって、彼そのものを書いたのではない。


大ベテランの俳優と同じ現場にいても彼はその場から動かず話を聞いていた。おばあちゃん子で聞き上手。


初対面の日に講義したこと。「俳優という字は人にあらず(人と人は背中合わせになっていて、必ずしも世間に合わせる必要はない)、人を憂う(常に人を思いやる気持ちを忘れない)ということ」彼はポカーンとしていたけどね。


インタビュー記事を読んで思い出した昨日の監督の言葉。

「謝ればいいの?」というセリフを淳に言わせてみた。これは普通なら言わないだろうが、自分の腹の中には浮かんだことがあるかもしれない言葉。また人を傷つけたことがない人なんていない。


お酒を飲んだ帰りに見つけた冬薔薇が「いとおしい」と思い、そして「いとう」健太郎に会ったと、前にも聞いたギャグ。


40歳という年齢差があり言葉が通じない不安があった。脚本に“ジーンズ”と書いたところ、実際セリフを言うシーンで「ジーパンって言ったんですよ、あいつ」


ガット船の描写を通して下請けの下請けの産業の実態を見せたかった。

(事故があったことはオフレコ)


結婚してうまくいっている人が周りに誰もいない。(淳の両親の話の流れで)


(映画監督として)今後も前に出るのではなく、後ろに下がらないというスタンスでいきたいと思っている。


質疑応答

質問①親も子も関係がうまくいかない設定になったのはなぜか→自分や健太郎さんの親子関係を参考にした。親は子どもが見ていないと思っているが、子どもは意外と親が喧嘩しているところなど見ている。健太郎さんは父親に何か言って欲しいと思った経験があり、そこが船でのシーンに繋がった。


②年上の女性ファンが多いから女性にたぶらかされる設定になったのか→彼を知った時はファンのことも知らないからそれはない。


③また『団地』などのような作品は撮らないのか→先日京都で時代劇を撮った。分野にとらわれずやっていく。自分が楽しくなる作品を撮っていきたい。


④ラストで淳が泣いているように見えたが、涙を流していたのか→そのように見えたならその方がそれを欲していたということ。


⑤なぜピンクの薔薇にしたのか→色んな色の中で雪に合う優しくてきれいな色だったから。


⑥薔薇に積もる雪は本物か→(苦笑いしながら)雪のシーンを撮る時は、降らせる雪、積もる雪と色んなスペシャリストがいる。


⑦目の不自由な方とぶつかったシーンはなぜ出てきたか→過去の作品で関わった方との経験がもとになった。淳が遅れてでも謝ったのは、そこまで落ちた人間になりたくなかったから。愛すること愛されることがわからない彼は、自分ができた人間でないことを自覚している。


⑧ラストシーンについて→Blu-rayで健太郎さんとその話をしている。美崎が何で淳を見つけられたかは、横浜から横須賀に行くこともあるだろうし、チクらないように追っていたのかもしれない。


幻想的に見えた→あれは幻想です。ラストシーンのセットは現実感のあるもの(ゴミ箱など)はなくして、光が反射する金属のもの(脚立など)ばかりにして幻想的な雰囲気を出し、幻想かもとも思わせる設定